ライナスの毛布。

「なんか、なっちゃん、背中にハゲがあるっちゃけど……前からよね？」

今朝父親から告げられたこの言葉に、私がどれだけ青ざめたか、私となつの関係をご存知の方には分かってもらえるだろう。多分。


事情があって一定期間、犬猫との接触を禁じられていた私。
それはこの数週間だけじゃなくて、去年の十月半ばから十二月半ばまでもずっと接触禁止で、去年のほうが断然、期間が長かった。その間、なつの世話は両親にお願いする他なく、精神が生まれたての小鹿の足並みに頼りない彼女のことが、私はとても心配だった。
だけど去年は、私のそんな心配は足蹴にして、なつは私のことなど忘れたように、ももやむぎと一緒に平然と健康に過ごしていた。だから、今回も大丈夫だろうと思っていた。
私が甘かった。

どうしよう……。この見事なハゲ。


なんか、毛パサパサだし……。フケみたいのも出てるし……。


とりあえずお風呂だ、お風呂いれなきゃ。また腹にぶつぶつが出来る前に。と、父親に頼んでシャンプーしてもらい、今日からまた私と一緒に過ごせるようにしたのだけど。

見て、この距離感……。怖がって出てきやしねえ……。




なつの小さく弱い脳みそから、私は綺麗にデリートされてしまった模様……。去年より期間短かったのに、なんでよ！
私があんたのママだよ。あんたの弱精神の唯一且つ最高の薬だよ、私が！（←猫医者に以前そう言われた）と、半分本気で泣きそうになったものの、やはり私は、彼女のライナスの毛布。脳が忘れても、心がしっかり記憶してたらしい。

今度は、膝の上からてこでも降りない。おかげで、こんな写真しか撮れない。
（私のメルヘンなパジャマが写ってるけど気にしないで（笑）。母親が買ってきたの。母の好みなの（笑））




んもう、べったりべっとり。トイレまで当然のように同伴してくれる。どうなってんの、この子の脳みそ……（泣き笑）

本当はあのまま、完全に私を忘れさせるべきだったのかもしれないけど、殆ど忘れた状況でもハゲを作ったことを考えると、そう簡単な話でもないと思うんだ。なつは精神弱過ぎて自傷行為に走る脆い子だし……。
色々悩むところはあるけども、でもまあ、とりあえずこれで、また自傷行為に走って猫医者様から抗鬱剤を貰わなきゃいけない羽目にはなるまい。私がいれば大丈夫（そう思いたい、切実に）。

私はやっぱり、この子の為にも頑張らなくては。真剣にそう思った一日でした。

（もも＆むぎは当然ながら、つつがなく健康で問題ありません。今日はなつで手一杯だったけど、そのうちあの子達もまたパパラッチしてブログに載せますね）


そして今日は、先代猫・ヒメちゃんの十周忌でもありました。
愛する愛するヒメちゃん、クリスマスは素敵なプレゼントありがとうね。ママ、とっても嬉しかったわ。
何時でもいいから、エビフライ食べに来てね。あれは、あなたのですよ。遠慮なんかいらないぜ。
今年で十八年目の、この先も永遠に変わらぬ愛を、私のヒメへ。