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(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

逆小手

2024年10月22日 | 柔法

備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。

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「逆小手◯年、送小手●年」という事を、多少数字は異なりつつ何度か聞いた気がしますが、何れにしても「SKの基本技術にして、マスターするのは中々難しい」という意味だったと思います。

逆小手は旧・科目表では5級科目であり、最初に習う龍華拳です。龍王拳である小手抜は、その前の6級科目で出ています。5級で早速逆小手が出てくるというのは、そこで使いこなす事を期待しているというより、SK柔法の一大潮流である「逆小手系」に早く触れさせ、小手抜-逆小手を1級違いで連続して修練させる事で「龍王拳は龍華拳の母技である」というSKの大原則と、漸々修学の面白さを解ってもらおう、という意図なのだと思います。

出来るか出来ないかはともかく(大部分の者が実際出来ない訳ですが)、逆小手を教える上で大切な要点というと、①足から入る・②基準線を作って崩す・③その儘直ちに金剛拳(前指固)に移行する、という事ではないでしょうか。

SK柔法にとって最も重要な技法である「鉤手守法」は既に小手抜で出てきてます。それを更に修練させ、鉤手守法までは両技は全く同じである構造を理解させます。そもそも抜けなければ(=小手抜が通用しない相手では)、逆小手など出来る筈がない。まず小手抜なら出来る、いざとなればリリース(龍王拳)は可能である、という自信と安心感の上に、相手を捕まえる・取り押さえる技法である龍華拳がある訳です。

目打ちから正しい掛け手の位置、深過ぎず最初は掛けるのみで握り込まず、掴まれた方の腕を用いて攻者の手首を返し基準線を作ります。基準線とは何かを教え、何故基準線を作る必要があるのか、それを人間が倒れる原理を逆算することで説明します。

即ち、人間はお腹を上・背中を下に引っ繰り返されたら立っていられない。←肩を前に引き出すことで引っ繰り返す事が出来る。←肘を攻める事で肩が回る。←手首を殺し大拳頭を攻める事で肘が出る。詰まり基準線を作って大拳頭を肘方向に攻める事で、攻者の上体は回転し立っていられなくなる、という事を理解させます。

彼らが出来るどうかはともかく、ここではとにかく出来るだけ技を掛けてやり、人間が倒れる原理を体感してもらう事が大切でしょう。成る程こう攻められたら立っていられない。どうやったら自分もこういう風に相手を攻められるだろうか、と考えてもらう事が大切です。おそらく柔術系武道の最大の愉しみはここにあるでしょう。

最低限の基準線の作り方を理解してもらったら、次に典型的な失敗例を理解してもらうのがいいでしょう。逆小手で最も多い失敗例は「大拳頭を攻め続けられず、投げようとした際に肘関節が伸びてしまう」というものです。上述の通り逆小手は「大拳頭を攻め続ける事で肘が出てきて上体が引っ繰り返り倒れる技」なので、どこかで力の方向が変わった=攻める方向を間違えたという事になります。

大拳頭を攻めて攻めて攻めて攻め続けたら、肘が出て倒れました、という風でないといけないのです。ところが足を差し替えて、反対の脚を引いて転回しようとした際に、大抵拳頭への攻めが無くなり作りの部分を引っ張り込もうとしてしまいます。それで(基準線が失われ)肘関節が伸びてしまうのですね。

6級・5級では実際には逆小手は出来なくても全然構いません。正しい形を頭の中で理解出来てさえいれば、そこに向かって努力する事が出来ます。演武では攻者と協力して「正しい形」のシミュレーション・デモンストレーションを行ないます。これは成功体験の刷り込みになる訳です。だからおかしい形でやっている組を放置してはいけません。悪い刷り込みになります。

【宗門の行としての少林寺拳法】龍華拳 逆小手 金剛禅総本山少林寺 公式YouTubeチャンネルより


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