少し前、まだ抗がん剤したばかりのとき
「こそあど会話」が多かった。
お嬢と話していて
私「あ、あの俳優さん…なんていったかな…ほら、あの…
少し昔の学園もののドラマの先生で、頭がモジャモジャした…」
とか、
私「あ、ほら、あの、あれを買わなきゃ!ほら、黄色の薬局のとこにあるやつ…」
とか、やたら、あれとかあのとか言っていた。
普通なら通じないけど、やたらお嬢が推理力あるらしくて
お嬢「…それは○○かなぁ?」
私「あ、それそれ!」
なんてやっていた。
抗がん剤の副作用に、物忘れみたいなのもあるようで…
極め付けが
お嬢「なんかマンガもそうだよね?悪い奴ってパターンみたいのがあるよね?」
私「あー!そうだよね。なんかハ行とかでくるよねー」
お嬢「え?なに?どういうこと?」
私「…あ、あいつもそうだよね…
あの、寒い時期にくる奴、…ほら、赤いやつで!…なんていったっけ?…東北地方にいるやつ…
あの、あれ、追い剥ぎみたいな感じのやつ」
お嬢「え?怖い!追い剥ぎ?…え?それって『なまはげ』のこと?東北地方の人に怒られるよ!」
私「あはは、それそれ!あ、悪い人じゃないか…あ、赤い奴っていったら、あれもハ行でくるね!
あれ、なんだっけ?」
お嬢「え?怖い!」
私「あの、頭が丸いやつと争ったりする…あ、赤いのは良いもんだ。で、黒いやつが…あ、ばいきんまんだ!」
お嬢「…子供の敵になるよ、ママ」
私「あ、もひとつあった」
お嬢「なに?」
私「あれ、ほら、年末にホーホー言ってやってくる赤いやつ!…」
お嬢「サンタクロース?世界を敵にまわしたよ!」
一番悪いやつは私?(;^_^A