ナナッテ先生のおせっかいブログ

自己実現のために……

長男には“プレミアム感”を

2017年09月12日 | 子育て・人格形成
長男にありがちな問題として、斜に構えた態度をとる、すぐに不機嫌になる、価値観が歪んでいる……を挙げることができます。特に第一子長男に顕著です。それは「第二子ショック」を克服していないことが主な原因と考えます。

「ワンオペ育児」という言葉に象徴されるように現代社会では育児の密室化が進んでいます。そのため親子の関係は濃密になりがち。特に男の子だとお母さんとの関係はまるで恋人のよう……。

ところが、蜜月は長くは続かず、第二子の誕生で終焉を迎えます。突然母親を奪われて、お兄ちゃんという棚にあげられてしまいます。

これが年子であれば、母親を独占した記憶がないためダメージも小さいでしょう。逆に、大きく離れていれば、余裕があるので素直に弟・妹を歓迎するでしょう。危ない年齢差が2歳~4歳。ちょうど自我に目覚める時期です。早すぎる挫折は大きな心の傷となることも。これを機にコミュニケーション不全に陥りやすいといえます。

対処法として考えられるのは、“プレミアム感”を演出すること。「あなたは長男だから特別よ」と持ち上げて優越感に浸らせるのです。

例えば、デート。二人きりで出かけて美味しいアイスクリームを食べたり、ゲームセンターでプリクラを撮ったりしては如何でしょうか。さらに「これは内緒よ。二人だけのヒミツだからね。ほら、指切り」と秘密を共有すれば、いっそう効果的です。

やる気の着火点

2017年03月17日 | 子育て・人格形成
3月12日の朝日新聞に掲載された読者相談。トピックは「息子が宿題をしません」でした。

相談の内容は、「宿題をしなさい」というと反発、かといって放っておくと手をつけない……というもの。多くの家庭で見られるシーンですね。

回答者も同様の問題を抱えているようで、相談に対して具体的な対処法は示されませんでした。代わりに、『孤島の冒険』のような冒険譚を読ませることを勧めていました。

思うに、これは生物学にいう“閾値”の問題ではないでしょうか。閾値(いきち)とは、行動を起こさせるのに必要な刺激のレベルです。やる気に火がつく着火点といってよさそうです。閾値が低いとすぐさま行動に移すのに対して、逆に閾値が高いとなかなか行動に移しません。
「宿題は大事だからやりなさい」と言われて「はーい」と素直にとりかかるのが閾値が低いタイプ、なかなかやらないのが閾値が高いタイプ……という具合です。

では、閾値の高い子どもは、ずーっと怠け者のままかというと、そうではありません。“その時”が来ればスイッチが入るのです。
孤島に流された。そんな危機的状況に陥ればスイッチが入り精力的に動き出す。だから“その時”を辛抱強く待ちましょう……それが回答者の言わんとするところでしょうか。

中学、高校…のんびりと過ごしていた生徒が、大学入試で落ちて初めて認識の甘さに気付き、必死に勉強して翌年難関大学に合格……よく聞く話です。

そういえば、かの国の男たち。普段は怠惰なのに、国家存亡の危機とみるや命がけで戦って超大国を負かしてしまいました。彼らも閾値が高かったといえそうです。

パズルが自閉症を招く!?

2015年07月09日 | 子育て・人格形成

男女の肉体が異なるように、男性は空間認識が優れていて、女性は色彩認識が優れている…と脳の働きにも違いが生じます。

後掲の番組で紹介していた研究によると;自閉症は男性脳が極端に発達しているとか。空間認識の能力を問うパズルに異常に強いのが特徴といいます。

すると、幼児教育で脳トレと称して空間認識のパズルを解かせますが、度が過ぎると自閉症になるかもしれません。

NHKドキュメンタリー - BS世界のドキュメンタリー「あなたの脳は男性?女性?」

「一姫二太郎」~第一子長男が危ない!?

2015年02月26日 | 子育て・人格形成
「一姫二太郎」という格言があります。子を持つならば、一番目は女の子で、二番目は男が良いという意味です。女の子の方が育てやすい、長女は母親代わりになって弟・妹の面倒を見てくれるので助かる…という経験則を集約したようです。

私は、一姫二太郎が教育環境の面でも有利と考えます。第一子長男は、挫折に弱い、価値観が歪んでいる…と人格的に問題を抱える傾向にあるからです。特に二人兄弟の場合。

フロイトは、母親と幼少期における第一子長男の関係は“恋人”のようであると説きました(エディプスコンプレックス)。第一子長男は、母親にとって初めての子ども、しかも異性。全身全霊を傾けて子育てに励みます。長男もその愛をぞんぶんに享受します。

ところが、第二子の誕生によって、特別な地位を失うことになります。クーデターに遭った王子様のように。

特に危ないのは、年齢差が2歳~3歳。自我が目覚めてくるのに理性が未熟というアンバランスな時期だからです。状況を理解できず、下の子をいじめたり、赤ちゃん返りをして母親の気を引こうとします。

もっとも、大家族・多世代家族で従姉弟たちに囲まれていれば、このショックも軽くすむでしょう。兄弟が3人以上の場合も同様です。「僕が大事にされたのはたまたま最初に生まれたから」と納得するから。
しかし、二人兄弟だとこの挫折を引きずります。「何か落ち度があったの?」「ママは僕を嫌いになったの?」と苦しむのです。とりわけ核家族でマンションのように閉ざされた空間(カプセル?)で暮らす場合は最悪。親子の関係が濃密となるので、愛情過多となりやすく、その反動が大きいからです。

第二子が生まれる前には親族や地域コミュニティと接する機会を増やして、二人きりの時間を少なくする。第二子誕生後は、時々“デート”に誘って「あなたが一番」と褒めそやすことが重要といえます。それが私が考える第一子長男のフォローです。

子は“預かりもの”

2014年07月05日 | 子育て・人格形成

「子は授かりものではなく“預かりもの”だ」という考えがあります。たとえ実子でも親の所有物ではなく、子育てが済んだら社会にお返しするべきものだという考えです。親の思惑通りにならなくて当然という子育ての心構えを説いているのでしょう。

ある親子の話。お母さんが「お腹を痛めて産んだ子なのに、折り合いが悪い」と親子の葛藤に悩んでおられました。

私もその子に違和感を覚えることがありました。外見は日本人なのに、大陸的な雰囲気を感じさせることがあったのです。
後で分かったことですが、お父さんの血筋に外国人の血が混ざっていました。その遺伝子が言動に表れたのでしょう。

「親子なのに、どうして違うの」とカッカするときは冒頭の言葉を思い出してはいかがでしょうか。

隔世遺伝という言葉があります。子に親にない先祖の性質が表れることです。我々は連綿と続く遺伝子の「運び屋」にすぎないのかもしれませんね。

報酬は害になる?!

2014年04月27日 | 子育て・人格形成
褒美・報酬はやる気の原動力とされていますが、そうとも言い切れないようです。

下記の講演は、成功報酬的な動機付けの限界を説いています。ごく簡単に要約しますと;
「報酬というのは、視野を狭め、心を集中させるものです。だから目の前にあるゴールをまっすぐ見ていればよい場合にはうまく機能するのです。しかし、応用力、柔軟な思考がなくなり、可能性を狭めます。
 高いパフォーマンスの秘訣は、報酬と罰ではなく、見えない内的な意欲にあります――好きだからやる、面白いからやる 何か重要なことの一部を担っているからやる」

私も、アメとムチではなく内的な動機付けに基づくアプローチが重要と考えます。
「成績が上がったら○○を買ってあげる」というアメ、「成績が下がったらゲームを取り上げる」というムチ、いずれも短期的には効果があっても長期的には効果が期待できません。自分のためという視点が欠如しているからです。

面白いから勉強する、充実感を得られるから勉強する、将来必要だから勉強する――意義を納得できれば、モチベーションは自ずと上がるでしょう。

“The puzzle of motivation”Daniel Pink

ナナッテ  2014/04/27


親子で調べる習慣を

2014年03月30日 | 子育て・人格形成
小学校教諭の安達誠氏が、親子で調べる習慣があると子どもの能力を伸ばせると新聞のコラムで書いていました。

同感です。家庭の文化力は子どもの学力と密接な関係があり、文献で調べるという行為もその一つです。

でも、世のお父さん方は「忙しく働いているのだから、家に居る時ぐらいのんびりさせてくれ」とおっしゃるでしょう。たしかに、家庭はくつろぎの場ですが、同時に教育の場でもあります。

些細なことでかまわないのです。テレビで見知らぬ言葉が出てきたら親子で調べてみましょう。それだけで子どもに良い影響を与えることでしょう。

ナナッテ 16:24 2014/03/30




勉強机はいらない!?

2014年03月10日 | 子育て・人格形成
勉強机は入学祝いの定番ですが、低学年のうちは不要といえます。

家庭学習をしなくてよいといっているのではありません。リビング、ダイニングのテーブルで十分、いや、その方が望ましいのです。理由は次の3つです。

(1)学校生活をスムーズに送れるようになる■

家庭内のパブリックな場所で勉強するには、教材を片づける必要があり不便ですね。でも、この不便をこなすことで学校生活に早くなじめます。必要な物を出して、そうでない物を引っ込める――この行為は学校での授業と同じだからです。また、不便をコントロールすることは脳を鍛えてくれます。

(2)人格形成に重要■

小学1年生、2年生を低学年といいますが、この頃は親・家族との関わりが人格形成に重要な時期です。

親子が同じ空間を共有している時、親は子どもの行動を確認でき安心です。同時に、子どもも安心です。「たそがれ泣き」を思い出してください。子どもは夕方一人になるのが不安なのです。家族に見られている方が「僕も小学生だ。勉強だってできるもん」と自己アピールもできるので、自己肯定感が増して人格形成に好ましいといえます。「よくできたね」とリアルタイムに褒めてもらえれば、励みになり学習習慣が自然に身につくでしょう。

(3)家庭の文化力が上がる■

家族が集う場所で勉強すれば
「今日は何を勉強したの?」
「ママ、ここを教えて」
と勉強に関する会話も生まれやすくなります。この“学術的会話”が家庭の文化力を上げてくれます。

親が子どもの学習内容に関心を持ち、それに肉付けする。その影響を受けて子どももさらに高いレベルを目指すようになる。そんな好循環が生まれます。特に親子で一緒に調べものをすれば、応用力が伸びます。いろいろな媒体で情報をつなぐことで応用力を支える脳内ネットワークを強化するからです。

ナナッテ 15:59 2014/03/10 

たそがれ泣き・たそがれトーク

2013年06月20日 | 子育て・人格形成
夕方は夕飯の準備で忙しいですね。そんな時に限って子どもたちは話しかけてきます。

迷惑に思えますが、それは“黄昏泣き”の延長で、安心を求めているのではないでしょうか。

人間は、もともと草食動物であり、肉食獣に捕食される側。日が落ちれば、遠目が効かず、身の危険が増します。その恐怖は、進化を遂げた今でも遺伝子に残っているのでしょう。
だから、安心を求めて赤ちゃんは泣き、幼児はお母さんにまとわりつく、甘える。

加えて、親子間の対話はコミュニケーション能力の発達、ひいては脳の発達を促す機会でもあります。相手をしてもらえないと、発言意欲がなくなり、発達に悪影響が出るかもしれません(特に男の子は)。

いずれにしても、話し相手として求められているうちが華ですよ。忙しくても、作業を中断してお子さんと向き合ってくださいな。

体育指導は害?

2012年05月13日 | 子育て・人格形成
後掲のニュースによると、「幼稚園で体育指導を受けている子どもと、自由に遊んでいる子どもの運動能力を比べたところ、後者の方が運動能力が高い」とか(東京学芸大学名誉教授:杉原隆氏のグループによる調査)。

その理由を:説明が長かったり、順番を待つ時間のために実際の運動量が少ないこと、同じパターンの運動を繰り返すので体の発達に偏りが生じる…と分析しています。

また、教授は、「小学校3年くらいまでは体育指導はいらないのでは」とコメントしています。

このことから学ぶことは2つありそうです。
幼児教育と称していじることは好ましくないこととそして、その境目は小学校3年くらいということです。

参考:
“自由に遊ぶ子”運動能力高く NHKニュース(NHKニュース)
幼稚園における健康・体力づくりの意識と運動指導の実態[PDF]