NIGHT FALL

連休の前に買おうと思ったものの体調がすぐれず最近買いました。
ハードカヴァーでずっと売られていたのですが、やっとポケット版になり
お手ごろ価格で買えました。

面白いですね、ネルソン・デミルの本はハマルと止まらなくなります。
読み終わるのに一週間もかからない感じですね、この調子で行くと。

内容は1996年の7月にNYからPARISへ行くTWA800機が230名の乗客を
乗せたまま墜落した事件をもとに、元NYPDの敏腕刑事で現在テロ対策
タスクフォースのJOHN COREYとその妻KATEが墜落の原因を探り出して行く、
というノンフィクション絡みのフィクションものです。

翻訳ものがもう出ているかどうか分かりませんが、現在まだ無いと
しても出版されるのは時間の問題です。
　
この主人公のJOHN COREYは前作LION'S GAMEで大活躍しているのですが、
その事件で知り合ったのが現在の妻でFBI捜査官をしているKATE MAYFIELD
でした。

LION'S GAMEはリビアの極悪テロリスト、アサドがアメリカに護送されて
くるところから始まります。その受け取り人役がJOHN COREYでした。

ところが空港でとんでもない事件がおきこのテロリストは逃亡してしまい、
JOHNとKATEはこのテロリストを追いかけ命がけの追跡をすることになります。

アサドとはアラビア語でライオンの意だそうで、それでライオンズ・ゲーム
というタイトルにしたのかどうかは定かではありませんが、ともあれこの
テロリストの目的は最後まで明かされず、ハラハラさせられます。

というわけで、JOHNとKATEの馴れ初めを知りたい方は前作のライオンズ・
ゲームから読まれることをお勧めします。この本もあっと言う間に読んで
しまいました。さらにその前作、JOHN COREYの登場する第一作、PLUM ISLAND
も翻訳ものがあるはずですので時間のある方はぜひお読み下さい。
この島は実際にある島です。（注・ライオンズ・ゲームは王者のゲーム、
というタイトルで発売されています。）
　
NELSON DEMILLEはその著書の多くがNYやNJを中心とした東部を舞台と
しています。GOLD COASTやUP COUNTRYなども面白い本ですが、JOHN COREY
の人柄の、いかにもNYっぽいところがよく描かれているとは、日本に住む
NER YORKERである私の友人の弁です。

JOHNは、ちょっと人とは違う、でも暖かいハートがありユーモアも飛ばす、
しかし頑固なところもある、といったようなRETIREした元刑事とでもいう
ところでしょうか。

前作とは違い、あまりドンパチはありませんが、刑事っぽくこつこつ捜査を
する展開が多いのが今回の作品の特徴です。TWAの墜落事件に二人は首を
突っ込み過ぎ、懲戒転勤をさせられます。しかし、ついに証人を探し出し
真相に迫るその時、とんでもない大事件が起きてしまいます。意外な
結末に驚かされます。

この三部作はどれか映画化されるかも知れませんねえ。楽しみです。
ジョン・トラボルタ主演の「将軍の娘」もネルソン・デミルの作品ですし、
映画化の可能性はかなりありますよ。誰が主演するんでしょう。
　
このTWA800便の爆発事故は未だに謎が多く、政府見解に納得しない人たちが
多いのです。ウエブ上でもまだまだ話題となっており、不自然さの残る事件
ではあります。興味のある方は是非のぞいて見て下さい。