嬉野温泉は、佐賀県の代表的な温泉地で、開湯は神話の時代まで遡るという。奈良時代には風土記などにその名が記される古湯である。
わざわざ九州、それも佐賀にまで行って (←失礼) 残念な思いはしたくないので、入念な下調べをし、ここ「嬉泉館」を選んだ。湯使いが良いと、温泉狢の評判は上々であった。明るい浴室には 3:7 ほどで仕切られた湯舟があり、それぞれトロットロの源泉が源泉が注がれ、かけ流されていた。大きな信楽の狸が置かれているが、湯口は普通の蛇口である。よくツルスベ感と表現するがここのはヌルヌルとでも表現したい。
正直に言うと、今回、佐賀県を訪れたのも「まだ佐賀に行ったことないから行ってみるか」くらいのつもりであって、絶対外せない観光の目玉があったわけではなかったのだ。だからこそ、わざわざ佐賀に来た甲斐があった」と思えるような温泉を探していた。ここ「嬉泉館」は、まさしくわざわざ佐賀に来た甲斐があった素晴らしい一湯であった。
(2015 年 4 月)
◆源泉情報◆
源泉名:嬉野温泉白川源泉
泉質:ナトリウム-炭酸水素・塩化物泉
泉温:84.0℃
成分:pH8.4、溶存物質 1399.6 mg/kg、主要な成分は以下の通り(いずれも mg)。