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WILD FIRE - NELSON DEMILLE

2007-05-25 13:56:43 | NELSON DEMILLE
今日大手町の紀伊国屋書店の洋書売り場を覗いたら、何とNELSON DEMILLEの
WILD FIREがペーパーバックで発売になっていました。つい先日見たときはまだ
なかったのでこの2、3日での発売かと思われます。

やっとペーパーバックになりました。長かったですねえ。待ちくたびれたわい、ああ、
嬉や、とこの本を手に取った瞬間、チラッと別のペーパーバック新刊が目に入りま
した。な、なんと、あのHANNIBAL RISINGもペーパーバックでついに登場です。
ついこないだまでこの二冊の本はハードカバーで書棚に並んでいたのですが。

話題の本が何といっぺんに二冊もペーパーバックで発売です。いやいや、何と! 
どっちから読むべきか! こりゃ困った、と思いつつも当分の間は御贔屓の作家の
本を読んでいられます。幸せですね。取り合えず、NELSON DEMILLEのWILD
FIREを先に買いました。待たされたから一字一句存分に楽しみたいですね。

それにしても何でまた同じような時期に人気本のベストセラーシリーズをペーパー
バックにして売り出すのかねえ。少しでも発売時期をずらしてくれると読む方は
間が空かないで楽なのだけど。。

全世界のNELSON DEMILLE のJOHN COREY ファンの人達が待ちに待った最新作、
いよいよペーパーバックで本格デビュー! NYPDのかつての敏腕刑事COREY は
FBI AGENTで彼の妻となったKATE MAYFIELDとともに殺人事件の捜査に乗り出す
のですが、その背後にはとんでもない陰謀が・・・・とまあこの辺までは知っているん
ですが・・

人気主人公のNYPDの刑事であるJOHN COREYは、前作 NIGHT FALL で謎の墜
落をしたTWA機の真相解明かと思わせたその寸前、とんでもない大悲劇に巻き込
まれ、歴史的事実を知る証人は死んでしまいます。からくもCOREYは、今は彼の愛
妻となったKATE MAYFIELDと共に九死に一生を得ますが、TWA機墜落の真相は再
び闇に中に葬られます。

このNIGHT FALL は実に良く出来た作品でハラハラさせながらもスピーディで最後
のドンデン返しが鮮やかでした。ちょうど2年前にペーパーバック化されていますね。
それ以来ですから2年ぶりの登場です。2年も待たされるとちょっと待ちくたびれるけ
ど、JOHN COREYのシリーズはどれも出来栄えが良いので期待を裏切りません。

MICHAEL CONNELLY の HARRY BOSCH は西海岸はLOS ANGELES のLAPD の
刑事ですが、かたやNELSON DEMILLE のJOHN COREY は東海岸のNEW YORK の
刑事。どちらも人気刑事です。この人気刑事二人がひとつの作品に登場したらどん
な作品になるのでしょうか。まあ、作者が違うのでちょっと無理ですね。

随分話がそれましたが、このWILD FIRE なるものはそもそも(スーツケース型核
爆弾)を使用する作戦名?らしく、核攻撃に対する報復核攻撃に使用されるもので、
核爆弾を持っているから攻撃するぞ! と脅しをかけてくる相手(かつては旧ソビエト、
今はさしずめ中東あたりのテロリスト)に対し、核攻撃を受けた場合はその時点で報復
攻撃が自動的に行われるという、なかば脅し的な戦略作戦が既に存在し、これにより
歯止めがかかり核攻撃は今までなされていない、というある意味無茶苦茶な前提が
まずあります。

しかしこれはこれで事実歴史はかつてそうだった、とも言えるので頭から否定もでき
ないのでありますが、しかし旧ソビエトのように相手の存在がはっきりしている場合は、
報復目標もはじめから決定できますが、居所の分からないビンラーディンのような
テロリストの場合はどうなるのか? その場合は全イスラムを報復対象とするのか
どうか、とか、いやいっそのこと、さっさと報復攻撃をしてしまえ、と核ボタンを押して
しまうのか、いや押してしまったらどうなっちゃうのだ、脅威のネタがさっぱりして
良いじゃあないか、とか、あるいはかつてソビエトが製造したと言われるスーツケー
ス爆弾を密かに入手し、まず自国アメリカの都市を試しにやってみよう、と危なかっ
しい話にまで発展し、そのための実際にあるらしい作戦の名前すら上がってきます。

このへんがこのWILD FIREの核爆弾と関連しているのですが、この辺りは変なリアリ
ティが存在します。いかにも実存しそうな印象を与えています。

アメリカはかつても今も想像的戦略核兵器で脅しと抑止をかけてきましたから、変な
現実が突然起きることがあります。だから妙な真剣さが現実の対策として存在して
も決して可笑しくないのです。どこまで現実でフィクションなのかは作者である
NELSON DEMILLEの得意とするところですが、逆に、ありもしない架空の話とも言い
切れない部分で読者を喜ばせているのかも知れません。荒唐無稽とも言い切れない
部分の面白さとでも言うべきでしょうか。

今回のお題、WILD FIRE も元のタイトルはCUSTER HILL CLUB で何やら、実在して
もおかしくもない政治的、軍事的権力を持つトップグループの集まるロッジを意味して
いまして、そこには核すら容易にコントロール出来るという権力が存在する、というも
ので、だからそこには力による謀略が潜むのであります。

半ば強引な出だしで話が進行していきますが、説得的雰囲気はありますね。

長くなりましたが、こういう話が下敷きにあって、JOHN COREY の同僚が上からの
依頼で、前述のロッジの調査に行く。そこからまず殺人事件が起きる、そこで
COREY と KATE が事件の陰謀に迫るのであります。背景の部分だけ取り上げてい
るので、この本の内容を明かしているわけじゃありません。この本はここからスタート
です。バックグラウンドを良く理解しておかないとね。

前作のNIGHT FALL でもJOHN COREY とKATE は捜査に首を突っ込むあまり、地
方へ飛ばされる羽目に合いますがそれにもめげず事件の真相にせまっています。
多分今回も同様な不気味な圧力が伸し掛かってくるのではないか、と読む前から
期待するのであります。その辺りのことを意識してか、著者も前作のことを結構
書いてあります。前回のあらすじ紹介ってところですが、JOHN COREY の登場する
第一作のPLUM ISLANDから読まれるのがやはり一番かも知れません。

はあ、草臥れた。ちょっと乱暴な説明でしたけど、大体こんなことが物語の背景に
なっているようです。ハードカバーで事前に毎日ちょこちょこと立ち読みをするのも
つらいです。

タイミング的には、MICHAELL CONNELLY の A DARK MORE THAN NIGHT を読
み終わったところで、読むものがないな、 なんて思っていたところでしたので
ちょうど良かったですね。読みたかったのがペーパーバックになってくれて。

そうそう、A DARK MORE THAN NIGHT はなかなか良かったですね。近いうちに
読み直しをしようと思いますが。HARRY が容疑者扱いされるところなんかはなか
なか新鮮なテーマのひとつで狙いとしては斬新でした。

今回はちょっと長文になっちゃいました。はい。










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