アユの産卵をみる会の準備でおこなっている「耕耘」 川を耕すことについて。
今年は11月2日午前10時より「公開 リバーリバイバル」を行います。 参加自由、ただし、胴長をご用意下さい。
川原でアユの産卵場を整備します。会場は、「アユの産卵をみる会」会場です。
川を耕す
アユという名は「落ちる」という意味の古語「あゆる」からという説がある。
秋は、雨ともに訪れる。雨が降り、水温が下がる川面を、ぽつりぽつり、アユの群れが下っていく。行き先はアユの産卵する下流域だ。と言っても、急いでその場所に向かうというわけでも無い。夏の名残を惜しむか、瀬頭で留まり、橋の影に驚いて群れは集まり佇む、そして、一雨毎に川を下ってゆく。留まりながら下る姿を見て、「落ちる」と先人は見たのだろうか。
アユの産卵場は下流域にある。川が平野をつくるあたり、人々が多く住む街の中でアユは産卵をする。長良川の場合、アユの産卵場所は岐阜市内にある。
27年前、岐阜県庁近くでアユの産卵観察会を始めた。東海豪雨以後その場所は近づけなくなり、18年前、金華山のほとり、長良橋の下流に会場を移した。
アユが産卵するのは、親指の先くらいの小石なら流れてしまうくらいの瀬。河床の小石の間には隙間があって、「浮き石」と呼ばれる石の間を水が通るような場所だ。そこでは、オスのアユが先に場を決め、メスを待つ。オスは気に入らないとその瀬を素通りして下流に行ってしまうから、アユの産卵観察会を行うには、事前にオスが気に入る場所を探しておくことが必要だ。
会場は鵜飼乗船場のすぐ下手という長良川を代表する場所であったが、ひとつ問題があった。アユが産卵する瀬が斜めに広く、直前まで瀬のどこで産卵が始まるのかがわからない。
十年前からアユが産卵しやすい場所を整え始めた。広がった瀬の中に、幅1mほどの流れを作る。大きな石をとり除き、ジョレンを使って河床をたがやす。掘ることで流れの速い溝を作ると流れが集まり、河床の細かい土砂が洗われて、アユが産卵しやすい場所が出来あがる。
まもなく、アユの産卵は盛りを迎える。観察会は11月5日午後4時から、参加無料。詳細はブログ「リバーリバイバル研究所」で検索。
(魚類生態写真家)
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