(た)のShorinjiKempo備忘録

※注:本ブログは(た)個人の見解に基づいており、如何なる他の個人・団体の見解を解説・代弁するものはありません。

各種講習会!@上板橋体育館

2025年01月27日 | 少林寺拳法
1月19日の日曜日、上板橋体育館で第2回の「次世代リーダーセミナー」が開催されました。今まで本部主催の「次世代云々」というと若手指導者に向けたものがあったと思うのですが、今回のは小中高拳士が対象で、多くの子ども達が集まりました。
東大拳法部などの大学生が指導側に回り、非常に楽しい講習会になったようです。

そこでは都連の錫杖研究会の発表と、錫杖体験会も行われました。
現在の錫杖研究会は、確か2016年頃にB藤先生やS木先生が中心となって始められたのではないか、と記憶しています。私も設立当初、武専終了後か何かで行なわれていた修練に、2−3回参加させて頂きました。その後、継続参加は出来なくなったのですが、研究会は活動し続け、2023年の世界大会 in東京でも修練の成果を披露されていたと思います。
錫杖は肩腰をよく返さなければならないので、SK徒手の体捌きにとっても非常に良い修練だと言われています。長得物を振り回すので、相対バランスの修練としても良いのではないでしょうか。

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当日は別会場で、考試員講習会も開催されました。
これは考試員(昇級・昇段審査の試験官)を対象に、考試に於ける要点を再確認する為の講習会でした。考試員は資格更新の為に、毎年都道府県単位で開催される考試員・審判員講習会を全員受講しなければならない決まりになっています。しかし毎年の講習会で同じ事を指摘されても、受験者に毎回同様の間違いが見られるという、謂わば試験の「鬼門」もあるようで、そうした細かいところをもう少し突っ込んで確認しよう、という講習会でした。

考試員は自分の所属では指導者である訳で、受験者は毎回入れ替わる訳ですから、何度も指摘される間違いを改善させる為には、指導者が学ぶ必要があります。考試の視点を確認してそれを指導に反映させ、正しい技が出来る受験者を送り出して欲しい、という趣旨でした。私のブログの趣旨にも非常に(というかまさに)マッチする内容でした。
講師のN井先生のお言葉には根本に武的要素(≒護身術・武術・格闘術としての有効性)があり、解り易い内容でした。
ただ、SKの昇級・昇格考試は試合の勝ち負けで合否の判定をしないので、そうすると「覚え」たものを「再現する」という要素が強くなります。この「覚える」という部分で「どれ位武的要素を以て記憶(習得)出来ているか」という事になるのですが、「再現する」の部分にはある程度決まった形(Aならマル、A以外はバツ)が示されてないと評価(判定)が難しくなる、という気はします。。

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都高校新人大会

2024年11月06日 | 少林寺拳法

文化の日の3日、立川市にある都立砂川高校の体育館で、少林寺拳法(以下SKと略す)の高校新人大会が行われたので、見学させていただきました。

これは12月に千葉で行われる関東高校選抜大会や、来年3月に岡山で行われる全国高校選抜大会の予選会でもあったようです。今年最後の大きな大会でもあり、出場した高校生拳士達は真剣そのもの、白熱した演武を見ることが出来ました。

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一番印象に残ったのは、審判の厳密さです。通常の演武大会では、同じラウンドの最初の組の演武が終わったら主審・副審がコート中央に集合し、審判の判定基準や着目点を確認するのですが(同一コート内で審判員ごとに著しい偏りが生じないようにする工夫です)、本大会ではそれ以外でも何度か審判に集合が掛かり、直前の演武内容に関する確認が行なわれていました。これは詰まり、演武規定に則った正しい形で行われていたか、の確認をしているのです。

演武には各組が予め指定された同一の法形を入れた構成で行なう「規定組演武」と、拳士たちが自分たちの資格に見合った中で自由に技法を用いて構成を作る「自由組演武」がありますが(通常は級拳士が規定組演武、有段者が自由組演武を行ないます)、特に「規定組演武」について今回は厳密に判定されていたようです。

「自由組演武」では或る程度拳士たちの自由な発想が尊重されるので、規定違反かどうか見るpointは資格違反がないかどうかが主になります。「武的」と表現されますが、格闘技術としておかしくない動きであれば、応用的な技法の用い方も尊重されます。一方「規定組演武」であれば、基本の布陣・構え・攻撃法・反撃法を正しく行なっていたかが、(特に指定法形に関して)厳しく問われる事になります。

単独演武・団体演武に関しても、自由組演武より構えなどの基本事項が厳密に評価されていたようでした。

こうなると見ている私としては、あらためて、

「いやぁ〜審判は大変だ〜」となります。ステージ上の雛壇にいた福家審判長もたびたびコートまで降りて、審判の先生方に助言されていました。

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審判が集まって協議をしていると、当の出場拳士たちは多少不安にもなると思いますが、多くの場合、協議終了後にその当該拳士たちに声掛けをして協議内容を説明したり(「コレコレの規定違反があったから減点になりますね」などと伝えていたのだと思います)、不明点が残っていればそこの部分だけやってみさせていたりしました。こうした丁寧さは観覧している他の部員・ご家族にとっても公正明大な印象を与えますし、配慮されているなぁと感心しました。

(審判を)やる側は大変だと思うのですが。。。

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今回、指導させてもらっている高校の出場選手たちにも入賞者が出ました。

ミニ講習会や合同修練の時間もあったので、他校の拳士たちと一堂に会するだけでも大きな意義があったと思うのですが、頑張っている部員たちが評価されたのは嬉しい事でした。

出場したその時間が楽しかっただけでなく、彼らの長い人生の中においても、自分を振り返り、次へつながるステップになれば、と思います。

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稽古する上での補助教材

2024年10月06日 | 少林寺拳法

<稽古>という言葉と<練習>という言葉があります。<修行>という言葉もあります。

私は一般道場や講習会(「武専」と呼ばれているもの等)での少林寺拳法(以下SKと略す)の修行を、「稽古」と呼んでいます。学校での部活動は「練習」と呼ぶようにしています。

やっている事に違いはないとは思うのですが、一般道場(SKでは「道院」と呼びます)での修行では、社会人がより自発的に目的を持って参加しているという意識、精神修養という意味も強くなると思うので(出来てないですが…)、「稽古」という言い方が妥当だと思います。他武道(剣道・柔道…)でも稽古と呼んでいると思うので「道場でやるなら<稽古>」という感じかも知れません。

一方、学校での部活動は学校教育下でのスポーツ活動の一環として部員たちも集まっていると思うので、「練習」と読んだ方が馴染むような気がします。指導する側としては「稽古」の意識を持ってもらいたいとは思いますが。。 これも、他の運動部は部活動を練習と呼んでいると思うので、揃えているという事もあります。

<修行>といういう言葉ですが、<修業>との違いが話題に出る事もあります。SKでは「しゅぎょう」は「修行」と書くのが正解で、レポートなどに「修業」と書くと減点されます。一つの技術(領域)を根気強く習得しようと頑張る事を強調すると<修業>でしょうか。料理人や職人を目指す事はよく<修業>と表現されます。一つの技術(領域)でなく全人格的・生活一般に向上させようという意識が強くなると<修行>でしょうか。。

<修錬>という言葉もありますね。<修練>は<修行>から精神的要素を除いて肉体の鍛錬を強調した感じでしょうか。すると上記の<稽古>や<練習>も活動自体は<修練>で括った方が、感覚的に収まるのかも知れないですね。

結論、、 言葉って難しくてちょっと面倒臭いですね(笑)。

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さて本題。

SKの稽古の補助教材として、私は写真イラスト付の書籍をお勧めします。これはSKに限らず、何か新しいジャンルに挑戦する時には、初心者にも解りやすく全体像を解説した書籍を一冊、<教科書>として持っているととても良いと思うのです。

なので指導している拳法部員にもそう伝えているのですが、彼らは中々やってくれません。勿論、必要無いならいいのですが、SKは独自の用語も多いし、特に最初は持ってた方がいいと思うのですがねぇ。

じゃあどんな本がいいのかというと、実は余り全力で推薦したくなる良い本はありません(無いのかよ)。現在注文可能な書籍でも、帯に短しタスキに長し、良い点もあれば何だかなぁというところもあります。各個で自分にあった本を選んで欲しいと思います。

既に絶版になった昔の本の方が、良いものが多い気もします(個人的見解)。強いて挙げれば、私は「図解コーチ 少林寺拳法」(成美堂出版)をお勧めします。理由は、技法に関する解説が丁寧で「痒い所に手が届く感」が強いからです。

Amazonでも買えますし、古本屋を当たっても結構手に入ります。

初心者向けではないですが、最近(と言っても5年程前になりますが)新井元会長がメイン解説者となって出版された「少林寺拳法 剛法の秘密」「同 柔法の秘密」のシリーズ(ベースボールマガジン社)も良い本です。本の内容に沿ったDVDも付いていたと思います。   

(画像引用元: Amazon:https://www.amazon.co.jp/  ベースボールマガジン社:https://www.bbm-japan.com/article/detail/2773

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稽古の参考にするというと、現代っ子は専らスマホで動画検索するようです。

身体を動かす事をしている訳ですから、動画は非常に良いようにも思います。しかしネットで出回っている動画にはどうにも技の原則を理解してない奇妙なものも多いですし、動画を見れば自分も出来る訳ではないと思うので、それで良しとするのは寧ろ非常に良くない事だと思っています。

私が入門した頃はまだインターネットも普及しておらず(存在はしてたと思うけど…)、書籍を含め技法を画像で一般に出す事は、「技法の流出」と呼んで本部本山が禁止していました。SKには「教え」と「技法」がある訳ですが、両者は一体なので、片方がダダ漏れになってはたまらないでしょう。私たちも情報の少なさに困っていましたが、「技は師匠から段階的に教わるもの」としてそれを受け入れていたように思います。

存命中は開祖が、その後は本部が許可制作した公式本だけが許されていた訳です。

その潮目が変わったのはまさしくインターネットの普及と、私が思うに海外拳士の勝手なアップロードでした。全世界でSKを楽しんでいる「同志」たちが、良かれと思ってどんどん動画を上げてしまった訳です。その中にもかなりおかしいものがありました。それで本部本山もやむ無しとして徐々に条件が緩和される事になりました。

現在もインターネットに関する指針というものはあります。公式見解と誤解されるような動画は規制されていると思います。しかし普及という事を考えれば、拳士たちからの自発的な発信を非難する事は出来ないでしょう。

何かと言えば本部本山を批判する「ご気楽拳士」も沢山居ますが、上げる側の、本部・技法へのリスペクトと自己批判は忘れてはならないと思います。

 

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西東京大会

2024年10月05日 | 少林寺拳法

先月の23日、保谷にある西東京市スポーツセンターという所で、少林寺拳法(以下SKと略す)の西東京大会が行われたので、見学させていただきました。

SKの大会というと学校の拳法部が集う中高大学などの学生大会の他にも、地域道院・支部が集まって行なう地域の大会がある訳です。県大会・全国大会などもある訳ですが、これは一番地域に密着した大会だったようです。

この大会には初めてお邪魔したのですが、そのレベルの高さには驚きました。

子供から大人まで各資格や男女別に合わせた部門があるのですが、なかなか見応えのある演武でした。SKの大会はそのほとんどが、SKの技を2人組で掛け合って、その技術度・表現度を審判が採点して評価する、演武大会なのですね。防具をつけたりして殴り合ったり蹴ったりする運用法(乱捕り)も、やってる所ではやってるのでしょうけど余りやってないです。

演武というとそこに真実味があるか、技に説得力があるか、というのが見ている者にも或る程度感じられる、バレてしまう訳ですが、この大会ではなかなかの緊迫した演武が見られたので「ほほう」と感心してしまいました。

真剣な子供たちを見ると頼もしく感じますし、女性同士の演武でも普段からの努力が伝わってくるのは見ていても清々しくなります。

子供の指導経験もあるのですが、子供をやる気にさせるのは中々難しくて、お手上げ状態になった事が何度もあります。大会で見た真剣な子供たちとそうした子供たちに、どういう違いがあるのでしょう? 恐らくこちらの指導にも違いがあるのだと思うのですが、一度指導も見学させて頂きたい所です。

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