昨日の宝塚歌劇①に続きます。昨年の冬時分、近所の喫茶でグダグダしていた時、少しご年配の女性の方が「ポスターを貼って」と持ってこられました。見れば宝塚歌劇団の団員募集のポスター。三角形にきちんと整列した綺麗な方ばかり。その方とは面識がなくてその場限りでしたが店員さんに聞いたら、お孫さんが音楽学校に入団しているとのこと。近くに高い競争率を突破して入団した人もいるんだなあと嬉しくなりましたね。
10年ほど前のある雑誌の対談記事で退団された男役のトップスター貴城けいさんの記事を思い出しました。誰にも目にする場所に貼りだされていた1枚の紙。「ブスの25か条」いつ、誰が貼ったか謎で、今はもう剥がされている謎の25か条があったそうです。まさに「玉磨かざれば光なし」でこれを逆にとって努力して内面を磨きなさい。そうしたら人間的にも成長しますよ。要するに「心化粧」が大切なんだ・・・。私はそう感じました。
①笑顔がない②お礼を言わない③おいしいと言わない④目が輝いていない⑤精気がない⑥いつも口がへの字の形をしている⑦自信がない⑧希望や信念がない |
※画像は番組内でテレビ放映を撮影したものです。
更に、対談記事はこう綴られていました。
1日でクリアできる人もいれば、10年かかる人もいるでしょう。しかし、自分の歩幅に合わせて、少しずつでも前進していくことが、結果としてその人の人間力となり、魅力となる。そうなれば、運のほうから自分のところへやってくるのではないかと思っています。
やはり宝塚のトップはものすごい精神力、体力がなければ務まらない。私は在任1年でしたが、その1年はすべてが公演一色の生活でした。根こそぎ公演にエネルギーを注ぎ、終了後はぐったり。それ以外のことをしたり、考えたりする時間も体力も残っていません。ごはんは食べなければいけないけれども、「おいしいものを食べに行こう」という元気も失われ、「早く帰って、ごはんを食べて、とにかく早く寝なければ」という、修行者のような日々でした。宝塚の大階段から明るく、大きなスポットライトを浴びて降りてくるトップの裏側には、必ず努力と忍耐の日々があるのです。しかし、そんなことはおくびにも出さず、満面の笑みで歌い、踊り続け、お客様に夢のひと時を提供する。どんなに疲れていても、どんなにつらいことや悲しいことがあっても、劇場に足を運んでくださったお客様に心から感謝を込めて最高の笑顔でお迎えする。そして笑顔で劇場を後にしていただく。それがタカラジェンヌとして、一番のベースとなる心構えであったように思います。
退団後、女優、舞台、映画などでご活躍されている方が多いですが、時こそ違え同じ宝塚の厳しい毎日を切磋琢磨し、頑張ってきた女性、我が家のご近所さんの方も然りで素晴らしい笑顔と演技は雲の垂れ込んだ世相に一筋の光明を差し込んでくれるものと思います。
今日も素敵な一日になりますように!