[まちのワークアラウンド]封鎖の表現

2020-06-30 | 野良サイン以外
「ワークアラウンド」と呼ばれるものがなんだか好きです。ソフトウェア開発の世界で使われている用語のようなのですが、日本語で言うなら「応急処置」「暫定対処」といったところでしょうか。

ワークアラウンド(英: workaround)とは、コンピューターにおいてシステム上で問題が発生した際の応急措置のこと。一時しのぎに過ぎないので後々抜本的な対策が必要となる。
ただしその場しのぎだから悪いということではなく、ワークアラウンドを考え出すにしても、根本的対策を考え出すにしても、創造性や発想の転換が要求されることは変わりがないということが多い。
ワークアラウンド - Wikipedia(2020年6月30日 00:07 閲覧)

例えば「アプリになにか致命的なバグが発生してしまい、ある機能が使えなくなってしまったのだけど、こういう手順を踏むことでとりあえずバグを回避できる」というときの「こういう手順」部分のことを指す言葉、ということになると思います。

このブログで扱ってきた「野良サイン」も、ワークアラウンドのひとつかもしれません。
「駅構造のわかりづらさ」や「工事などによる一時的な変更」などが原因で、公式のサインだけでは情報を伝えるという機能を全うできないことがあり、それを取り急ぎなんとかするためのワークアラウンド(=工夫や対処)が野良サインであると言えそうです。

「野良サイン」を起点に考えると、自分の視野を(駅の外やサイン以外のものにも)拡げてくれそうな言葉ですね。



今回は駅から外に出て、町を見渡して「これもワークアラウンドか……?」と思ったもの、特に「封鎖」を表現しようとしているワークアラウンドを見ていきます。



例えばパイロンやコーンバーのような専用の什器がなくても、養生テープさえあればとりあえず封鎖を表現できる。





コインパーキングで観測できる封鎖大三角形。あくまで一時的なのもなのでテープで事足りるのでしょうね。

パイロンよりも大きく、かつ立体的に空間を占有することができて、今ここは使えないぞということを視覚的にアピールすることが可能。



これもコインパーキング。ひとつ前の事例でもそうだったが、テープによる大三角と併せてパイロンも置いてあり、二重に封鎖を伝えようとしている。



私有地の入口。空間に対して全然長さが足りておらず「半封鎖」くらいになっているのもかわいいし、手持ちのグッズなのか、台車とコーンバーを組み合わせてなんとか封鎖を行おうとしている……という感じもかわいい。



「封鎖」からは離れてしまうけれど、壊れたガードレールの棒部分を補うためにテープが使われているケースは時々見かけます。修理・交換までをしのぐためのワークアラウンドと思いますがガード機能は期待できなさそうです。