長岡京歴史よもやま話
~「封緘(ふうかん)木簡」作りに挑戦~
今から87年前、シルクロードを探索していた中国・スウエーデン合同探検隊は、ゴビ砂漠で一万点を超える漢代(約2000年前)の木簡を発見した。
ヘデイン達が踏査した居延周辺
居延木簡を使用していた甲渠候官の復元模型(甘粛省博物館にて)
「居延漢簡」台湾中央研究院にて
その中に不思議な形をした木簡があり、「封泥(ふうでい)木簡」「封泥匣(はこ)」と名付けられた。板状の部分には宛先や送り主、品名などが記載され、匣の中に刻まれた溝は、紐を掛けるためのものであった。
封泥匣をもつ木簡。匣の中に残る刻みが紐を掛けるためのもの。
すなわち、遠方に送る荷物にこの木簡を結わえ付けて、紐を掛けた匣には粘土を詰めて印を捺し、開封の有無のチェック装置としたことがわかった。
この物資(書状)送達方法は、古代日本にも採用された。「封緘木簡」と呼ばれ、次の様に製作、使用されたと推定されている。
封緘木簡の使用方法(佐藤信論文より)
封緘木簡の実例(同)
①細長い羽子板状に成形した分厚い板材の上下左右二ヶ所にキリカキを入れる。②これを割いて二枚の相似形の板を作成。③送付したい文書をこの間に夾んだ後、キリカキの所に紐を掛けて結わえる。④紐の掛かっていないところに宛名や、差出人を記す。⑤紐の部分に掛けて、「封」「印」などの文字を記す。開封の有無は、紐の上から書かれた文字が欠損しているかいないかで判断する。
今回は、古代の郵便、宅配便に関わる木簡を実際に作ってみましょう。
多数のご参加をお待ち申しています。
記
日時 10月20日(土)13時受付、13時15分~15時30分(途中テイータイム有り)
会場 長岡京市生涯学習センターバンビオ(JR長岡京駅隣接)4階展示室(講義と実習)
参加費 500円
定員 よもやま話の定員はありませんが、木簡作りについては材料手配の都合上、先着順、40名分しか用意できないことをご理解下さい。
事前申し込み不要
《今後の予定》
11月24日(土)13時~16時 『古代の都散策 平安京の北野を歩く~長岡京「北苑」と比較して~』JR円町駅集合→貴族邸宅跡(山城高校)→野寺跡→平野神社→北野天満宮→紙屋川・西堀河跡→JR円町駅16時解散 参加費300円 雨天決行