こ~んばん~わ
櫻坂46の土生瑞穂が8月22日に、公式ブログの中でグループからの卒業を発表した。
『装苑 2023年1月号』
ブログによれば、「頼もしい二期生、可能性しかない三期生 この先も櫻坂46の未来を彩る事が出来る そんな後輩の存在があり、いつの間にか安心していられる場所になっていたり」(※1)と後輩の存在の大きさを挙げ、「ここからの新境地を表現者として自ら切り開いていきたい」と今後の目標を明かしていた。卒業時期は11月25日にZOZOマリンスタジアムにて開催される『3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』とアナウンスされており、同ライブの中に卒業セレモニーが組み込まれることが予想される。
土生の卒業発表によって、残された一期生は4人。欅坂46結成初期から約8年にわたってグループを支え続けてきた一期生もいつしか数えるほどしかいなくなる。土生はこの8年を振り返って『EX大衆 2023年7月号』(双葉社)では、「短かったな、と思います。目の前のことで必死でした」と話しているように、欅坂46というグループは喜怒哀楽、そして紆余曲折を経て、どのグループよりも険しい道のりを猛スピードで駆け上がってきた。2020年には櫻坂46へと改名し、今年に入り新たに三期生も加入したことで、現在のグループは明るい未来へと向かっている。各雑誌やWEBメディアのインタビューの中で土生は後輩の成長を常々口にしていた。改名を乗り越え頼もしく成長した二期生、そして才能に溢れた三期生。彼女たちの存在は土生が卒業を決めるきっかけとなったのだろう。
グループの初期から土生は171.6cmという恵まれた身長を活かして、モデルとしての道を切り開いてきたメンバーだった。2015年に欅坂46が結成されてから、まだどのメンバーがどういう方向性に進んでいくのか定まっていなかった時期に、土生は先んじて『GirlsAward 2016 SPRING/SUMMER』にグループから唯一モデルとして出演。その後も『GirlsAward』や『東京ガールズコレクション』といったファッションイベントには毎年出演しており、欅坂46そして櫻坂46のモデル担当としてグループを牽引してきた。
2018年からは『JJ』の専属モデル、2021年には『CLASSY.』(ともに光文社)のレギュラーモデルと立て続けに抜擢されると、そこからモデルとして一気に脚光を浴びる。2022年7月10日に放送された冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系)では「ファッション オシャレな人ランキング」の1位に土生がランクイン。上村莉菜は「いろんな色や形のお洋服を着ていて、私服でもレッスン着でも毎日オシャレ」、守屋麗奈は「土生さんってお洋服も全部オシャレ」とメンバーからも称賛を受けていた。土生のファッションセンスはメンバーのみならず女性ファンからも注目されており、それが顕著に表れているのが2021年に開設したInstagramだ。アイドルのInstagramと言えば、かわいい自撮りを投稿するのが一般的ではあるが、土生はファッション雑誌のスナップ写真を切り取ったかのような、洗練された自撮りを投稿しているのが、ファンからも好評のようだ。土生は「『自分がどういう表情をしているか』とか、リアルな自分の姿が見えるので、『ここを改善したい』『もうちょっと肩に筋肉をつけた方がいいかな』と欲が出てくるんです。自分を客観的に見ることができるのでいい刺激になっています」とモデル活動の一環としてInstagramを活用していることを明かしていた(※2)。同性からも憧れられるクールでおしゃれな新しいアイドル像を提示していたのが土生だった。
とはいえ、バラエティ番組では突飛な言動でMC陣を困惑させるなど、天然な一面もあった。欅坂46時代はバラエティに対して消極的なメンバーが多く、土生もその例に漏れず自分から発言をすることは少なかった。しかし、2019年には現在の冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』の前身番組である『欅って、書けない?』(ともにテレビ東京系)において「最近なんか変 土生の生態を知ろう!」と題してこれまでの土生の謎発言がフィーチャーされ、“ハーブさん”という新たなキャラクターまで登場した。最近では『そこ曲がったら、櫻坂?』の中で二期生の増本綺良が率いる「キラキッズ」のメンバーに加入していることが明かされ、スタジオの笑いを誘ったのも記憶に新しい。後輩との壁を作らずにフラットな姿勢で接してきたおかげで、後輩は伸び伸びと活躍できているのだろう。
こうした自身の姿勢の変化について、土生は「櫻坂46の魅力をもっとたくさんの方に知ってもらいたいという思いが強くて、そのためには色んな場所で活躍する必要があるなと考えています。グループとしてのパフォーマンスを磨くことはもちろんですが、バラエティー番組などの個人の活動を積極的に頑張ることで色んな場所で目に留まっていただけるんじゃないかと思っています」と語っていた(※3)。最近の櫻坂46はバラエティ力が上がってきたと言われることが多いが、これはひとえに土生をはじめとした一期生のメンバーがグループのために尽力してきたからに他ならない。
土生がこれまでのアイドル人生の中で一貫して語ってきたのは「ひとりの人間として好きになってもらいたい」ということだった。この言葉は土生という存在を表しているように思う。卒業前には「昔から、年齢を重ねることを楽しんでいる方に憧れがあって。未来を楽しむために、いまはいろんなものに触れて自分の感性を磨きたいと思います」と明かしていた(『EX大衆 2023年7月号』より)。土生にとってアイドルは目標ではなく、この先の長い人生の通過点と捉えているのだろう。誰よりも好奇心旺盛な土生であれば、この先どんな活動であっても、自分らしく楽しみながら活動できるはずだ。まずは初の野外スタジアムワンマンとなる『3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE』でアイドルとしての集大成を見届けたい。
※1:https://sakurazaka46.com/s/s46/diary/detail/51979?ima=0000&cd=blog
※2:https://mainichikirei.jp/article/20211009dog00m100000000c.html
※3:https://mdpr.jp/interview/detail/3602341
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