(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

流水蹴(後)

2024年10月19日 | 剛法

備忘録、という事で今まで少林寺拳法(以下SKと略す)について考えてきた事を、自分がボケる前に記しておこうと思うのですが、ブログの説明に書いてある通り、

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

SKの技について考察はするのですが、もし本部の公式見解と矛盾していたら、私の方が間違っていると考えて頂いて差し支えありません。個人の備忘録ですから。。

     ◆     ◆     ◆

流水蹴は前後2形あり、流水蹴(後)はよく「後ろ流水蹴」等とも呼ばれます。旧科目表では6級科目で最初に習う法形、即ち一般部ではSKで最初に習う技でした。(少年部は8級から始まるので、最初の技は流水蹴ではありません)

顔を殴ってくるという一番わかり易い攻撃に対し、体捌きでよけ、カウンター気味の順蹴で反撃する、というSK剛法の基本思想が詰まった法形とも言えます。

基本的な考えをまずこの法形で学ぶという事でしょうか。かと言って、決して簡単な訳ではありません。昔の偉い先生方は「護身なんて<流水蹴>をマスターしたのならそれで足りる」と言ったとか言わなかったとか。

とは言え、流水蹴は「流水受け」という特殊な体捌きで上段突をよけます。私は流水受けとは反り身・横振身・屈身が合わさったものだ、と習いました。本部の新井先生は流水蹴(後)を後足体重によけて順蹴返しする技全てのベースと考えておられる様で、上受蹴の体捌きもどこかで「流水受け」とおっしゃっていたと思うのですが(違っていたら済みません🙇‍♂️🙇‍♀️)、私は上受蹴の体捌きは反り身と習いました。流水受けは斜め下への沈み込みを強調したやや特殊な、上段をよける事を強調した体捌き、と認識しています。捻り過ぎると体が横を向いてしまうので、注意が必要です。

流水受に関してよく言われてきたのは、「前の肩を顎の前まで持ってくる」(=そうすると良い<流水>の形になる)、「流水受の際は前手をやや高めの一字にして攻者の蹴り(二撃目)に備える」の2点です。指導の際は、この2点は出来るだけ伝えるようにしています。

流水蹴(後)の修練とは、「そこまでよけんでも」という位大きく上体を逃し、軸足で屈身した、その苦しい体勢であえて蹴り返す訓練、と認識しています。

「受けた体勢でその儘蹴り返す」というのは、SKの蹴り返し技に共通する大きな特徴です。なので指導は、蹴り返しの際に蹴り体勢を作り直したり余計な体重移動をさせない事に留意します。

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「<流水蹴>をマスターしたならそれで足りる」というのは、<対の先> 更には<先の先>を目指さなければならない、という事にもよります。

流水蹴は多くの拳士の演武にも取り入れられていますが、子供の演武では多くは蹴りが遅くて、実際には攻者に蹴り返しをよけられてしまいそうに見えます。一般の演武では蹴り返しを速くしようとして攻者の突きより先によけ始めていたり、間合いが切れたりする事が多いと思います。

やや前足体重に誘っていいと思いますが、攻者がいま守者の顔面がある場所を突き始めて、その動作がもう引き返せなくなったタイミングでよけ始め、突き動作が完全に終わる前に蹴り返しをもうよけられない状態になっていなければならないのです。

詰まりそれが<対の先>ですね。

その究極の形は「実際にはまだ突きが出せてもいないのにもう蹴りが入っている」という状態で、これを待ち蹴と言うのではないでしょうか。待ち蹴というともう<先の先>、攻撃を読んでいる、という領域ですね。(三段科目にもありますが、やるとなると実際には難しいのです...)

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さて演武構成を流水蹴(後)から始めるとなると、ちょっと大変ですよね。上受蹴もそうですが、後ろ足体重によけて順蹴で蹴り返すとなると、蹴りを極めた後、その儘十字足退がりで後ろに間合いを切るのが楽です。

しかし演武構成が続くとなると、連反攻から次の法形に繋げる為に前に出なくてはなりません。これが最近はしんどくなりました(汗)。私が自分で構成を作るなら、順蹴り返しの流水蹴や上受蹴は、構成の最後にして、大きな気合いで相手を仕留め、十字足退がりとしたいです。「構成の最初を流水蹴にしなきゃダメ」と言うなら前流水にしますね。

まぁ流水蹴(前)も、逆蹴蹴り返し技の中では前に出て連反攻しづらい技だと思うのですが、それはまだ「流水蹴(前)」の項の時に。。。

【宗門の行としての少林寺拳法】仁王拳 流水蹴 金剛禅総本山少林寺 公式YouTubeチャンネルより


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