栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

第170回天皇賞回顧~歴史的な瞬発力

2024-10-31 12:14:02 | 血統予想

東京11R天皇賞
◎12.リバティアイランド
○14.レーベンスティール
▲10.ダノンベルーガ
△6.ソールオリエンス
×7.ドウデュース
今年の秋天は岩田親子が乗る奥村2騎の先行で口火。この並びだと父がハナで息子が番手か。いずれにしても札幌記念や毎日王冠同様、中だるみからの上がりのケイバに持ち込む腹だろう。
リバティアイランドは母ヤンキーローズがATCサイアーズプロデュースS(豪G1・芝1400m)などに勝ったマイラーだし、1800~2000の絶対スピードがナンバーワンと言うべき馬だ。ベストパフォーマンスを叩き出せる舞台でイクイノックスはいない。不動の◎。
レーベンスティールは見た目は父リアルスティール似だが、母父トウカイテイオーの独特の柔らかさを受け走りにしなりとバネがある。父は秋天でモーリスの2着だったが、こちらのほうが斬れは上だ。上がりのケイバのほうが斬れで差しやすいだろうし、この手の馬でルメールさんが差し損ねるとも考えにくい。相手一番手。
ダノンベルーガは母や母父が北米マイラーだし、これも長いところより1800~2000がいいだろう。フォトパや調教を見ると、ここにきてトモがパンとしてきたように映る。堀の5歳ハーツがついに本格化を迎えたかもしれない。
ソールオリエンスは宝塚を見てのとおり大箱のほうが差しやすい。東京で高速決着になってどうかという面はあるのだが、その点で勝ち時計が速くなりすぎないほうがいいだろう。
ドウデュースは東京より中山で狙いたい馬ではあるが、東京ならスローのほうがピッチで差せるので3着で拾った。

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例によってNETKEIBAの全頭解説から1~3着を

ドウデュース
ベイショアS(米G2・ダ7F)2着Much Betterやフラーレンの半弟。母ダストアンドダイヤモンズはギャラントブルームH(米G2・ダ6.5F)勝ち。母父VindicationはSeattle Slew直仔の北米2歳チャンピオン。リバティアイランドなどと同じトニービンとStrawberry Roadのニックス配合で、末脚の爆発力がとにかく秀逸。ダンシングブレーヴの近親だから一気に脚を使うレースで強いイメージで、昨年のように緩みなく流れて脚をタメられるか。(距離◎スピード◎底力◎コース○)



タスティエーラ
母パルティトゥーラはJRA3勝(芝1600)。母母フォルテピアノはサウンドアクシスの全妹でJRA3勝(ダ1200~1400)。カンパニーやトーセンジョーダンも同牝系。父サトノクラウンは宝塚記念などに勝ちトーセンローリエやウヴァロヴァイトを輩出。サトノクラウン×マンハッタンカフェだから重々しいが、母母がダ短距離で活躍したパワー型なのでバランスがとれている。立ち回りの巧さが最大のセールスポイントで、2000だと皐月賞のように渋ったほうが狙いやすい。(距離○スピード○底力◎コース○)



ホウオウビスケッツ
ホウオウユニコーンの半弟で、牝祖マンファスは名種牡馬キングカメハメハやG1サンタアニタダービーのThe Deputyなどを生んだ名繁殖。母ホウオウサブリナはそのマンファスのクロス3×2をもつ。父マインドユアビスケッツはドバイGシャヒーン連覇で、デルマソトガケやマルカラピッドなどの父。本馬は母父ルーラーシップの影響も強いパワー型中距離馬。毎日王冠はスローで逃げ惜敗も、上がり特化すぎてここにつながるかは微妙なところ。馬場が渋るのはプラス。(距離○スピード○底力◎コース○)



先々週から大阪~京都~滋賀~名古屋~東京とさまよい、菊はあの馬見の達人とご一緒して一日パドック&返し馬教室、東京ではあの名店に立ち寄ってナスキロ焼きを堪能、秋天は同伴したオーナーがタスティエーラ-ドウデュースの渾身ワイドで払い戻しがそびえ立ち、翌月曜は栗山求&生駒永観と笠シショーの家を訪問(会うのは久しぶりでしたが、のっけから笠雄二郎節全開で思ったよりお元気そうでした)、夜は定例のナスキロ会でいつものごとくMahmoud節全開







長期出張のしわ寄せでもうやることが山積みで、火曜に札幌に戻ってきてからも回顧を書く時間が全くとれないまま木曜になってしまいました m(_ _)m

そういやナスキロのオーナー(馬券名人としても知られる)も「秋天はタスティエーラから内枠へ流そうと思うんですよ」と言ってたのに、私はパドックをかぶりつきで見てもタスティエーラには全く食指が伸びなかったです(^ ^;)

あまり強くないと言われてきた4歳牡馬世代ですが、タスティエーラ、ソールオリエンス、ベラジオオペラの後先なんかをみても、好走ゾーンがあまり広くない個性派揃いという印象で、ドゥレッツァ、ルガル、オオバンブルマイ、デルマソトガケなんかもそうですよね

「ドウデュースが爆発するスローならば、タスティエーラがダービーみたいに好走する可能性は高いと思うんですよ」とワイドをブチ当てたオーナーは言ってたんですが、たしかにダービーと同じゾーンのレースになったのがタスティにとってはよかったのでしょう

公式発表によるとドウデュースの上がり3Fは10.94-10.56-10.98、このメンバーで究極の上がり3F特化のレースになったのに、直線の映像を見てもピッチの速さがドウデュース一頭だけまるで違っていて、脚の回転の速さで決められるレースではナンバーワンなのだ、ということを改めて証明した歴史的な瞬発力でした

そんなわけでアッサリ回顧で御免m(_ _)m ドウデュースの血統については下記の有馬回顧を読んでくださいということで、私はこの末脚爆発特化のレースぶりは“令和のダンシングブレーヴ”だろうという見立てですね

第68回有馬記念回顧~令和のダンシングブレーヴ、混戦を断つ捲り一閃
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/65fad83abef29fed52993bdbb09958cc

コメント (3)
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