新入生の皆さん 入学おめでとうございます。本日ここに228名の新入生の入学を心から歓迎いたします。
保護者の皆様、高いところからではございますが、お子様のご入学を心からお祝い申しあげます。おめでとうございます。
本日は、大阪府教育委員会より、北田 千秋 様、PTA会長 西本悦子 様をはじめ、PTA役員の皆様の御臨席を賜り、
厳粛な中にも心温まる入学式が挙行できますことは、大きな喜びであります。御臨席の皆様に心からお礼を申しあげます。
さて、皆様もご存じのように3月11日に東日本に未曽有の大震災が発生いたしました。亡くなられた方々のご冥福を
お祈り申しあげますと共に、被災された皆さま、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申しあげます。そして、一日も早い復旧復興をお祈り申しあげます。
今日本は政治や経済においても、本当に危機的な状態にあるといえます。新入生の皆さん、今日から野崎高校生としての生活が始まります。
一人ひとりが自分たちの役割をしっかり自覚して、前を向いて生きていかなければなりません。
本校には、いろいろな障がいのある生徒や様々な国籍を持った生徒や年齢の違う生徒たちもいます。その一人ひとりが自分自身を輝かせながら、共に学び活動しています。
皆さんの中には不本意ではあるが、本校を選択したという人もいるでしょう。しかしながら、今日から皆さんは野崎高校生として同じスタートラインに立っています。
これからの3年間をどのように過ごしていくかということで、今後の人生が大きく変わってきます。
高校生活は人生の中では、ほんのわずかの年数でしかありませんが、皆さんが大きく成長され、身も心も大人へと脱皮していく最も大事な時期であり、
しかも自己実現を図るためにも重要な意味のある三年間となるはずです。
現在高校教育を取り巻く現状は決して楽観的なものではありません。多くの学校で、いじめ、不登校、
学習習慣の欠如、中途退学等の課題を抱えています。本校においても例外ではありません。
そのような中で、本校は、命の大切さを自覚し、他者への思いやり、やさしさを持った心豊かな生徒、自らの将来を設計し、自己実現に向けて努力する生徒の育成を目標として、
教職員が一丸となって、生徒が安心して生活できる学校、生徒の自己実現を支援する学校、地元に愛され、信頼される学校づくりを推進しています。
これらのことが、真に実効あるものとなるには、君たち生徒諸君の真剣な取組みと保護者の皆様のご理解・ご支援が不可欠であります。この場をお借りしてご協力をお願い申しあげます。
この学校を自分にとって最も良い学校になるよう、是非ここを母校として頑張るという決意をもって高校生活を踏み出していただきたいと思います。
そうした決意を持つことによって、学習の成果もあがり、より有意義な高校生活を送ることができると信じています。
そこで、新入生の皆さんに心掛けて欲しいことについて二つ申し上げます。先ず一つ目は、皆さんが過ごす、ここ野崎高校は、「大人になるための練習する場所」です。多くのことに挑戦して
体験を積み重ね、成長を続ける場所として高校は存在します。
約700名が生活する、大きな集団です。決まり・ルールを守ることがまず求められます。高校は義務教育ではありません。「努力を怠る者、義務と責任を果たさないものは、高校生活を続けられません」とはっきり申しあげます。
本校での生活を思いっきり真剣に取り組んで行こうとしている生徒には、私達は惜しみない支援を約束します。一方で、努力をしたくない、義務や責任を果たしたくない。勉強も部活動も中途半端、生活態度もいい加減といった
生徒にとっては、結果責任を厳しく問います。
保護者や私たち教職員は君たちを支えはしますが、なんとかしてくれると甘えた考えはすててください。良いことは良いと最高の賛辞をもって報います。逆に、悪いことは悪い、ダメなことはダメと厳しく叱ります。
これが本校の姿勢です。中途半端やいい加減な姿勢を認めていく甘さはありません。
次に学習・勉強のことです。真面目に、そして地道に努力を続けてください。勉強には半ば強制が付きものです。人間はともすれば安易で楽な道に走りたくなります。毎日集中して学習する時間が0時間の人と1時間の人の差は、
3年間で約1000時間という大きなものになるのです。
さまざまな情報や暗いニュースが飛び交う中、何が真実で本当のことなのかを判断し、行動に移すのは、皆さん一人一人の知性と教養と勇気の有る無しに掛かっています。本校で良き人と出会い、体力と気力を併せ持つ人となるよう、
日の生活を積み重ねていきましょう。心から期待しています。
最後になりますが、保護者の皆様にお願いします。お子さんの成長について、皆様と私ども学校と、力を合わせながら進めていきたく考えております。どのようなことでもご相談とご連絡をお願いします。皆様方のご意見・情報を真摯に
受け止め、誠実に教育にあたってまいります。
私たち教職員は、この野崎高校で働くことに揺るぎない誇りと情熱を持っております。どうぞ、ご理解と絶大なるご支援・ご協力をお願い申し上げ、式辞といたします。
平成23年4月8日
大阪府立野崎高等学校長
下川 清一