時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

長野県小海町の高原へ-03~徒歩で目指した松原湖

2016-12-12 00:53:35 | 中部/日本
 JR小海線の松原湖駅から、松原湖を経て最終的には美術館までの道程を、歩きに掛かります。

 <<長野県小海町の高原へ-02>

 松原湖駅の近くで、小海線と並行している国道から分岐する県道へと入るや、急な上り坂が始まりました;
 松原湖から3km足らずの距離のうちに、駅と湖との高低差137m(駅より湖の方が高所)を詰める、勾配と急カーブの続く県道を、日ごろの運動不足でなまりまくっていた体に鞭打ち、息をゼェゼェ切らしながら、一歩一歩踏みしめて歩いていきました。

 <松原湖>


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 JR小海線の松原湖駅。
 小淵沢から乗車してきた列車は、既にお隣の駅の、小海(こうみ)へ向けて走り去り、明るい日差しの中、静かな無人駅の雰囲気に包まれていました。
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 この駅から、最終的な目的地である、小海町高原美術館まで、徒歩での行程いよいよスタートです!
 まずは、美術館までのルート上にある、松原湖を目指します。

 美術館までは、小海駅から松原湖駅入口を経由する、小海町営バスの路線があるのですが、この時間帯は列車との接続が小海で1時間以上空いていました。
 そこで、体力的な不安はありましたが、体を動かすいい機会とばかりに、距離的には最寄り駅となる松原湖駅からノンビリ歩いて、晩秋の高原の小さな湖の景色も堪能してしまおうと、徒歩での道程としました。



 松原湖駅の近く、国道141号線から県道480号線が分岐する、松原湖入口交差点。
 画像手前が国道141号線、画像奥の方へと延びている道路が県道480号線です。

 上記地図では、駅からこの交差点まで大きく迂回するようなルートとなっていますが、歩行者は駅からほぼ直線にこの交差点へとショートカットする細い道を通行することができます。

 駅名こそ「松原湖」ですが、このように、駅周辺に湖の存在を窺わせる風景は、全くありません。
 この交差点に立った時には、正面に見えている、屏風のような尾根のてっぺん近くまで、県道を上ることになろうとは、露知りませんでした;;



 県道に入って少し進むと、長い上り坂が始まりました;

 センターラインもあって、対面通行も余裕でできる道幅を確保した県道480号線で、沿道には家も結構建っていましたが、いきなり直線で上り始めた勾配は急で、すぐに息が上がってしまいました(爆)



 直線の急勾配がしばらく続いた後、県道は蛇行し始めました。
 急勾配であるのは、変わりありません;
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 カーブのたび、下界から遠方を見晴らす眺めが良かったのが、せめてもの救いでした。
 こまめに足を止めて、小休止がてら、展望を楽しみます。

 快晴に恵まれた明るい陽光で、色付いた木々が一面に、素晴らしい錦の絨毯を遠くの山肌にまで広げている風景は、圧巻でした!
 画像中央やや右辺りに見えている、オレンジ色の屋根の建物が、松原湖入口交差点の画像に写っている、とんがり屋根の建物です。
 交差点からここまで、約700m。
 10分ほど掛かって、ここまで上ってきました。



 ヘアピンカーブも、2ヶ所あります。

 天気が良かったのは、本当に幸運でした。
 この登り坂は、雨が降っていたら、きっと悲惨な行程となっていたことでしょう…;;
 とはいえ、標高1,000mを超える高所へ赴くこととなるため、普段より幾分厚手の服を着ていたので、1kmも進まないうちに、汗だくとなってしまいました(T_T)



 2つのヘアピンカーブで県道480号線は一気に高度を稼ぎます。
 先程から見渡していた遠くの山並みが、振り返るたび、少しずつ全容の広がりを明らかにしてきました。
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 「錦の絨毯」の眺めには、相変わらず目を奪われています。
 木の種類や、光の当たる角度の違いによって、色合いを微妙に変える、天然のグラデーションの妙…全く、素晴らしいの一言に尽きます!



 沿道には、ススキが茂る区間も。
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 ススキの穂が風に揺れる風情に、改めて秋を実感しますね。

 この画像、アングルが傾いているのではなくて、実際の道路がこれ程の勾配となっているのです;



 2つのヘアピンカーブを上り切った所で、振り返ってみます。
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 道路標識にも、逆S字カーブと勾配の程度が示されていました。
 標識によると、10パーセントの勾配…100mの水平距離で10mの高低差がつく勾配ということで、息が上がって汗まみれとなる筈です(-_-;)



 更に歩みを進めた所に、また別の標識が。
 県道480号線をずっと進んで、国道299号線と合流した先にある、麦草峠(むぎくさとうげ)は、既に積雪のために通行止めとなっていました。
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 毎年冬季には閉鎖される、佐久地域と諏訪地域との境界である麦草峠ですが、この日はまだ11月の上旬…平成28年(2016年)の冬は、例年よりも早い閉鎖となった模様です。



 2㎞弱程続いた急勾配を上り切ると、このような標柱が、道端で出迎えてくれました^^
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 標柱の背後には、青い湖面が、木々の間から垣間見えていますね。
 松原湖駅から歩くこと約30分、やっと松原湖へ到着したようです!

 松原湖は、猪名湖(いなこ)、長湖(ちょうこ)、大月湖(おおつきこ)の3つの湖の総称をいうとのことです。
 先程から見えていた湖は、この3つの湖のうち最大の、猪名湖です。
 通常では、猪名湖を松原湖と称することが一般的のようです。



 松原湖駅入口交差点から、ほぼ上り坂であった県道480号線は、標柱の辺りから、今度は下り坂に転じました。
 少しの間、足元に松原湖の湖面を横目に進みます。
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 ここでも、対岸の木々はすっかり色付き(もう紅葉の見ごろは過ぎている、ということでした)、陽の光をいっぱいに浴びて、輝くような美しさを見せていました。
 その錦模様は、青空を映す湖面にも、クッキリと映し出されています!

 バスに乗車していたならば、きっと気付かず通り過ぎていたであろう、沿道の美しい風景を堪能しながら、マイペースでノンビリと歩を進めました♪
 キツい行程を歩き通した、ちょっとしたご褒美でしょうか。
 ここまで進んで、ようやく「徒歩にして良かった!」と実感しましたw



 松原湖を横目に見ながら、更に少し坂を下ると、松原湖畔の小さな集落となり、その入口のような箇所に、松原諏方神社(まつばらすわじんじゃ)へと至る小道が分かれていました。

 小道には些か不釣り合いな、立派な石の碑が建っています。
 この立派な碑からして、由緒のある神社であることが窺えますね。



 堂々たる、木造の鳥居。
 木の古びた感じが、風格を漂わせています。
 鳥居の奥には、ご神木も見えていますね。
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 松原諏方神社は、平安時代頃に創建されたとのことで、やはり由緒のあるお社であったのですね。
 また、上社と下社とに分かれていて、こちらは上社。
 下社は、松原湖(猪名湖)の対岸にあります。



 松原諏方神社でもゆっくりお参りしたいところでしたが、時間はそろそろ正午が迫りつつあり、あまりノンビリともできなくなってきました;
 …という訳で、この日は、参道から社殿を見上げて手を合わせるだけにとどめて、参道からそのまま湖へと至る小径を進みます。
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 松原湖の湖面は、標高1,123m。
 標高986mの松原湖駅からここまでの距離は、およそ2.5km程で、40分程の時間を掛けて、歩いてきました。
 落ち葉の敷き詰められたかのような小径を湖畔へと下りて、周囲を色付いた木々で彩られた、高原の小さな湖の風情を、少しの間、楽しもうと思います。

 <長野県小海町の高原へ-04>>



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2 コメント

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Unknown (kiki)
2016-12-13 19:54:17
コメントなかなか残せませんがいつも楽しく記事を読ませて頂いています♪
山の紅葉、見頃過ぎていると言われてもそんな事は無く素敵な風景ですよね。
今年は(も)紅葉はあっという間に過ぎてしまい紅葉狩りをする事も無く、すでに12月も半ばに差し掛かる状態でなんだかすべてが速すぎます。
バルセロナのお料理もどれもこれも美味しそうでした☆市場、私もスペインに行くと必ずローカル市場を覗いています。
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kikiさん。 (taろう)
2016-12-13 22:35:40
いつも拙い記事を楽しんでくださり、ありがとうございます!
訪れる10日ほど前に見た、地元の観光案内のサイトに、紅葉は見頃を過ぎた、とあったので、もう遅いかなぁ、と残念に思っていましたが、まだまだ十分に綺麗な風景が待っていてくれて、松原湖がとても好きになっていしまいましたw
もう京都は、観光客が増え過ぎて、紅葉を観に行く意欲がなくなってしまいますよね;
それだけに、この松原湖の色付いた風景は、ひときわ心に沁みました^^
グルメな国は、市場の食材も充実していますよね♪
個々のお店が工夫を凝らした、商品のディスプレイを眺めるだけでも、楽しい気分に浸れます。
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