時には、旅の日常

管理人:taろう/旅先で撮ったスナップにコメントを添えて、他にも気の向いた事を綴っていきます。

懐かし旅 チリ2002/2003-7~天空の塩湖に到達 スリレ塩湖<1>

2011-12-06 00:15:20 | チリ
 アンデス山中の小集落グアジャティリを出発して約1時間弱、宿泊していたホテルがあるプトレから約3時間40分程をかけて、遂に目的地であるスリレ塩湖 "Salar de Surire" の湖畔に到達しました!

 乾いた高原の塩湖は半ば干上がり、白い結晶となって広がる塩の原野に所々辛うじて水面を覗かせていました。
 塩湖ということで、生物の存在はないものとばかり思っていましたが、水際一帯はフラミンゴやビクーニャ等動物の楽園でした。


 <プトレ~スリレ湖畔の警察詰所>
   (リンク先画面左の3Dボタンをクリックするとルートが3Dで進みます←Google Earth)
   (ルートの表示位置や縮尺等はディスプレイの解像度やお好みに合わせて適宜調節してください)
   A:プトレ
   B:プトレを望む展望スポット
   C:グアジャティリ
   D:スリレ塩湖の警察詰所

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【謹告】
 この記事で紹介したプトレからスリレ塩湖自然遺跡にかけての地域は、標高が3,600m~4,000mを超える高地で非常に厳しい自然条件下にあり、特に高山病を発症する危険の高い地域です。
 この地域(当然ながら他の高地でも同様です)に関心をお持ちになってご旅行を決断された場合は、渡航前に高山病に対する理解を深めておかれますよう、強く警告します。

 高山病は最悪の場合死に至ることもあり、対応を誤ると危険な疾患です。

 せっかくのご旅行を台無しにしないためにも、くれぐれも軽くお考えにならずに高山病についての理解を得た上で、この地域の素晴らしさを存分に実際の肌でお感じになり、お楽しみになれますことを心から願っています。

 下記のリンクは、私が旅行前に参考にした日本旅行医学会のコラムです。
 読み易い文章で良く纏められていて、高山病の予防薬についての言及もあります。

 高山病で死なないために (日本旅行医学会)

 なお、この記事やこの謹告をお読みになって為された行為により生じたいかなる事象や結果について、弊ブログと管理人は一切の責を負いません。


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 スリレ塩湖の湖面が見え始めてから約10分、遂に「憧れの(惚れっぽい性格(^^;)」スリレ塩湖の湖面近くまでやって参りました~♪
 ネット上の画像を一目見て「行きたい!!」と瞬時に思った場所…(飛行機遅延で1日棒に振ってアンデスに行けなかった前年の失敗旅行以来)1年越しの執念と幸運(親切なガイドさんに感謝!)とに恵まれて、無事に辿り着きました^^

 塩湖の手前で、国際道路11号線から分かれて後ずっと走ってきたダートな道路に別れを告げて、塩湖の北岸沿いに東へと走る道路(相変らずダートな道路)に入ります。
 湖岸沿いとはいえ、道路脇から水際までは草原が広がっていて、少し距離がありました。
 水のある所には、フラミンゴの一群が戯れていました。



 スリレ塩湖自然遺跡 "Monumento Natural Salar de Surire"
 塩湖は海抜4,200m、乾いた高原で湖岸の水際だけが緑の草原となっています。
 その草原の上では、ビクーニャやリャマがのんびり草を喰んでいました。



 湖岸の道路は未舗装ですが、このようにしっかり固められていて、車の走行に問題はありません。



 自然のスケールがあまりにも大きくて、人や動物などの存在が本当にちっぽけなものに感じられてしまいます!

 私が立っていた所で既に海抜が4,000mを超えていて、正面の峰となると5,000m級以上となるので、この峰だけでも少なくとも1,000m前後の標高はあるはずです。



 周囲には人家も何も存在しない原野に警察(カラビネーロス "Carabineros")の詰所がありました。
 例の「1警察署に警官6名以上」規則からか、ここにも複数の警官の方々が詰めていました。

 そしてここには、文字どおりの「警察のワンコ」君が姿勢を正して?お出迎え^^
 とても行儀が良くて大人しいワンコ君でしたw

 撮影しませんでしたが、驚いたことにここでは馬も飼育していました!
 背後に馬小屋がありました。



 フラミンゴの群れが、湖水に降り立っていました。
 遠くから見ると白く見えますが、首のあたりは綺麗なピンク色、尾羽は黒く先端が白という中々お洒落な彩りの装いをしています。
 下に曲がった黒いくちばしも印象的です。

 塩湖は沖の方でも、フラミンゴの膝にも達していないことから、水深は非常に浅いようです。



 湖岸に佇む1頭のビクーニャ。
 胴体に付着している白いものは、塩でしょうか?



 塩湖越しに、南東の方角を望んでいます。
 正面に見えているのは、ジスカジャ峰 "Cerro Lliscaya" (標高5,616m)。
 塩湖を訪れているのは元日で南半球では真夏ですが、流石に5,000mを超える峰々は頂上に雪を戴いています。

 ボリビアとの国境になっていて、峰の向う側はボリビア領です。
 この時は既に大自然のスケールに心奪われていて、国境地帯にいるという現実はすっかり頭の中から消え去っていました。



 塩湖の南にも、このような目を引く峰々が連なるように聳えています。
 手前には、結晶化した塩に半ば占められたかのような湖面が静かに広がっていました。

 先程の水深を考えると、歩いても対岸へ行けそうな気がしてしまいます(^^;



 天空にある塩湖の水辺に立つ1頭のビクーニャ。
 只々この大パノラマの迫力に感嘆しきりの人間達を前に、独り泰然と佇んでいました。

 こうして眺めると、湖岸の動物達もまたここの自然にとって、当然になくてはならない1片のピースなのだなぁ、という感慨が湧き上がる一方、私達人間が彼らや自然に対していかに無粋な闖入者であるか、痛い程に実感してしまいました;

 この塩湖がいつまでも彼らの天空の楽園であり続けることを、強く願わずにはいられません。
 そして、このあるがままの素晴らしい景観が、私達人間にもまた感動を与えて続けてくれるようにずっと残っていてほしい(残しておいてほしい)とも、やはり強く思います。

 まだ、塩湖にはついたばかりです。
 更にもう少し東へと、車を走らせ続けます。



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4 コメント

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Unknown (プー太郎)
2011-12-06 03:15:05
このようなスケールの大きい自然のなかに佇んだことはまだ一度もありません。taろうさんはすばらしい経験をされたのですね。もしスリレ塩湖を訪れることができたら私はこの土地から絶対離れたくないと思うでしょう。そしてここでお仕事をされている警察官の方たちそして警察ワンちゃんに嫉妬すると思います。まるで恋に落ちた女のように、、、
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プー太郎さん。 (taろう)
2011-12-06 19:06:29
スリレ塩湖は強烈に個性的なインパクトがあるという訳ではないのに、静かに佇む雰囲気が魂の深い所にいつの間にか忘れ難く染み込んでいた、という印象です。
私も遂にここまで来られて、できることならいつまでもここに留まっていたい、泊まりたい(実は万一に備えてシュラフも持参していたのでした(^^;)!と思っていました。
この時の私はもうスリレ塩湖にゾッコンでしたw
この地に立って魅力的に思えたことは、スケールの大きな素晴らしい自然の風景に加えて、もう1つ強く感じたことがあります。
そのことは、スリレ塩湖の次の記事で書こうと思っています。
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Unknown (タヌ子)
2011-12-08 15:51:27
とうとう塩湖に到達ですね。
白く輝く湖面が、半凍結した湖のようにも見えます。
これだけ標高が高いと気温はどのぐらいなのでしょう?
でも塩分が多いので、寒くても湖が凍結することはないのでしょうね。
日本だったら『スリレの塩』として商売の対象になってしまいそうです。
塩湖の水を飲んでいるフラミンゴやビクーニャ達、塩分の取り過ぎで高血圧になったりしないのかちょっと心配です(笑)
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タヌ子さん。 (taろう)
2011-12-08 19:27:48
おかげさまで、やっと塩湖まで辿り着きました!
スリレ塩湖は、湖面のうち水の部分よりも、干上がった部分の方が広いように思えた程の、幻想的な白い湖となっていました。
訪れたのは元日で南半球では真夏ですが、流石に4,000mを超える標高の下ではセーター着用でちょうど良い位の涼しさ(寒さ?)で、北半球用の冬の装いが役立ちましたw
宿泊地のプトレ(3,500m)でも夜は吐く息が白く見えましたよ!
この乾燥した高原では水の蒸発が激しくて塩分濃度は非常に高く、確かに凍結したという話は滞在中も聞きませんでした。
実は記事中の画像からは死角になっている場所で塩を採っているようで、Google Map でスリレ塩湖の航空写真を拡大すると、それらしき様子が写っています。
天然の塩湖で取れる塩は高品質らしく、隣のボリビアでも、有名なウユニ塩湖で塩を採っています。
このあたりの動物達はミネラル補給に塩湖を訪れているのでしょうが、高血圧を避けるために塩分を速やかに排出するよう適応できているのかもしれませんね(^^;
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