円朝の怪談噺を下敷きにした歌舞伎です。
中村屋がまさかの急逝、さらには三枡団十郎の死去とこれからの
歌舞伎を背負って立つ円熟期を迎えた大事な看板役者が相次いで
いなくなってしまい、しばらくショック状態でしたがいつまでも
溜息をついていても仕方がないので、カミサンと一緒に赤坂へ
久しぶりに歌舞伎を見に行ってきました。
そもそも赤坂の歌舞伎も渋谷のコクーン歌舞伎と同様に故中村
勘三郎が始めたもので、息子の勘九郎君が上演するのも何かの
縁でしょう。これからも父親の遺志を継いでいって欲しいものです。
あらすじは、江戸の絵師菱川重信とその妻おせき、さらにその
乳飲み子の真与太郎。このおせきに横恋慕した侍の磯貝波江は
後に重信に弟子入りしおせきを無理矢理口説いて関係を持ち、
さらには重信を殺害、おせきの子供も角筈十二社の滝へ棄てに
行かせます。首尾良くおせきと夫婦となった磯貝でしたが、
悪事はそうはうまく行かずここらあたりから怪談噺の色合いが
強くなります。
明治時代の名人の三遊亭円朝の怪談噺が原作で歌舞伎では
かつて実川延若が演じています。延若は関西系の役者でしたが
雰囲気のある良い役者さんでした。何故だか光りの当たることの
ない道を歩かれた役者さんで病気がちで地味であまり恵まれ
なかった印象がありますが、この名前は復活して欲しいですね。
故勘三郎もこの演目を得意にしていて早替わりや本水を使った
舞台にしてありさらにケレン味の溢れる演出が楽しめます。
新宿の十二社なんて今やビルだらけで昔の面影がないですね。
かつてここには淀橋の浄水場がありました。角筈行きの都電が
あって良く乗ったものですが、江戸時代は鬱蒼とした森で
滝があり大きな池のあった場所で戦前までその雰囲気は残って
いたはずです。こういうのを都市化の大義名分の名の下に
潰してしまうセンスには、日本橋の上に高速道路を造る趣味の
悪さ同様ちょっと首をひねってしまいます。
新宿の十二社にはついこのあいだまで十二社温泉というのが
あったのですが、調べてみたら3年くらい前に無くなったよう
です。
話しが逸れました。
中村屋の息子二人は周知の通りでご存知の方も多いでしょう。
中村獅童は映画俳優だった萬屋錦之助の甥にあたります。
父親が早くに歌舞伎を辞めてしまったため後ろ盾のないまま
日の当たらない俳優家業を続けていましたが、ここに来て少し
歌舞伎役者っぽくなって来ました。いっそうの精進を期待したい
若手ですが今回の舞台では色悪にあたる侍磯貝浪江を演じて
います。以前は橋之助が演っていた役ですね。やや押しが弱い
感もありますがこういうのを演らせたら適役かも知れません。
当たり役になると良いですが。
小山三さんも元気に出演していますし、勘九郎は父親そっくりで
さすがに親子だなと思わせます。早替わりも見事なものですが三役
の早替わりの中ではうわばみ三次役が良く映えていました。
こういう小悪党を演らせたら親譲りで安心して見ていられます。
まずは無難なスタートという舞台でしょうか。
二階席の後ろから二番目の席でしたので本水を被る事はあり
ませんでしたが、舞台から近い一番前の席のひとには水よけの
ビニールが配られていたのはご愛嬌でした。
中村屋がまさかの急逝、さらには三枡団十郎の死去とこれからの
歌舞伎を背負って立つ円熟期を迎えた大事な看板役者が相次いで
いなくなってしまい、しばらくショック状態でしたがいつまでも
溜息をついていても仕方がないので、カミサンと一緒に赤坂へ
久しぶりに歌舞伎を見に行ってきました。
そもそも赤坂の歌舞伎も渋谷のコクーン歌舞伎と同様に故中村
勘三郎が始めたもので、息子の勘九郎君が上演するのも何かの
縁でしょう。これからも父親の遺志を継いでいって欲しいものです。
あらすじは、江戸の絵師菱川重信とその妻おせき、さらにその
乳飲み子の真与太郎。このおせきに横恋慕した侍の磯貝波江は
後に重信に弟子入りしおせきを無理矢理口説いて関係を持ち、
さらには重信を殺害、おせきの子供も角筈十二社の滝へ棄てに
行かせます。首尾良くおせきと夫婦となった磯貝でしたが、
悪事はそうはうまく行かずここらあたりから怪談噺の色合いが
強くなります。
明治時代の名人の三遊亭円朝の怪談噺が原作で歌舞伎では
かつて実川延若が演じています。延若は関西系の役者でしたが
雰囲気のある良い役者さんでした。何故だか光りの当たることの
ない道を歩かれた役者さんで病気がちで地味であまり恵まれ
なかった印象がありますが、この名前は復活して欲しいですね。
故勘三郎もこの演目を得意にしていて早替わりや本水を使った
舞台にしてありさらにケレン味の溢れる演出が楽しめます。
新宿の十二社なんて今やビルだらけで昔の面影がないですね。
かつてここには淀橋の浄水場がありました。角筈行きの都電が
あって良く乗ったものですが、江戸時代は鬱蒼とした森で
滝があり大きな池のあった場所で戦前までその雰囲気は残って
いたはずです。こういうのを都市化の大義名分の名の下に
潰してしまうセンスには、日本橋の上に高速道路を造る趣味の
悪さ同様ちょっと首をひねってしまいます。
新宿の十二社にはついこのあいだまで十二社温泉というのが
あったのですが、調べてみたら3年くらい前に無くなったよう
です。
話しが逸れました。
中村屋の息子二人は周知の通りでご存知の方も多いでしょう。
中村獅童は映画俳優だった萬屋錦之助の甥にあたります。
父親が早くに歌舞伎を辞めてしまったため後ろ盾のないまま
日の当たらない俳優家業を続けていましたが、ここに来て少し
歌舞伎役者っぽくなって来ました。いっそうの精進を期待したい
若手ですが今回の舞台では色悪にあたる侍磯貝浪江を演じて
います。以前は橋之助が演っていた役ですね。やや押しが弱い
感もありますがこういうのを演らせたら適役かも知れません。
当たり役になると良いですが。
小山三さんも元気に出演していますし、勘九郎は父親そっくりで
さすがに親子だなと思わせます。早替わりも見事なものですが三役
の早替わりの中ではうわばみ三次役が良く映えていました。
こういう小悪党を演らせたら親譲りで安心して見ていられます。
まずは無難なスタートという舞台でしょうか。
二階席の後ろから二番目の席でしたので本水を被る事はあり
ませんでしたが、舞台から近い一番前の席のひとには水よけの
ビニールが配られていたのはご愛嬌でした。
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