ジュピターと聞いたら平原綾香さんの歌やホルストの惑星を思い出す人が多いのだろうが
カメラ好きからすれば「レンズの名前だろ?」と答えるのは踏み絵のようなものだとして
このロシア製の中望遠レンズは戦前のコンタックスの風格をそのまま伝える堂々たる姿と
クセ玉である戦前のツアイスが設計したゾナーそのもの描写を愛好する方も多いがゆえに
最近は品薄になっているらしいと聞くと昔安く手に入れた者としては後ろめたさも感じる
ジュピターという名前のレンズには 50mm と 85mm と 35mm の3種類があって
さらにそれぞれコンタックス用 ライカL用 M42用とマウントが3種類用意されていた
このジュピター85mm はライカLマウント用なので SONY の α7 に装着するためには
ライカMマウントと SONY Eマウントを繋ぐアダプターと
ライカMマウントと Lマウントを繋ぐマウントをふたつ重ねてからレンズを着ける必要がある
ああ!カッコいい! 兵器っぽいのは出自通りだね
ところで3行目でロシア製と言ったが本当はこれはソ連製だ
レンズの付け根には「MADE IN USSR」の刻印がある
ロシア国内では「U.S.S.R.」ではなくて「C.C.C.P.」のはずだから輸出用だ
作られたのは今のウクライナ共和国の首都キエフのアーセナルという会社で
第2次世界大戦後に占領したドイツからツアイスの技術者と製造機械を持ち帰り
兵器工場だったアーセナルでカメラとレンズを作るようになったのだが
それと同時にナチスドイツのミサイル技術と原爆製造技術とそれぞれの技術者も持ち去って
その後の冷戦の元を作ったと聞けば・・・「なんて酷い国だ!」と思うかもしれないが
同じことはアメリカもやっていて・・・ミサイル設計の主任であるブラウン博士を連れ帰り
核ミサイルを作っただけでなくゲシュタポや秘密警察も組織ごと連れ帰り今の CIA の基を作り
日本軍の細菌部隊から研究者を人体実験したデータごと持ち帰り細菌兵器と化学兵器を生産して
朝鮮戦争では北に細菌を仕込んだ玩具を空から撒いたり化学兵器を風に乗せて撒いたりしたのも
ソビエト社会主義連邦共和国という国があったことなど同じように忘れ去れてしまうのだろう
都合が悪ければなんでも水に流す国民性は有ったことも無かったことにするようだ
いや!そうはさせない
ともかく久しぶりにジュピター85mm で産直のシシトウを撮ってみる
ヘリコイド付きのアダプターで撮れば最短撮影距離が1メートルから50センチに縮まる パシャ♪
α7 JUPITER-9 85mm F=2
まさかジュピター85mm で近接撮影が出来るとは夢にも思わなかった
科学技術の進歩が旧いレンズを甦らせた ひたすら感謝である
撮ったシシトウを木口切りにして豚肉とブナシメジのうどんに散らす 長ねぎも散らす
α7 M-Rokkor 40mm
旧いレンズで撮ると旧い雰囲気の絵になる
面白いことだ
解熱剤を服む
散歩に出るか思案する
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