リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

若鮎2

2009-09-13 19:05:29 | あなたをわすれない
救助の隊員、とっさにフック外す=墜落直前、ロープ揺れ-3人死亡の防災ヘリ事故(時事通信) - goo ニュース

 昨年の夏、ボクの家の前の長良川で少年が死んだ。

 異変に気づいたのは、若鮎が低空でホバリングを始めたからだ。
すさまじい音に外にでると、目の前の長良川にヘリコプターがいた。
 川岸の異形ブロックの間を大人たちが探し回っているのが見えた。長良川と武芸川の合流点から流されて、姿が見えなくなったという。

 たまたま、近くで少年が警察官に事情を聞かれていた。一緒にいた少年だという。武芸川で泳いでいて、サンダルを流した少年がサンダルを拾おうとして長良川に流されたという。

 ボクその事故の十日ほど前に同じ場所から自宅の前までカメラを持って潜って下った。
 水面からは見えないのだが合流点のすぐ下流にブロックが沈んでいた。一瞬のことだったが、そのブロックに引っかかりそうになって、危うくすり抜けた記憶があった。
 あのブロックに水流で押しつけられたら、身体は動けないかもしれない。そうすると、みんなが探している場所ではなく、もっと上流側に少年が沈んでいるのではないか?
 そんな思いがよぎる。
 どうしようか、小型のボンベを持って潜るか?県警のレスキューが潜っている場所を見てそんなことを考えた。

 そのとき、ホバリングしていた若鮎が水中の少年を見つけた。
 合流点からすぐ下流の、流れの緩やかな浅瀬に近い場所だった。ブロックに捉えられて、それから流されたのだろうと思った。

 穂高で墜落したヘリコプターのニュースを見て、昨年の夏、懸命に少年を捜して吊り上げ、蘇生処置をしていたクルーの方々の姿を思い出した。

 そして、いまでも気がかりなのは、一緒に泳いでいたという少年のことだ。
行方不明の少年が発見されて、人々の関心がそちらに向かっているときに、一人で上流に向かって歩いていくのが見えた。
 どうして、あのとき声をかけて、それから自宅まで送るなりしてあげられなかったのか。
 いまでも悔やんでいる。
 
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