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2-3 離婚を促す心理メカニズム

2019年11月12日 | 『少子化問題を考える』



2-3 離婚を促す心理メカニズム


 子どもが2歳、つまり3歳になる前に離別・離婚を促す心理的なメカニズムは他にもあるようです。

他人の子なのに可愛い

 ある時の知人との会話。
 「お子さんはいらっしゃるの」
 「はい」
 「おいくつ」
 「2歳です」
 「可愛い盛りね」

 親にとってわが子はいつでも可愛いはずなのに、なぜこの人は時期を限定するのだろうと、私は違和感を覚えました。でも、2歳を可愛い盛りとする意見は他にもあるようです。

 先日参加した集会に出席者が2歳のお譲ちゃんを連れてきました。愛くるしい笑顔や天真爛漫なしぐさ……に大人たちはメロメロ。普段は仏頂面・しかめっ面のおじさんでさえもニコニコしながら話しかけていました。

これは一般的なのでしょうか。
右の体験だけでは満足いかない私は、インターネットで「可愛い盛りはいつ」と検索してみました。たしかに、2歳が最も可愛いとするのが多数派のようです。「子どもは3歳までに一生分の親孝行をするけれど、2歳はその絶頂期」とする意見も散見されました。
 どうやら、2歳児の可愛さは無敵のようです。

 これも実子でなくても育てようとする共同養育を促進するための心理的メカニズムかもしれません。他人の子であっても「可愛い、だから世話をしたい」という動機づけになるからです。

 昔の人は、2歳児を連れた親に「子育てが嫌なら無理しなくてもいいよ」「後は任せなさい」と言い寄ることもあったでしょう。その原動力となる感情がわくように遺伝子に刷り込まれたのではないでしょうか。

物心つく前に

 次に取り上げる心理的なメカニズムは、子から小さい時の記憶を消し去ることです。

 記憶は3歳位までさかのぼることができるものの、それより前はムリという人が多いようです。
 私の記憶で最も古いのは、引越しです。土砂降りの雨の中を私たちの乗せたジープ(四輪駆動車)が疾走するシーンが刺激的だったから記憶に残ったのでしょう。後年両親に尋ねると、私が3歳の時だったそうです。
 しかし、それより前の記憶はありません。「いつも近所の木にまたがっていた」「○○さんに可愛がってもらった」……と母がエピソードを語っても、全く思い出せないのです。

 このようにある時を境に、覚えている、覚えていないと年齢的に線引きができるのも不思議と思いませんか。
2歳以下の記憶であっても、まだらに残っていてもよさそうなものです。
これも共同養育を容易にしているのではないでしょうか。小さい時の記憶を残さない方が新しい親との関係を作るのに都合がよいからでしょう。

 子どもを抱えて離婚した人に、あるいはパートナー・配偶者を亡くした人に対して、年長者が、「再婚するなら、子が物心つく前がよい」とアドバイスすることがあります。
 2歳と3歳とでは、なつきかたが違うことを経験則で得たのでしょう。


7:34 2019/11/12













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