テキスト版
リュウキュウアユの産卵撮影 奄美大島で岐阜市の新村さん
2010年12月09日09:18
リュウキュウアユの産卵シーン。れきの下にもぐった雌の周りを雄の群れが囲む=6日、鹿児島県奄美大島南部の河川(新村安雄さん提供) |
10月の豪雨の爪痕が残る鹿児島県奄美大島で、岐阜市在住のフォトエコロジスト新村安雄さんが、環境省レッドデータブックで絶滅危惧1A類のリュウキュウアユの産卵の写真撮影に成功した。
新村さんによると、20年前の台風災害で、アユが生息する川の大きなふちが土砂で埋まるなど河川環境に大きな影響があった。今回の豪雨でも影響が懸念されたが、今月3日の調査で埋まったふちが再び深くなり、砂防工事やダムなどで減少していた産卵場のれきが洪水で供給されたことが判明。6日に再訪し、産卵シーズン入りを確認した。
「地元で保護活動に取り組む人たちの被災に心が痛むが『リュウキュウアユは大丈夫、元気に産卵していますよ』と伝えたい思いで撮影した」と話す。
リュウキュウアユは奄美大島と沖縄島(1970年代末に消滅、92年から奄美産種苗を放流)に分布するアユの別亜種。新村さんは88年からリュウキュウアユ研究会代表として保護研究を続けている。