入湯求湯巡礼行記

これまでに訪れた温泉を紹介します。
時代に逆行し、写真は基本的に載せません。
変換できない残念な名称のブログです…

鰻温泉 まつまえ (鹿児島県指宿市) ★★★

2020-08-10 | 九州・沖縄の温泉

カルデラ湖の鰻池のほとりに立地する温泉で、湧き出る水蒸気を利用してサツマイモなどを蒸すスメという文化が残っている。江戸時代にはすでに知られた温泉だったようで、西郷隆盛が逗留したと伝わるが、私的には、旅への憧れや人生観に大きな影響を与えた「男はつらいよ 寅次郎真実一路」のロケ地として、一度は訪れてみたい温泉であった。

まつまえは区営鰻温泉のすぐ隣にある雑貨屋兼民宿である。脱衣所と浴場は一体となっており、内湯に湯舟が一つある。湯は高温の噴気に水を注いで造成したもので、あちこちで噴気が得られるので、温泉施設ごとに源泉は異なるが、まつまえは泉源第十四号を使用している。うっすら硫化水素臭がするものだった。


(2018 年 2 月)


◆源泉情報◆
源泉名:うなぎ温泉 泉源第十四号
泉質:単純温泉
泉温:94.0℃
成分:pH7.2、溶存物質 111.6 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

カルシウムイオン 8.8 (38.94) 炭酸水素イオン 27.0 (37.29)
ナトリウムイオン 8.9 (34.51) 塩化物イオン 14.1 (33.90)
メタケイ酸 31.2 硫酸イオン 16.4 (28.81)

分析日:2010 年 11 月 29 日


大門赤湯鉱泉 (富山県射水市) ★★★

2020-08-04 | 中部の温泉

大門は北陸街道が通り、庄川の川止めなどで足止めを食らった人が利用する宿場町として機能していたらしい。その後は水運を利用して米の集積地とし栄え、昭和の初めごろにはいくつもの料亭や遊郭が建ち並ぶ華やいだ街だったそうだ。大門赤湯鉱泉も昭和 5 年の創業で、料亭をやるのに井戸を掘ったら鉱泉が出たとのこと。

内外、かなり年季の入った佇まいの銭湯で、鄙びマニアには垂涎モノである。浴室は洗い場の奥に湯舟があり、仕切りで 4:1 程度に仕切られたうちの小さな方に鉱泉が張られている。1 人サイズの本当に小さなもので、残りは白湯のバイブラ浴槽だ。赤湯は鉄味系の複雑な味で、透明度は13cmほどだった。

この手の鉱泉は泉質云々ではなく、佇まいを楽しむものだろう。なんとか残って欲しい歴史ある銭湯であるが、オーナーは買い手を探しているよう。


(2016 年 1 月)


◆源泉情報◆
泉質:炭酸鉄泉
液性:アルカリ性
成分:溶存物質 275.2 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg)。

カルシウムイオン 16.9 炭酸水素イオン 113.6
鉄 II イオン 15.0 硫酸イオン 19.5
メタケイ酸 71.5 遊離二酸化炭素 40.6

分析日:1936 年 3 月 13 日


百目鬼温泉 (山形県山形市) ★★★★

2020-08-02 | 南東北の温泉

山形市郊外ののどかな田園地帯に立地する日帰り温泉。百目鬼と書いて「どめき」と読むのだそうで、住所の山形市百目鬼からとったようだ。お化けの伝承でもあるのかもしれないし、唸るような音を意味する「轟=どめき」からかもしれない。

とても人気のようで結構な混みようである。駐車場はほぼ満車状態だった。券売機でお金を払い、受付の人に渡すと、「初めての方ですか?非常に濃い温泉なので長湯しないでください」とのこと。
内湯と露天にそれぞれ湯舟が 1 つずつあり、露天は 30 坪の広々とした露天風呂なので混み合っていても決して芋洗い状態にはならない。掛け流しで、淵からどんどん湯が溢れていくのが素晴らしい。湯は灰色がかった暗い青緑色に濁り、金気臭と潮の匂い、塩味、金気味が感じられた。内湯の方は露天に比べて熱めで透明度が高く、より新鮮な湯のようだ。確かに濃い湯で、長湯はできないが、3 分以上入らないようになどと注意書きまであるのは少々小うるさい。

湯に浸かっていると塀で見えないが、周りは黄金色に実った稲田と満開の蕎麦畑で実に美しい。涼むときに塀にもたれて景色を堪能させてもらった。


(2015 年 9 月)


行田・湯本天然温泉 茂美の湯 (埼玉県行田市) ★★★

2020-08-01 | 関東の温泉

利根川を挟んで群馬県と隣接する行田市は、秩父線と高崎線が通っており、高崎線から湘南新宿ラインが乗り入れているため、池袋や新宿まで 1 時間で行き来することができる。水攻めで有名な忍城跡などの史跡もあるが、市域の半分以上は利根川による沖積平野を利用した田畑であり、水攻めの堤防が決壊したのもうなずける。

茂美の湯は 2004 年に掘削された温泉で、現在は観劇や宿泊施設を併合した温泉施設になっている。浴場には広い湯船がいくつもあり、そのほとんどが掛け流し。うっすら褐色に色付く湯で、甘味があった。消毒のみあり。かけ流し量も多く、街中の温泉としてはかなり好感触であるのだが、上段の湯舟から溢れた湯が階段を伝い、下段の湯舟に入るのはちといただけないな。


(2015 年 10 月)


◆源泉情報◆
源泉名:茂美の湯
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
湧出量:660 l/min
泉温:41.4℃
成分:pH7.8、溶存物質 1290 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

ナトリウムイオン 338 (87.03) 炭酸水素イオン 643 (63.39)
カルシウムイオン 31.6 (9.34) 塩化物イオン 212 (36.06)
メタケイ酸 50.2 遊離二酸化炭素 19.8

分析日:2004 年 9 月 28 日


猿ヶ京温泉 仁田屋旅館 (群馬県みなかみ町) ★★★

2020-08-01 | 関東の温泉

猿ヶ京温泉は沼田から苗場へ抜ける国道 17 号線沿いに立地している。開湯は 400 年前と伝わるが、面白いのは当地の名前の由来。後北条氏と対峙する長尾景虎が三国峠を越えてやって来た際、関八州を治めることを暗示する良い夢を見た。その日が、申年の申の月の申の日だったそうで、さらに景虎の生まれも申年だったことから「申ヶ今日」となったとか。調べてみると、景虎の出兵は 1560 年 8 月 26 日のことだそうで、実際に申年の申の月だった。

仁田屋 (にたや) は、朝から立ち寄りを受け付けてくれる付近ではありがたい旅館である。
内湯と露天に湯舟が 1 つずつあり、内湯の湯口では缶の甘酒が温められ、販売されていた。これは湯舟に浸かりながら飲んで、あとでお金を払うのだろうか?浴室まで商売っ気を持ち込むのには閉口したが、温泉はかけ流しで悪くない。露天は、内湯に注がれた源泉のオーバーフローであるが、こちらも循環なし。硫酸塩泉であるがビリビリ感はなく、その代わりに体表がキシキシとコーティングされるような感じがした。普段は内湯の湯底からバイブラが作動しているらしいが、訪問時には止まっており、バイブラが好きでない私には静かに入ることができてよかった。

(2017 年 2 月)


◆源泉情報◆
源泉名:町有 1 号泉
泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉
泉温:59.7℃
成分:pH7.6、溶存物質 1546 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg)。

カルシウムイオン 230 硫酸イオン 654
ナトリウムイオン 215 塩化物イオン 245
メタケイ酸 82.8 炭酸水素イオン 70.2

分析日:2003 年 3 月 18 日


塩原古町温泉 やまなみ荘 (栃木県那須塩原市) ★★★★

2020-08-01 | 関東の温泉

古町温泉は塩原十一湯の 1 つ。開湯の時期はいまひとつはっきりしないが、400 年前には湯が湧いていることが知られていたようだ。現在は、門前温泉と地続きで、塩原の中心的な温泉となっている。

草臥れた感の否めない館内であったが、浴室に入るなりドバドバのオーバーフローにやられてしまった。素晴らしい量のかけ流しだ。モール臭、弱金気味のある透明の湯で、黒い浮遊物もみられた。湯は湯口から石組を伝って湯舟に注がれるのだが、この石組を枕にトド寝するのがまた何とも心地よい。

帰り際に気が付いたが、別の場所に露天もあったよう。そちらは宿泊者限定なのだろうか。いつかは宿泊してゆるりとここの湯に浸かりたい。


(2019 年 10 月)


◆源泉情報◆
源泉名:やまなみ源泉
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
泉温:55.9℃
成分:pH7.1、溶存物質 1592 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg)。

ナトリウムイオン 340.1 炭酸水素イオン 692.9
カルシウムイオン 28.4 塩化物イオン 201.3
メタケイ酸 209.1 硫酸イオン 56.3
メタホウ酸 21.4 遊離二酸化炭素 70.1

分析日:1992 年 4 月 13 日


鳴子温泉 西多賀旅館 (宮城県大崎市) ★★★★

2020-07-29 | 南東北の温泉

鳴子温泉は、826 年の火山噴火とともに湧き出した歴史ある温泉で、平泉に下る際に立ち寄ったとされる源義経にまつわる伝説も多く残されている。泉質は非常にバリエーションが豊富で、多くの宿が自家源泉を有している。

西多賀旅館は、国道 47 号線沿いに立地しており、玄関から廊下をまっすぐ行ったところに男女別の内湯がある。シャワーもないシンプルな浴室の決して広くはない湯舟には、うっとりするような黄緑色のにごり湯が注がれていた。湯温は適温で、硫黄臭ではなく鉱物油臭がするのにも良い意味で期待を裏切られた。湯口の湯を口に含むと、酸味の後に苦味を感じた。

美しい黄緑色の湯に女将さんも感じ良く、ぜひまた来てみたい一湯だ。


(2015 年 11 月)
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<再訪>
4年ぶりの再訪。あぁ、やはり美しい。静かにかけ流される黄緑色の湯、白い浴室の床、ケロリン桶の黄色。アブラ臭が以前よりも強くなったような気がした。表示によると加温ありとのこと。

(2019 年 4 月)


◆源泉情報◆
源泉名:西多賀の湯 1 号
泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
泉温:50.9℃
成分:pH6.5、溶存物質 2883.9 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg、カッコ内はミリバル %)。

ナトリウムイオン 578.4 (73.70) 炭酸水素イオン 986.4 (45.74)
カルシウムイオン 112.2 (16.40) 硫酸イオン 609.9 (35.93)
マグネシウムイオン 25.2 (6.06) 塩化物イオン 212.8 (16.97)
メタケイ酸 259.6 硫化水素イオン 10.0 (0.85)
メタホウ酸 31.1 チオ硫酸イオン 9.3 (0.48)
遊離二酸化炭素 683.2 遊離硫化水素 36.7

分析日:2018 年 11 月 6 日


北海道の温泉

2020-07-27 | リスト

豊富町
豊富温泉 ふれあいセンター ★★★★
豊富温泉 川島旅館 ★★★


青森県の温泉

2020-07-27 | リスト

あたご温泉 ★★★★


岩手県の温泉

2020-07-27 | リスト

雫石町
国見温泉 石塚旅館 ★★★★★