カルデラ湖の鰻池のほとりに立地する温泉で、湧き出る水蒸気を利用してサツマイモなどを蒸すスメという文化が残っている。江戸時代にはすでに知られた温泉だったようで、西郷隆盛が逗留したと伝わるが、私的には、旅への憧れや人生観に大きな影響を与えた「男はつらいよ 寅次郎真実一路」のロケ地として、一度は訪れてみたい温泉であった。
まつまえは区営鰻温泉のすぐ隣にある雑貨屋兼民宿である。脱衣所と浴場は一体となっており、内湯に湯舟が一つある。湯は高温の噴気に水を注いで造成したもので、あちこちで噴気が得られるので、温泉施設ごとに源泉は異なるが、まつまえは泉源第十四号を使用している。うっすら硫化水素臭がするものだった。
(2018 年 2 月)
◆源泉情報◆
源泉名:うなぎ温泉 泉源第十四号
泉質:単純温泉
泉温:94.0℃
成分:pH7.2、溶存物質 111.6 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。
カルシウムイオン | 8.8 (38.94) | 炭酸水素イオン | 27.0 (37.29) |
ナトリウムイオン | 8.9 (34.51) | 塩化物イオン | 14.1 (33.90) |
メタケイ酸 | 31.2 | 硫酸イオン | 16.4 (28.81) |
分析日:2010 年 11 月 29 日