鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) | |
吾峠呼世晴 | |
集英社 |
こんにちは。
わたしは、霊能者らしからぬ霊能者なので、家で怪奇現象が起きてても平気である。
異臭は流石に滅入るので、そういう時は対策は早いが、後は割とどうでもいい。いない部屋のことまで掌握してたら、たまらんわ。
と言うわけで、基本的に、息子達は、わたしがベッドの部屋に行けば各個人の部屋に行き、リビングにいれば、リビングにいるようになってしまった。
ところが、先日、次男があまりの辛さに、寝室を出て、リビングでひとりで寝てたらしい。
そこへ、前に長男を驚かせたペンケースが、アラーム音を立てたそうだ。
実は、昔、長男が中学受験の頃、うるさ過ぎたペンケースは、電池も抜かれている。先日、邪魔なので捨てると言ったら、長男が記念に取って置こうと言い出して、息子達のスペースに置いた。
それが、真夜中、鳴っているんである。
あと、サーキュレーターが、切れたらつかないのに、いきなり動き出したと。
翌朝、愚痴を言う次男に、「うーん。基本的に、夜はリビングで勝手にしてていいって言ってるしなあ」と、朝起きてきたわたしが欠伸しつつ言った。
「失礼します、具合悪いんで、寝かさせてくださいって、先に言ったか?」
「え?誰に」
「夜中リビングにいる奴にだよ。」
「え?ここは、ウチ・・・・」
「ウチのようでウチじゃない。季節柄、夜中にお囃子の練習してることもあるから、邪魔させてくださいって言わなきゃ。」
「誰に?」
「どこの霊能者にもビビらせる存在にだよ。スゲーだろ、もう、ラノベだね。僕の家のリビングは夜は異次元ですって。」
長男が突っ込んで言った。
「昼もだけどな」
「愛が芽生えないテラスハウスのようなもんだ。仲良くやれ。酒飲まされそうになったら、そこは嫌なんやってちゃんと言えよ。」
「ああ、お母さん、高校生の頃、酒飲まされてたもんね。」
「いやー、不味い酒が甘露になるから、気をつけろ。」
次男がおずおずと言った。
「ここんち、誰がいるの。」
不意に主人が言った。
「お父さんはたぬきだと思う。」
わたしは笑って言った。「ここ、ウチの先住地区って誰が決めた。色んな奴が来て、出入り激しいけど、酒呑童子と、鬼の教官とたぬきは、固定でいるから、放っておけ。」
それで、結局のところ、ペンケースは捨てないんだって。
電池なくても鳴るアラーム搭載なんて、そもそも、役立たずじゃん。勝手につくはずのサーキュレーターは、夜仕事をして、昼はきっかり切れるチャッカリ者。
もう、めんどくさい小物でいっぱいー。ってか、自由すぎるのか。
朋