リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

10年は節目などではない!

2007-04-14 19:42:09 | サツキマス研究会/長良川調査会
 朝から、ワイドショウなどで、幾たびか繰り返されている「ギロチン」の映像。
象徴的な映像で、あの映像をもって諫早の問題は「全国的」となった感がある。

 10年ということで、各社が取り上げているわけだが、10年は「節目」「終わり」などではない。まだ10年なのだ。様々な環境の破壊。改変は今まさに進行しつつある。

 長良川河口堰も10年の時には、それなりの報道がされたが、このところは地方ニュースにさえ長良川河口堰の問題が報道されることはほとんど無くなっている。ただ、環境というのは、その影響がどの位の時間の経過で現れるのかはわからない。10年を経過して見えてくる「事態」というものもあるのだ。

 そして、もう一つ忘れてならないのは、人間の問題だ。
 たぶん生物の「」としての絶滅は回避できているのかも知れないが、人間が介在する営みとしての「漁業」は確実に消滅への時を刻んでいる。

潮受け堤防閉め切りから10年 干潟の生物悼む 諫早(朝日新聞) - goo ニュース

☆テキスト版
潮受け堤防閉め切りから10年 干潟の生物悼む 諫早
2007年4月14日(土)12:23

* 朝日新聞

 国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)による湾の潮受け堤防閉め切りから10年の節目を迎えた14日、干拓地を見渡す諫早市白浜の河川敷で、干拓の犠牲になったムツゴロウなど干潟の生物を悼む諫早湾干潟慰霊祭があった、江口和裕撮影。

 慰霊祭は10回目。干潟には300種以上の生物が生息していたといわれている。干拓事業に反対する市民グループや有明海沿岸の漁民ら約100人が集まり、「宝の海」の再生を願い、死滅した生物に黙祷(もくとう)をささげた。

 主催した市民グループ「諫早干潟を憂える大牟田の仲間」の本昭弘代表(78)は「国内最大級であった諫早干潟は今や見る影もない。憤りにたえない」と訴え、干潟の復元を目指す運動の継続を呼びかけた。

 「ギロチン」を連想させる293枚の鋼板で諫早湾と干拓地が切り離されたのは、97年4月14日。干拓の総事業費は2533億円に上る。約700ヘクタールの農地と調整池が整備され、現在の進捗(しんちょく)率は約99%だ。

 干拓地には農道が整備されつつあり、現在は県の試験農場が10品目の野菜を栽培している。ニンジンやタマネギなどの収穫量は県内の平均収量に基づく目標を2~3割上回っているという。

 課題もある。干拓地は長崎県農業振興公社が約53億円で国から買収し、希望者に賃貸する。ほかにも試験農場の維持費や堤防の施設管理などのために公費支出が続く見通しだ。

 農業用水用の調整池には川から生活排水も流入。水の汚れを示す化学的酸素要求量(COD)は、潮受け堤防が閉めきられた97年度の7.0から05年には8.7に悪化している。
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