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<アーカイブ99>IT不振の訳:④.IT業界を救う「GeneXus」を知っていますか?2014/4/22掲載

2015年05月15日 10時51分37秒 | IT
このシリーズは前回8/20の「曲がり角のweb広告を革新する!に続き第五弾となりますが、今日はソフトをofficeで作成する文書のように社員が自ら開発仕様を入力すれば、自動的にバグの無いプログラムを即座に生成してくれる夢のような革新ツールである「GeneXus=ジェネクサス」の話題です。南米ウルグアイのアルテッチ社が人口知能向けの言語Prologで1990に初版リリースしたこの夢の開発ツールは欧米には相当の実績があり世界で7万人以上の技術者を輩出しているが、何故か日本のIT企業は頑固に受け入れないのです。

「短納期で低コストという開発ツール」はこれまでも「CASEツール」など山ほどありましたが、これらとは全く違う人工知能搭載で完成度の高いツールです。特筆すべきはDB設計領域まで自動生成出来ている事で、これでこれまでシステムエンジニア(SE)と呼ばれる大学や専門学校でプログラミング技術を習得した人にしか出来なかった企業システムを普通のスタッフでも開発する事が出来るのです。SEの方ならDB設計が不要という革新がどれほどのものかお分かりと思いますがそれはもう夢のツールなのです。

私はこの「GeneXus」を2006年に知り半信半疑で検討した所、基幹業務にも十分に採用できると判断して当時のコンサルクライアントの小田原鈴廣に推奨しました。急なweb化の必要性からそれまでのVB開発を止め全面的に「GeneXus」ベースで再構築する鈴木社長の方針が出てこれまでもう6年程コンサルを続けています。結局、設計デザインは小生(日本システムデザイン)で、GeneXus開発は当時の顧問先の㈱ウイングに依頼し、結果は大成功だと思います!今、鈴廣の情報システムは生産~卸~小売~通販~レストラン等のグループ7社の全ての業務システムを3人のGeneXus開発担当で賄い、追加開発も殆ど内製化し大きな成果を得ています。業務に熟知した社員が自分達で仕様を決めソフトを開発しているのは、これまでの外注によるコストと納期のストレスの無い幸せな光景です。この「GeneXus」の詳細はITProの記事をアンカークリックで参照下さい!尚、この際に今はクラウドで超有名な「VMウエア」も採用し仮想化サーバを稼動させてこれも成功の要因でした。
尚、現在はバージョン10となり、基幹業務とシームレスなスマホ用アプリも自動生成出来るし、BIツールもオプション利用可能です。

さて本題ですが、これだけの革新ツールが日本のIT企業に採用されない理由は次の通りですが、今の日本の政治や企業経営問題と同じ体質が見えてきます。

1、ソフト開発工期を半減し、コストは1/3も有るという余りの革新性に疑心暗鬼になり頭から不採用の理由探しをして潰してしまう。

2、1/2~1/3の工数削減と言われ単純に受注売上が減ってしまう事を恐れ採用しない。(これは受注金額を半分にしても十分な利益が出ると言うポジティブシンキングであるべきで、受注も集中するので拡大します!)

3、ユーザ負担が無く開発側だけがツールを購入すればよく、しかも1ユニット200万円位(年間保守料65万)と安いので返って不安になり十分な評価をしないで見送る。

4、当初話題になった時に、十分使いこなしていない利用者の「不便だ!」の声を鵜呑みにして採用を断念。

いずれにせよ今の「日本人の事なかれ主義」はIT業界にも蔓延していて「ソフトを中国等アジアの低賃金国に外注するリスクの高い「オフショアー」に注力する等は本質を見ないで取り敢えずコストダウンという稚拙な戦略です!もし日本のITにこの「GeneXus」が定着していれば、企業の内製化比率が向上してより貢献するシステムが低コストで実現する事でIT産業は大きく活性化し今日の寂れた状況は回避できたでしょう!又、ユーザ企業も活力のある情報システムを容易に実現できて企業復興に貢献したと思います。


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