硝子のスプーン

そこにありました。

感嘆の溜息しか出ない。/「ルパン三世 ルパンvs複製人間」感想。

2014-03-29 01:20:38 | ルパン三世関連(感想等)
見ましたか、見ましたよ、『ルパン三世~ルパンvs複製人間~』。

どうしてあんなにかっこいいの。

今更だけども私の旦那様、もうなんかもう、色々と超越しすぎてますね、本当に。これに惚れない女がいるだろうか、否。←落ち着けw

『ルパンvs複製人間』、略(?)して『ルパンとマモー』。DVD持ってはいるんですが、見るの久しぶりでした。
さすが、劇場版ルパン三世シリーズの中で最も面白いとされる秀作だけあって、何回見ても細部まで本当に面白い。ほんっと素晴らしいよね~と、放送中何度も隣の黄色ちゃん(愛猫)に、しみじみと語りかけてしまいましたことよ。
大人の事情でカットされてしまったアレコレが悔やまれるけど、まあ仕方ない。
お気に入りの次元とゴエゴエの口喧嘩シーンは、次元が放送禁止用語をもろ言っているからダメだし、アジトをぶっ壊されて次のアジトへ向かうシーンは何気に長いから(だからこそマモーの執拗さが分かるんだけど)、尺的に難しいだろうし、個人的に大好きなルパンの表層心理が垣間見れるシーンは、うん。ちょっこしアダルティだから、無理なんだろうなって分かるけども、でもでも、ガラス瓶(巨大試験管)ベービーのシーンは入れてもいいんじゃなかろうか。あのシーンないと、複製人間という設定が降って湧いたみたいな感じにならない? と、老婆心ながら思ってしまう。

いやはやそれにしても、ルパン、ルパン、ルパン。
どうしてあんなにかっこいいの。←しつこいw

次:「行くな、ルパン!」
ル:「俺は、夢盗まれたからな。取り返しに行かにゃあ」
次:「夢ってのは、女の事か」
ル:「……実際、クラシックだよ。お前ってやつは」


なに、この会話っていうかこのシーン。いつ見てもクラクラする。鼻血出る。←バカ。
ルパンがいう夢というのは、女のことだけじゃありませんことよ。そこ勘違いなさらないでね。ここでルパンのいう夢というのは、なんていうか、ルパン自身の信念というか生き様あり方……なんて言ったらいいんだろう……。とにかく、ふかーい意味があるんです。だからこそ、「夢=愛(女)」を挙げた次元に対して、クラシック(古風)なやつだと言っているわけで。
いかにもルパンらしい、そして次元らしい会話ですよね~~~~。間も口調も素晴らしいし。ほんっと、そこに痺れる憧れるゥ!

愛といえば、不二子ちゃん。
不二子ちゃんがキスをねだるシーン(アジトとラスト)、大好き。可愛いんだものだって!(力説)
アジトの時は、騙す目的もあっただろうけど、半分の半分くらいは本気でおねだりしてたと思うんだ(勝手な想像w)。本当の価値は言葉じゃないって分かっていても、女には、特別だって心底酔わせてくれるような、それこそ歯の浮くような愛の言葉が欲しい時だってあるわけで、不二子ちゃんはあの時それがちょっと欲しい気分だったのに、残念。ルパンは男だからそこが分かんないという。もう馬鹿(愛)。
そういう経緯があって、ラストでは本気のキスを強請った不二子ちゃん。なんて可愛いんだ(ハァハァ)。ルパンはきちんと応えてくれて、でもちょっとやっぱり茶目っ気もあって、さすがルパン(ハァハァブヒー)。←落ち着けw
ほんと、このラストのキスのシーンは、間といい、セリフといい、表情といい、その後のオチといい、いつ見てもほんっと最高ですありがとうございましたアアア!

「ルパンが一緒でないとごめんだわ」 by 不二子ちゃん

このセリフ、すごくイイよね。愛をひしひしと感じる。この後に続く「よぼよぼになったルパンなんか見たくない」というセリフに、素直になれない不二子ちゃんのツンデレさを感じるけど、そこもまた良し! さすが不二子ちゃん、可愛い! 大好きだ!

ゴエゴエは、忘れてたけどこの作品では異様に肌が黒かったねw 精悍な感じがして素敵。でもやっぱり、ゴエゴエは可愛い。愛いやつじゃのうって、ついにやにやしながら呟いてしまったよw

「バカを言え。ルパンを他人に殺させたくはない、それだけだ」 by ゴエゴエ

↑次元に「ルパンが心配か?」と突っ込まれた時のゴエゴエの返し。
はいはいって感じだよね、もう(笑)。愛がだだもれですよ、ゴエゴエw

この作品のとっつあんはもう、非の打ち所がないほど素晴らしい。不屈の精神、気迫、タフさ、そしてルパンに対する第六感。これぞとっつあんの真髄だよ。

「貴様が死なんなら俺も死なん。こうなったら終わりはないぞ~。地獄のそこまで付き合ってやる!」 by とっつあん

どこまでルパンが好きなの、とっつあん。大丈夫、私も大好きよ。←?

次元はね。もう、なんか素敵すぎて、どう褒めたらいいのか分からないという困った現象(笑)。
アジト壊されてから、不二子ちゃんが来て、ゴエゴエが去って、ルパンが意地張って、最初にバラバラになるシーンで、次元は最初、ルパンの傍を離れる気はなかったと思うんだよね~。でもルパンが、子供みたいに意地張って「行けよ!」って喚くから、ルパンの性分を知り尽くしている次元は、「今は何を言ってもダメだなこりゃ…」みたいな感じで、少し時間を置くためにあの場を離れたんだよ。だって、ゴエゴエと違って次元はすぐ引き返してるもの。そこに、ルパンと次元の絆というか、深さを感じるんだよね、毎回。
二人の絆を感じるシーンはそこだけじゃなくて、中盤(序盤?)で、大きなタンクカー?に山道を追い掛け回されるシーンもそう。あの時、逃げる車の中で声あげて笑っているわけよ、次元は。まあルパンも笑っているんだけど(ゴエゴエはあそこで笑うようなキャラじゃないので、ちょっと除外ね)。運転しているのはルパンで、つまり命はルパンに預けた状況で、次元は絶対のピンチにルパンと一緒に笑う。そこに強い信頼があるからこそ、出来ることだと思うんだ。
それにやっぱり、何だかんだ言っても最後には必ずルパンのところに駆けつけてくれるじゃん、次元って。義理堅くってクラシックな男な次元だからこその行動なんだろうけど、そんな素敵な次元が、ルパンをある種盲目的な愛情と強い信頼を持って最高の相棒として認めているっていう背景が二人の間にはあって、なんか上手く言えないんだけど、そういうところに相棒愛が溢れてて素敵なんだよね、ルパンと次元は。
うん。何書いているのか、よく分からなくなってきた!(笑)
あ、あと、不二子ちゃんを庇ってマモーを撃った次元! あのかっこよさったらないね。私の心がルパンによって盗まれる前なら、惚れてしまうがなあんさん的な現象を引き起こしてたよ。

マモーは、不二子ちゃんのこと好きだったのかなあって、いまだにちょっと疑問。まあ体が焼け朽ちるシーンで、最後まで不二子ちゃんに手を伸ばしてたから、間違いなく執着はしてたんだろうけども。
マモーは永遠に近い時を一人で生きてきて、不二子ちゃんに出会って最初は、綺麗なもの集め的な趣味で不二子ちゃんのこと気に入ってただけだったけど、一緒に居るうちに不二子ちゃんがルパンを愛するように自分も愛されたいって思うようになった(寂しさや孤独からの憧れ)、という解釈が一般的(?)なんだけどね。いや、好きだからこそ、不二子ちゃんに好かれているルパンが羨ましいわ憎らしいわで、あれこれして不二子ちゃんの気持ちをルパンから離したかったって解釈も、確かに頷けるんだけどさ。マモーが脳みそだけになったとき、彼はもう不二子ちゃんを必要としていないように思えるからさあ。結局、その程度の好き=綺麗なものを傍に置きたいだけの自己欲だったってことなのかな。私の捻くれた凡庸な脳みそでは、マモーの不二子ちゃんに対する気持ち(執着の意味)がよく分かりませんですのよ。
まあ不二子ちゃん云々は置いといて。
最終的にルパンから、物理的に生への執着を断ち切られたマモーだけども、あれで良かったのかなあ。うーん。彼はよく分からないのよね~。

「君は死を恐れないのだね」 by マモー

ルパンに向けて言った台詞。ここにマモーを知るヒントがあるような、ないような(困惑)
ルパンは死を恐れていないというか、必ずあるものとして死を現実的に考え受け止めているだけ。作品中、マモーも何度か言っているけど、ルパンは合理的な人だから。逆に、マモーは死という現実を受け入れられないで、一万年近く逃げてきた人。言ってみれば夢の中を生きる夢追い人。「全ては空しい」と自分で自分の夢に悲嘆しながらも、夢の終わり=死を受け入れられない。そこにあるのは恐れで、だから最終的には宇宙にまで逃げてしまう。だけど、そこで現実に追いつかれて長い夢が終わる。その引き金は、ルパンという合理的な「今」を生きる人。

「感謝しな、マモー。やっと死ねたんだ」 by ルパン

ルパンとマモーの違いは、単なる生死観の違いだろうか。永遠の命を夢見るのは、私も愚かなことだと思うけれど、多分それだけじゃないよね、マモーの存在が意味するところって。
己が唯一の神として、生と死は当然、個々を操って全体を作ってきたというマモーの思想に対して、ルパンは個々は個々で、誰かや何かに生まれながらに属するものではないという思想があって、生という現象も死という現象も、ルパンにしてみれば、「何にも属さない、縛られることのない個」であるわけで……。うん、何書いているか分からなくなってきた再び(笑)。
やっぱり難しいわ、マモーというキャラのテーゼは。

まあ、マモーはいいわ。ルパン、ルパン。←オイ。
今回、ゆっくりじっくりルパンのセリフ聞いてて、思い出した。このセリフの言い回しが最高に好きだったんだ~。

「俺、今宵華麗に変身したつもりなんだけっどもがな~」 by ルパン
「つまんね~な。あ~つまんね。つまんねえ、つまんねえったらありゃしねえ!」 by ルパン

上のセリフは『なんだっけどもがな~』のところが重要。さすが、山田氏。大好きすぎて、涙出そうになった。
下のセリフは、なんともルパンらしいw 拗ねた大人の男をここまで可愛く表現できるのは、世界広しといえどルパンだけだと思う!(キッパリ

この作品のルパン個人に対するかっこよさ感想は、とてもじゃないけど言葉では語れないので、やめておきます。
でも、一個だけ。
ルパンの深層心理(夢)が真っ白だったこと。それは、ルパンが空っぽなんじゃなくて、「今」を1000%の自分で、自分が好きな自分のまま、自分らしく生きているから。だからルパンには、こうなりたいとか、ああいうふうに生きたいとか、そういう人を羨むような夢は必要なくて、だからないの。と、私は思ってる。
とにかく、私が愛するルパンが詰まってる作品でした。本当に本当に本っっ当に、かっこいい! あんなに魅力的な人、他に知らない! いるわけもない!
ということで、今からDVDを見ようと思いまっす!←オイww

名前でしかルパンを知らない世代の人達が、この作品に触れることで、ルパンの魅力の真髄にちょっこしだけでも興味を抱いてくれること&ルパンを知っている世代だけど別にファンじゃない人達も、この作品の面白さで、改めてルパンに愛と興味を持ってくれることを願いつつ。

〆はやっぱり。

ルパンファミリーは永遠に不滅です。




最新の画像もっと見る