「用地買収など進まず、使われていない区域」13年創設の制度で解除可能に
公園指定の解除を可能にしたのが、2013年に創設された東京都の「公園まちづくり制度」だ。都心部で都市計画公園に指定したものの、用地買収が進まないなどの理由で開園が難しい未供用区域が対象。こうした区域などの公園指定を解除して事業者に再開発を認める一方、一定規模以上の緑地を確保させることで「まちづくりと公園整備を両立させる」仕組みだという。秩父宮ラグビー場は敷地が塀で囲われ、自由に通り抜けられないことから都は未供用に当たると判断。制度の規定に基づき、周辺で同程度の面積の解除を認めた。
◆識者「ラグビー場は事実上の公園」と制度適用を疑問視
大方潤一郎明治大特任教授(都市計画)は「木造住宅が密集するなど公園として開園のメドがたたず塩漬けになっている区域はあり、防災対策や緑地確保の面から、こうしたエリアを開発するなら意味はある」と指摘する。だが、外苑への適用には「ラグビー場は空間の性質として事実上の公園施設で、再開発の必要はない。公園指定を解除したのはオフィスビル建築のためというのは明らかで、本来の趣旨と異なる」と疑問視する。再開発の見直しを求めている日本イコモス国内委員会も昨年2月に公表した提言で「市民は実質的なオープンスペースを失う」と指摘していた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます