Ivy Leaguer's Post

好きなことだけを好きなだけ綴ってます。

夏前に、ビーチ・ボーイズを知りたい。-後半編-

2020-03-12 07:33:22 | 日記

前回はペンドルトンと
ビーチ・ボーイズとの関係性を
ネルシャツで結んだお話をさせて頂きました。

しかしビーチ・ボーイズを象徴する
洋服と言えば、大勢の人達が思い浮かべるのは
ネルシャツよりも、今日お話する
ストライプのボタンダウンシャツの方かも。
もちろんロールのしっかり付いたヤツね。



(これぞビーチ・ボーイズといった姿)


ビロードやロンドンのように
太幅のストライプと水色×白の
コントラストが海みたいに爽やかで
透明感全開のファルセットボイスで奏でる
サーフィン・サウンドとも相性抜群◎

ちょっと一瞬、本題とは逸れますが
この宣材写真は2パターン存在しています。
皆さんご存知だったでしょうか。
それは名曲、リトルホンダ/ウェンディの
ジャケット写真で確認ができます。



(よく見ると並びが鏡写し)


中央にいるマイク・ラブだけを見てると
小さな変化には気付けませんが
ブライアン・ウィルソンの位置が
左端から右端に変わっているのが確認できます。
一体何のためにこんな細工をしたのか。
そしてどちらが最初のフィルムなのか、謎です。


さっ、本題に戻りましょう(笑)


ボタンダウンシャツをこよなく愛する
グループだなんて聞いたら、
アイビーリーガーとして
これほど嬉しい話はないので
興味を持ってしまうのに時間は必要ありません

1960年当時は、ディック・クラークの
アメリカンバンドスタンドに出演したり
カルフォルニアではライブも敢行したりと
ビーチ・ボーイズとしての人気は絶頂で
露出も増えていたので
多くの場面で、ボタンダウンは顔を覗かせました。



(今でも憧れる太幅ボタンダウンシャツ♪)


そして、ボタンダウンを語る上ではもうひとつ。
細幅タイプもよく着用していました。
モノクロバージョンとカラーバージョンで比較。
色や形は同じものだと推測します。



(細めのストライプシャツは赤色だった)
(こちらは同型シャツのモノクロバージョン)


ビーチ・ボーイズのストライプボタンダウンが
最大にカッコいい理由は
袖丈にあるのでは?と、僕は思います。
シャツの身幅に対する袖丈の異常な長さ。
遠目から見るとラフに見えて
リラックスしたような雰囲気に
強い憧れを抱きました。


しかし当時のシャツについて
ほとんど情報が残っていないのも
悲しい事実なんですよね。
メーカーすら今も判明していません。
まさに幻のボタンダウン。


(太幅バージョンも着用してました。)


しかしこうなると、
赤色の太幅ボタンダウンというのが
欲しくなってきてしまうのも運命(笑)
今日は最後に手持ちのボタンダウンを
紹介しようと思います。



(西海岸の風を感じる60'sボタンダウン)


(ブランドはEnro。当時流行したメーカー。)


アメリカでは親しみのあるEnroで
テーパードボディーの文字が誇らしい。
トラッド趣向の流れも汲んでるので
何処かブルックスブラザーズの
それのようなタグに近い気がします。
そういや、レッドフリースも赤色でしたっけ。



(フロントライン。可愛すぎます♪)



(白の貝釦。当時ならではのディテール。)


特に注目してほしいのが
襟元と前見頃のボタンの大きさです。
現行品は統一されたものが付けられてますが
当時は襟用の小さめなボタンを
付けるというのがスタンダードでした。

それとハンガーループに3点留め。
アイビーは背中が賑やかなんです。



(ハンガーループ&3点留め部分)


洗いざらしのコットンが
段々と色褪せてくる姿もまた一興。
ビーチ・ボーイズがいた頃のアメリカは
今日眺めても、輝いているのでした。



2020-03-13(金)
Kohei





夏前に、ビーチ・ボーイズを知りたい。-前半編-

2020-03-12 00:00:42 | 日記


アイビーリーガーズ・ポストを
立ち上げしてから
個人的に強く書きたいと思ってた企画。
ついにやろうと思います。

恐らく感情移入の度合い故に
ものすごい長い話になって
しまいそうなので、
今回は前半・後半に分けて
お話を綴ろうかなと考えています。


そのまずは、前半編から。



1960年代、アメリカの西海岸を
灼熱の太陽のように熱くさせて
若者たちに新しいスタイルを提供した
アメリカのグループバンドが登場しました。

それが The Beach Boys♪



(日本で唯一のコンプリート・ブックは宝物)


ロックンロールにコーラスという
これまで体感したことない音の融合を
サーフィン・サウンドと呼び、
アメリカのビルボードを登り詰めます。

ロックンロールをベースにしていたので
"サーフィンUSAはチャック・ベリーの丸パクリ"
だなんて酷評する人もいました。
た、確かにメロディー同じだけど…(苦笑)


ウケたのはサウンド面だけではなく
爽やかなルックスとアイビースタイルです。
当然ながら、西海岸にも学校はある訳で
正統派なのは東海岸だったワケだけども
この好青年な姿が、不良の促進と言われた
ロックンロールアーティストとの
大きな評価の差でもあったように感じます。



今日、注目してみたいのは
そんなビーチ・ボーイズを象徴する
一枚のネルシャツです。



(日本ではSURFER GIRLのジャケ写に採用)



(海外盤ではThe Little Indiansのジャケ写)


日本国内、そして海外盤と
どちらのジャケットにも採用された
サーフボードを抱えた5人の
超有名なスナップです。


この時に着用していたネルシャツは
ペンドルトンというメーカーのもので
後にBeach boys modelなんて
シグネチャーされてちゃっかり復刻してます。



(ペンドルトンのビーチ・ボーイズ・モデル)
※写真は復刻版当時のモノです。


ペンドルトンは1863年に
トーマス・ケイという人物が
自らの手で育てた羊を使った
ウールを生産するという理想から
家族運営の工場を建設して成功を収めた
100年をゆうに超える歴史の長いメーカー。

品質には高い定評があって
今も色々なセレクトメーカーとも
提携結んだり、コラボレーションしたりと
精力的に活動の場を広げています。

そんな元祖アメリカン・ウェアを
ビーチ・ボーイズがあのジャケットで
着用していたことが判明しています。

ダブルフラップのポケットに
オンブレまでいかないような
グラデーションの効いたチェックが
実にペンドルトンっぽいカラーで
本当に素敵な一枚です。

一度横浜のアンティークショップで
入荷したという話を頂きましたが
残念ながらその時は縁がなくて
復刻版を手にすることは出来ませんでした。
もしいつか目の前に現れたら
その時は逃さないようにします(笑)


次回はよりアイビーっぽい
アイテムである
ストライプのボタンダウンについて
ビーチ・ボーイズの深堀りに
更に迫っていきたいと思います!

それでは続きは後半で!


(ついにボタンダウンシャツの話題へ…!)



2020/03/12(木)
Kohei