「野良サイン」の存在を意識しはじめたのが2008年で、当時「野良サインを探しに行く」という目的で最初に出向いた先が、巣鴨駅でした。
「高齢者が多そう」という漠然としたイメージから、きっと客層に沿ったかたちの野良サインが見られるのではないか……という期待があって、それで行きました。
山手線で移動して巣鴨駅で下車。ホームから階段をのぼった先を見渡すと、早速というか期待通りというか巨大な貼り紙が。でかい〜〜!
巣鴨駅(JR)・2008年12月
横断幕状のでかい野良サイン
巣鴨駅は「JR山手線」と「都営地下鉄三田線」の2つの路線が交わる駅なので、乗り換え関連の情報のニーズは高そう。
巣鴨駅(JR)・2008年12月
「大人の休日倶楽部」の広告も手作り横断幕!
野良サインたちに誘われるようにして、都営三田線の方へ降りていく。
こちらも期待を裏切らない野良サインの数々でした……。
巣鴨駅(都営交通)・2008年12月
公式サインの文字サイズと比べると何十倍あるんだろう……というでかさ
当初想定していた「とげぬき地蔵」関連の案内よりも、「入口」「三田線はこちら」「きっぷ売り場」という内容の掲示がとても目立っていた。この駅には「出口専用の改札口」というのがあって、そのせいか「入口」への誘導が強めになされているみたいだった。
勘亭流のフォントが多用されていているが、色はほとんどが白黒で少し落ち着いた雰囲気でもある。
この三田線のほうの野良サインたちがなんだかとても印象的だったので、その後も巣鴨近辺を通るたびに駅の様子を見に立ち寄りました。
巣鴨駅(都営交通)・2013年4月
公式サインは新しくなったが、「この先/入口」の白黒野良サインは健在
巣鴨駅(都営交通)・2013年7月
……と思ったら、あたらしい貼り紙に差し替えられてしまった
2013年4月〜7月のあいだに白黒の野良サインから、緑色の野良サインに差し替わっていました。作り手の方が変わったような感じもします。
背景の緑色はオフィシャルのサインデザインに倣ったものなのかな。あと今回はラミネート加工もされていて耐久性が高くなりました。掲示場所がドアなので以前のものは破けたりもしていましたが、改善が図られた感じ。
巣鴨駅(都営交通)・2019年5月
まだありました
出口専用改札の周辺はこんな感じ。
巣鴨駅(都営交通)・2009年11月
巣鴨駅(都営交通)・2019年05月
タイル壁の「出口専用」は退色しつつも健在。
そして右側の柱には新たな小さめの貼り紙も。勘亭流スタイルのものではなくなり、前任者の不在をますます感じさせます。すこし寂しい。
巣鴨駅(都営交通)・2008年12月
一番最初に見に行った日のA3出口。駅名標の前にどんと柱が立っていて文字が隠れてしまっているこの状況も、サインシステムが本来意図した姿ではないという点で野良サインと言えるのでは……?とか思いながら撮りました。
こういうものも含めてしまうといよいよ定義がしづらくなる感じはありますが、そこは今も曖昧ですね……。