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ついに「創業世代」姿消すHKT48  新キャプテンが占う「世代交代」の成否

2022年11月28日 23時25分00秒 | HKT48

こ~んばん~わ



グループからの卒業を発表するHKT48の本村碧唯さん。「最後の1期生」で、2017年から「チームK4」キャプテンを務めていた


 福岡市を拠点に活動するHKT48が2022年11月26日、劇場デビューから丸11年を迎え、福岡市民会館(中央区)で記念コンサートを開いた。11月26日はHKT48にとっては「記念日」で、例年は本拠地の劇場で記念公演を開いてきた。記念公演をそれ以外で行うのは今回が初めて。

 グループ発足時を知る「創業世代」の1期生は、AKB48に移籍した中西智代梨さん(27)を除くと、本村碧唯さん(25)と、12月に卒業予定の下野由貴さん(24)の2人のみ。この日のコンサートの終盤、本村さんが23年夏に卒業することを発表した。半年後には1期生が姿を消すことになり、世代交代は節目を迎える。

■マネジャーが壇上からペンライトの数を数える  この日のコンサートでは、過去のシングル表題曲全15曲の披露に加えて、3つあるチームが8つのカテゴリーごとにパフォーマンスで競う、という趣向。そのうちのひとつが、AKB48の高橋みなみさん(31=16年卒業)と前田敦子さん(31=12年卒業)のデュエット曲「思い出のほとんど」をチームごとに歌う内容で、昼公演ではチームK4から下野さんと本村さんが登場。涙ぐみながら歌い上げた。

 各チームのパフォーマンスは、観客がペンライトをチームごとに決められた色に変えて投票する仕組み。普段は裏方のマネジャーが壇上からペンライトの数を懸命に数え、昼公演はチームT2、夜公演はチームK4が優勝した。

 本村さんは、元々は「泣き虫キャラ」だったが、10年以上にわたる活動を通じて、さまざまな分野で頭角を現してきた。バラエティー番組「HKT48のおでかけ!」(13~17年、TBS)のアウトドア企画では、火を起こしたりする手際の良さでメンバーを驚嘆させた。ダンススキルはグループでも指折りで、17年には指原莉乃さん(30=19年卒業)がプロデュースするアイドルグループ「=LOVE」(イコールラブ)の振り付けを担当。20年にはHKT48内のダンスユニット「Lit charm」(リットチャーム)を立ち上げ、「社長」のあだ名もついた。

 22年10月に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開いたコンサートの終盤には、チャイムとともに登壇し、「クラス替え」と呼ばれるチーム再編成と人事異動を発表する役割も担った。そのため、「校長先生」と呼ぶ向きもあった。

万雷の拍手が35秒間続く

 本村さんが卒業発表したのは夜公演の終盤。卒業を決意した理由を次のように説明した。

「11周年を迎えることができて、頼りになる後輩たちの姿を見て、これから進化し続けるHKTは、この子たちで十分大丈夫だなと思えることが増えてきました。大好きなHKTだからこそ、大好きなみんなだからこそ、みんなのことを信じて、これからのHKTは、みんなに任せていきたいなと思います」

 卒業は23年夏を予定する。発表から実際に卒業するまでの時間を長めに取ったのは「皆さんと、たくさん思い出をしっかり作りたかったので」。この半年で「後輩のみんなにも、伝えていきたいこと、まだまだいっぱいありますし...」とも話した。

 もっとも、卒業発表に向けた伏線はあった。本村さんは17年からチームK4のキャプテンを務めてきたが、22年10年の「クラス替え」発表のタイミングで、松岡はなさん(22)を後継指名したことが、そのひとつだ。そのため、卒業発表は現場のファンの納得を得られたとみられ、万雷の拍手が35秒ほど続いた。

「築き上げてきた人たちの姿になる」のは「絶対に無理」でも…

 本村さんの卒業で、「創業世代」が完全にグループを去ることになり、いかに「後輩のみんなにも、伝えていきたいこと」が伝わるかがカギになりそうだ。22年8月末に「チームH」キャプテンに就任したばかりの4期生の豊永阿紀さん(23)が、本村さんが卒業を発表する直前のあいさつで、「偉大な先輩たちから受け継いでいるもの」を受け継いでいくことの意味に触れている。

 「11月26日」という日は、グループそのものの「記念日」であることに加えて、メンバーにとっても「記念日」になることがある。例えば18年には、当時拠点にしていた西鉄ホール(中央区)で5期生がお披露目された。豊永さんが劇場デビューしたのは、16年の「パジャマドライブ」リバイバル公演だ。豊永さんによると、当時は「一番後ろから一番後輩として、本当に頼れる先輩たちのかっこいい姿を何回も見て、必死に後ろからついていくのに精一杯で、すごくがむしゃらにやっていた」。この時点で、1期生が劇場デビューしてから丸5年。21年の10周年記念公演では、豊永さんも丸5年を迎えた。当時の問題意識は「かっこいい背中を私は後輩に見せられてるかな」というものだったが、「周りの環境も変わって、たくさんの背中を見送って、やっぱり思ったのは、築き上げてきた人たちの姿になるっていうのは、絶対に無理だなと思ったんですね」。「創業世代」にしかできないことがある一方で、「後からその背中を見ているのは後輩の特権」とも受け止めた。その上で、

 「後輩たちが偉大な先輩たちから受け継いでいるものを、大事に大切に丁寧に、これからも受け継ぐことができる12年目にしていけるように」

と決意を新たにしていた。

 11周年記念コンサートは11月28日にも福岡サンパレス ホテル&ホール(博多区)で開かれる。


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