二歩進んで三歩退がる系進歩。

９月某日。とても良いお天気の日。


窓辺で光合成中のなつのもとへ、自然体を装って近寄ってきたむぎ。


む：「い、いいい（←ここらへん声裏返り気味）お天気でやんすね！　姐さん！」
な：「………」
む：「こういう日は、やっぱ、光合成が一番！　あっ、そうだ、姐さん、知ってやすか？　あそこの洗濯物の向こうに、木があるでやんしょ？　あの木、目白がよく来るんすよ。いや、今の季節は来ないでやんすけど、でも、雀とか蝶々とかが……」


な：「おっかしゃん。むぎに、うるさいって言って」
む：「………………」

こんな会話が交わされていたかどうかは不明ながら、なつの隣に来て、むぎが何か一生懸命にゃあにゃあ喋っているなと思って見ていたら、なつが不意に私を振り返って、一声、不満声で鳴いた。そして、むぎがそれっきり、黙り込んだ。それは事実。
……なんかもう、うん。

むぎちゃん、ファイト。

それしか言えない。耳とか尻尾にむぎの緊張がよく出てて、尚更、切ない。でもまあ、考えようによっちゃ、シャーフー言われなくなっただけでも、すごい進歩だよ！　すごいよ、むぎちゃん、よく頑張った！



こっちも進歩したんだよ。
見て。

籠からついに、尻尾が生えました。


たまに、頭も生えます。


そしてある時は、びっちり詰まってます。




ここに至るまでの道。

１．籠の外。（これみよがしに）


２．猫トイレ１の中。（これみよがしに）


３．部屋の外の廊下。（これみよがしに）


４．猫トイレ２の中。（これみよがしに）



いやはや、長い道のりであった……。（←そうか？）




＜おまけ＞

なんだろう、この「仕方ないから寝てあげた」感山盛りの顔は。