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MICHAEL CONNELLY - THE DROP

2012-07-10 20:48:04 | MICHAEL CONNELLY
5月にハワイに行く際に搭乗前に成田の本屋に立ち寄ったら、
MICHAEL CONNELLYのペーパーバックが出ていたので
その場で購入し、ハワイに到着するまで機内で読んでおりました。
残りは日本に帰ってきてから読み今また読み返しております。

超ロングセラーの刑事モノのハリー・ボッシュシリーズです。
LAPDのハリー・ボッシュは未解決事件を扱う部署に配属されて
おり、かつては科学の力では判らなかったことを最新のDNAの
データベースを駆使して犯人をあぶりだしていくという地味な捜査
の担当をしています。

今回DNAが一致した過去の婦女暴行事件の犯人は当時8才という
年齢が判明。あり得ない、これは不可解だと判断した捜査部長は
さっそく担当にボッシュを指名。ボッシュは反りの合わないパートナー
のチューと捜査を開始します。ところが、かつてボッシュの上司であり
LAPDの本部長であったアービン・アービングの息子がモテルから
墜落して死ぬという事件が起きてしまい、ボッシュはこの捜査も
否応無く担当させられてしまいます。

アービンは現在は市会議員の要職にありいまだに警察には強いコネ
を持っていますが、汚職まがいの粉飾がありかつてボッシュによって
警察を追われた過去があり、両者の仲は警察時代から良くありません。
ところがそのアービンからの直々の捜査要請のためボッシュは2つの
事件を同時に捜査する羽目になります。

単なる自殺とは思えない墜落死と不可解なDNA判定の婦女暴行事件。

過去の事件でもボッシュは絡んだ糸を我慢強く解いていき最後には
読者を納得させるに十分な見せ場を作り出してきました。

今回もその流れを期待していたのですが、二本の線は一本の線に結
びつかないままやや消化不良気味。

それでもパートナーのチューとの心理戦など捜査自体と別なところで
見せ場をこしらえてありこの辺はコネリーっぽいプロットでオカズ的
な色付けにはなっています。

かつての同僚であったKIZ RIDERも登場して来てなんだか懐か
しい戦友が戻ってきた感じです。

娘のマディが香港から戻って来て以来、ボッシュはどうも単なる
優しいダディになってしまったような感じが強く、それがどうも
今までの暗い影を背負い体を張って悪と戦って来た一本気な刑事
ボッシュを薄くしてしまっている印象です。クセのあるバーボンを
水で割ったような感じ、かな。

最後には例によってハプニングが用意されていますが、どうも
今までとはちょっと違い、迫力感が薄い感じがありますね。

個人的にはぼちぼちFBIのRACHEL姉御に登場して欲しいのでありますが。

毎回毎回会心の一作というわけには行きませんが、前回の作品から
半年で読めるのは有り難いし、この後のボッシュシリーズも年内に
出そうなので、まあ良しとしましょう。






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