レポート 新しい不登校対策「COCOLOプラン」の批判的検討 No2
2.「COCOLOプラン」について
先に「学びの多様化学校(不登校特例校)」について言及したが、改めて、文科省の新しい不登校対策「COCOLOプラン」」とは何か、見てみよう。
(1)「COCOLOプラン」取りまとめの背景
小・中・高等学校の不登校児童生徒が約30万人になり、90日以上の不登校の小・中学生4.6万人が何らの相談・指導も受けていない(2022年度)状況あるという認識の下、
「COCOLOプラン」を取りまとめるにあたって、文科大臣は、
「私は、不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指します。
そして、子供たちに、「大丈夫」と思っていただけるよう、徹底的に寄り添っていきま
す。このため、教育行政の責任者として、私は、
1-不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える
2-心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援する
3-学校の風土の「見える化」を通して、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする
ことにより、誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現していきます。」
そして、一人ひとりに応じた多様な支援を行い、不登校となっても学びを継続し社会で活躍できるよう、取り組んでまいります、と述べている。
まさに不登校の子どもたちに寄り添い、思いやりのある支援策のように思える。しかし、不登校30万人、無支援児童生徒4.6万人は不登校の状況を表しているだけである。そこからは不登校の子どもたちに対する不憫さや同情しか生まれて来ないだろう。そうして生まれてきたのが「COCOLOプラン」である。不登校の子どもたちの学びの場の確保と言い、誰一人取り残されない学びの保障とは言っても、不登校を無くすとは言っていない。そこに、「COCOLOプラン」の限界があると言えるだろう。
2024.5.8 野中
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