2023年に入り櫻坂46の海外進出が顕著になっている。7月13日~16日にはフランス・パリで開催された『Japan Expo Paris 2023』に出演を果たし、8月18日~20日にはマレーシア・クアラルンプールで開催される『Japan Expo Malaysia 2023』への出演が決定。元々、坂道シリーズは乃木坂46が先頭を切ってアジア圏で単独公演を開催するなど海外へと目を向けてきた事例があるものの、櫻坂46にとっては本格的な海外ライブは初めてとなる。
[2018 MAMA PREMIERE in KOREA] Hiragana Keyakizaka46_期待していない自分 181210
2018年にはけやき坂46(現・日向坂46)が韓国・大門デザインプラザにて開催された『2018 MAMA PREMIRE in KOREA』に出演し、「Best New Asian Artist Japan」を受賞した経験があるが、欅坂46の姉妹グループとしてはその一例のみである。同イベントはアジア最大級の音楽授賞式であり、多くのアジア出身のアーティストが集結。乃木坂46を除く坂道シリーズとしては初の海外進出ということもあり、今後の海外展開も示唆されたが、コロナ禍の影響もあってかその後しばらくは大きな動きは見られなかった。
欅坂46から改名した櫻坂46に海外への動きが見られたのは、2021年にニューヨークのタイムズスクエアに映像が流れたことだ。現地時間の12月9日、櫻坂46のデビュー日に合わせて海外のファンが資金を集めて実現された。驚くべきことは使用された映像は全てグループの運営会社であるSeed & Flower合同会社の公認ということである。その前月にはヨーロッパ最大級の音楽授賞式『2021 MTV EMA』にて、ベスト・ローカル・アクト賞「BEST JAPAN ACT」を受賞するなど、櫻坂46にとって初の海外への挑戦は世界にもしっかりとBuddies(櫻坂46ファンの呼称)の輪が広がっていることを感じさせるものだった。
その後、櫻坂46の本格的な海外展開が始まったのは今年に入ってから。まずは6月1日に大阪城ホールで開催された『3rd TOUR 2023』の模様がアメリカやイギリスを始めとした国外19の地域を対象に配信されるという櫻坂46初の試みが行われた。海外からはこれまでYouTubeなどのプラットホームを通じてしか視聴することができなかったが、リアルタイムでライブを視聴できるとあって海外のファンから多くの反響が寄せられた。
【裏側】「Japan Expo Paris 2023」当日に密着!【inパリ】
7月に開催された『Japan Expo Paris 2023』はそんな櫻坂46にとって大きな一歩。メンバーの多くが「会場に人が集まってくれるのだろうか」という不安を抱いていたようだが、公式YouTubeチャンネル「櫻坂チャンネル」に投稿されている動画では、「Overture」に合わせて手を叩いたり、登場シーンには大歓声で迎えたりと快く受け入れている現地の観客の姿が映し出されており、櫻坂46のパフォーマンスは海外ファンの心をも掴んでいることが証明された。
パフォーマンスそのものには国境はない。当初から世界的に有名なHIPHOPエンターテイメントコンテスト『NY APOLLO Amateur Night TV Show』にソロダンサーとして出場し、史上最高記録となる9大会連続優勝するなど、海外でも実績豊富なTAKAHIROが振り付けをバックアップしてきたという経緯もある。そのため、櫻坂46が志向してきたパフォーマンスは海外の土壌でも十分に戦えるもので、世界で活躍できる可能性を秘めていると言えるだろう。
キャプテンの松田里奈が「このライブでグループとして一歩踏み出せていたらなと思います!」(※1)、田村保乃が「世界中のBuddiesに会いに行きたい気持ちがより濃くなりました」(※2)と公式ブログで語るなど、メンバーの口からも海外に向けられた言葉が多く見られている。そのような中で8月の『Japan Expo Malaysia 2023』への出演は櫻坂46をアジア圏で広める大きなチャンスだ。国内のアイドルシーンは2010年代のアイドル戦国時代を経験し、今は次なるフェーズへと模索しつつある段階にある。今後のアイドルシーンを見据えたときに、各グループが海外での活躍を視野に入れていく必要があるのは言うまでもない。その一手を担っているのが櫻坂46だ。彼女たちの海外進出から目が離せない。