広島に21年ぶりV指令!“コイ旋風”吹き荒れるか(夕刊フジ) - goo ニュース
広島に21年ぶりV指令!“コイ旋風”吹き荒れるか
2012.01.14
感慨深げな(左から)北別府氏、古葉氏、津田氏の長男・大毅さん、妻・晃代さん、山本氏【拡大】
野球体育博物館は13日、平成24年の野球殿堂入りを発表した。競技者表彰のプレーヤー部門で北別府学氏(54)、故・津田恒実氏の赤ヘルコンビが選出されたことで、今季の広島に余波。山本浩二氏(65)から21年ぶりの優勝指令が飛び出したのだ。
精密機械のようなコントロールが身上で通算203勝を挙げた赤ヘル軍団のエース・北別府氏。“炎のストッパー”と呼ばれた津田氏。同時の殿堂入りとあって 発表会場には、広島OBの殿堂入りコンビがゲストとして駆けつけた。リーグ優勝4回、日本一3回と赤ヘルを常勝軍団に鍛え上げた元監督の古葉竹識氏(現東 京国際大学野球部監督)と、ミスター赤ヘル・山本浩二氏だ。2人は後輩の殿堂入りを喜ぶ一方、14年間もBクラスが続いている長期低迷の広島へ活を入れ た。
「広島の2人が同時に殿堂入りだなんて本当にうれしい。ネクタイも赤にしてきたよ。広島にも頑張ってもらわないとね」と古葉氏。
これをうけて、山本氏はさらにゲキを飛ばした。広島が1991年に山本監督の下で過去最後のリーグ優勝を果たしてから20年。新興球団で優勝経験のない楽天を除く11球団の中では、広島が最も長くペナントから遠ざかっている。
「91年に優勝できたのは、(同年に脳腫瘍で入院した)津田恒実のおかげ。みんなプレー中はお守りをポケットに入れ、ゲームが終わると病院にお見舞い。明るくひょうきんで誰からも愛されるツネのために頑張ろう、という気持ちが一つになった」
93年に32歳の若さで亡くなった“炎のストッパー”津田氏のおかげでチーム一丸になり、優勝したという秘話を明かした上で、「なんとか優勝に向かって頑張ってもらいたいと思っています」と今季の広島へ優勝指令を発した。
北別府氏と津田氏のダブル殿堂入りという最高の栄誉で幕が開いたメモリアルイヤーを21年ぶりの優勝で飾れというのは、広島OBだけでなく、ファンも共通 の思いだろう。昨年はヤクルトが旋風を巻き起こし、10年ぶりのリーグ優勝へあと一歩だったが、今年は赤ヘル旋風が吹き荒れるか。(夕刊フジ編集委員・江 尻良文)