2009年12月の読書メーター

2010年01月09日 | 読んでみました
12月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2143ページ

ロミオとロミオは永遠に〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)ロミオとロミオは永遠に〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
恩田先生?コレはアリ?というか、恩田陸が森奈津子のコスプレをして平井和正を書いたようにしか見えない…。これが2009年最後に読む作品とは…。下巻での巻き返しに期待。
読了日:12月30日 著者:恩田 陸
悪人(下) (朝日文庫)悪人(下) (朝日文庫)
ボトルネックと同じ読後感。個人的には、この終わり方は読後の余韻を楽しむと言うよりも、モヤモヤするだけというか…。下巻の半ば過ぎくらいには展開に引き込まれていたようで、上巻で感じた泥臭さを感じなくなっていました。良かった…。もう2作くらいは読まないと、作家さんとしての好悪は付けられないカンジです。パレード読むか。
読了日:12月25日 著者:吉田 修一
悪人 上悪人 上
吉田修一さん初読。文体が泥臭すぎる気がしますが、これが持ち味なのか?この人がモーパッサンの翻訳したら大変な事になりそうな…。内容が深い、重い、というよりも、文体が気になってしょうがなかったです。感想は下巻を読んでから。
読了日:12月21日 著者:吉田 修一
小学五年生 (文春文庫)小学五年生 (文春文庫)
小学五年生の気持ちはリアルに書けているのかも知れないし、書けていないのかもしれない。少なくとも自分とは違う、くらいしかわからないし、その感想も場違いな気もするし・・・。リアルっぽいと取るのか、中学生日記的な大げささが含まれていると取るべきなのかも判らないし、この感想もまたお門違いな気もする。作者とそんなに派手に年代が違うわけでは無いので、ノスタルジック色を添加してるのかなぁ…。20年後に読み直すと違う感想なのかも。
読了日:12月17日 著者:重松 清
失われた町 (集英社文庫)失われた町 (集英社文庫)
最後まで読んで気付きましたが、SF作品でした。エピローグ→プロローグと微妙に再読。イマドキの映像化がしやすそうな作品でした。この人の作風(モチーフ、話の展開)は好きなのですが、「となり町戦争」「バスジャック」よりも人物、情景の書き込みは断然多くなっているのにもかかわらず、相変わらず硬質で暖かさを感じないのが不憫です…。文体のせい?作者の狙い通り?何にせよ次回作にも期待です。
読了日:12月15日 著者:三崎 亜記
フィッシュストーリー (新潮文庫)フィッシュストーリー (新潮文庫)
題名からティムバートンの「ビッグフィッシュ」を連想したのは間違いではなかったようで。というか「お礼は、その人のお父さんに」と言われるような父になれるように頑張らねヴぁ。サクリファイスで黒澤さん出たー!と言ってしまいました。伊坂作品はシリーズではないのに、キャラや設定が繋がっていたりするので、お気に入りのキャラが出ると興奮してしまいますよね。そして今村ラヴ。ポテチはオチまで読んで、ジンワリ来ました。伊坂作品は読み返したくなる度も高くて困ります。満足
読了日:12月11日 著者:伊坂 幸太郎

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2009年11月の読書メーター

2009年12月07日 | 読んでみました
11月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:3150ページ

一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)
はぁ、面白かった。「風が強く」のディテール感も良かったけど、本作の主人公への没入感も良かったです。強いて言えばエピローグは無しか、もっとしっかりオチが欲しかったかも。佐藤多佳子さんは「しゃべれども」も面白かったし「黄色い目の魚」の痛々しさも良かった、引き続き読み続けたいです。というか全力疾走したいです
読了日:11月30日 著者:佐藤 多佳子
一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫 さ 97-2)一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫 さ 97-2)
感情移入度の高い作品なのですが、冷静に考えると現代高校生を書いているのに、私の年齢で没入感が得られるのも変かな?と。で、作者の年齢を見ると自分より+10でした。そかそか納得。作者の年代的なものもあるのかも。ていうか谷口萌え!おっちゃんはキュンとしたよ
読了日:11月26日 著者:佐藤 多佳子
一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫 さ 97-1)一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫 さ 97-1)
「風が強く吹いている」を読んだばかり。陸上続くなぁ…。こちらは完全に一人称。最初は主人公の自分語り以外の部分の描写が薄い気がしてましたが、すぐに慣れました。というか、完全に自分が高校生アスリートな気分でした。
読了日:11月23日 著者:佐藤 多佳子
借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)
前作よりも面白かったです。正直、続編を買うかどうか迷っていたのですが、読んで良かったです。前作よりも若干意味がある絡みが多くなったとは言え、相変わらず主人公の恋愛事情は、もし描かれなかったとしても本編に全く影響しないんだろうな、と感じてしまうのがちょっと…。どの話も、ちょっとだけグッと来て良かったので読んで後悔なし。むしろ読まなかったら後悔したかも。
読了日:11月19日 著者:垣根 涼介
風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)
「妄想炸裂」の直後だったので、腐女子展開を心のどこかで期待しながら読んでしまいました…。汚れてるな、俺…。たまに誰の視点か読み進めないと判らなかったりしましたが、物語にはガッツリのめりこみました。面白いです。この人の傷を見つめながら生きる人と、傷を見ていないかのように生きる人の物語は好きだなぁ…。オッサン的には「青春小説を読んだ!」という読後感が得られて大満足。
読了日:11月17日 著者:三浦 しをん
妄想炸裂 (新書館ウィングス文庫)妄想炸裂 (新書館ウィングス文庫)
通勤電車で読むべきではないな。ニヤニヤしっぱなしでした。マスクしてて良かった…。腐女子全開のエッセイは快感だけど、これは本当にどれくらいの層に好意的に受けいられらるのでしょうか…。同志としては、毎度、若干心配してしまいますが…。あ、ちなみに駅伝妄想のオチが知りたくて直後に「風が強く吹いている」を読み始めました。
読了日:11月12日 著者:三浦 しをん
ボトルネック (新潮文庫)ボトルネック (新潮文庫)
「もし自分がいなければ」。問いかけ自体はとりたてて珍しいものではない。主人公の年代、同じく生きる事の意味を感じられない状態の自分だったら、もしかしたら物語に飲み込まれていたかもしれない。という位に痛々しさ全開の作品。嫌悪感を感じつつも先を読み急いでしまいました。好悪とは別に納得出来る、出来ないで、その人の健全度が計れそうな…。良作、ただし心身が健全な状態で読むべし、ってカンジか。
読了日:11月09日 著者:米澤 穂信
太陽系最後の日 (ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 1) (ハヤカワ文庫 SF ク 1-45 ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラ)太陽系最後の日 (ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 1) (ハヤカワ文庫 SF ク 1-45 ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラ)
クラーク先生の作品は面白いなぁ…。やぱしアシモフ博士、ホーガン先生と同じく、科学的な考証っぽさが前面に出ているのが好みなのかも。ちなみに「守護天使」はず~っとアシモフ博士の作品だと思ってましたが、冷静に考えると「地球幼年期の終わり」の原型なんだからクラーク先生なのは自明か。というか「守護天使」どっかで読んだな、と思っていたのですが「幼年期の終わり」を読んでました。完全に忘れてた。
読了日:11月04日 著者:アーサー・C・クラーク

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2009年10月の読書メーター

2009年11月03日 | 読んでみました
10月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2574ページ

神様のパズル (ハルキ文庫)神様のパズル (ハルキ文庫)
神様と題名につけるためには「フェンデッセン」に触れねば為らぬのか。というワケで昔読んだ気はするのですが、手持ちのハミルトン短編集「反対進化」「眠れる人魚の島」を探してみました。が、やはり収録なし。無念。天才主人公穂瑞のモラトリアム期間突破の糸口として設定された「宇宙は作れるのか?」というお題。ネタ的に「終わりなき平和」「創世記機械」「万物理論」を彷彿とさせますが、こちらは完全な学園モノ。SF部も青春部も、もっと厚く書いて欲しい気もしますが、サラッと書かないと破綻するネタだしねぇ…。別の作品も読まねば
読了日:10月28日 著者:機本 伸司
マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA)
マルドゥックヴェロシティを読み終わったので再読。スターウォーズ的な表現を使うとエピソード6か。印象的というより、既に変質的な域に達しているブラックジャックの描写は何度読んでも圧巻。ボイルドとのラストバトルもそのままの勢いで乗り切った感。しかし、続編を読み終わった後に読んでも、物語の破綻が殆ど無いのが凄い。そして、こちらの方が凄いかも、と思わせる文章力。うむ。再読してよかった。大満足
読了日:10月25日 著者:冲方 丁
マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA)
マルドゥックヴェロシティを読み終わったので再読。楽園とベルウィングがこんなにも印象的なのに、3巻読み終わった後の自分の記憶には殆ど残っていなかったのが驚き。やはりバロットの成長譚として読んでしまうなぁ…。ヴェロシティを読んだあとの方が、楽しめる気がします。
読了日:10月18日 著者:冲方 丁
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA)
今更ながらマルドゥック・ヴェロシティを読み終わったので、5年ぶりに再読。初読の時は文体とバイオレンスに目が行きましたが、ウフコックとボイルドの関係を知ったからか、再読だからか、父になったからか、バロットの心理的な成長譚として読んでしまいます。というかヴェロシティの方が文章が上手い気がしてたけど、スクランブルの時点で既に完成されている感。あと、菊池秀行か、山田風太郎か、という表現を使いたくなるくらいにフリークス多すぎ。面白いけど。あとバロットの体術は「マトリックス」というよりも「リベリオン」のガン=カタかと
読了日:10月11日 著者:冲方 丁
神は沈黙せず〈下〉 (角川文庫)神は沈黙せず〈下〉 (角川文庫)
下巻は物語を回すことがメインになったせいか、上巻のようなウンチクまみれになっていなかったのがザンネン。個人的にはオチをつけずにもう一冊分くらいウンチク詰め込んで欲しかったです。物語全体としては非常に面白かったのですが、オチが普通すぎた…。到達するまでの過程が全てという事かな。というか、二十歳超えたら誰もが一度は帰着するのでは?記号着地問題は今まさに1歳半の娘が学習中。ちなみに殆どの事象はテンプレートで実装済みで、初期学習はかなり軽量なシステムっぽいです。すごいな人間。
読了日:10月07日 著者:山本 弘
神は沈黙せず〈上〉 (角川文庫)神は沈黙せず〈上〉 (角川文庫)
単純に楽しめました。GA(遺伝的アルゴリズム)、AL(仮想生物)共に大学で研究してましたし、「いまどきの神サマ」とか新カルト創成期を見ながら育ったし、自分自身もユリゲラーやノストラダムスの大予言世代だし、つまりハマるしか無いっつーか。読む側も最大限に楽しめるようにリアルとアンリアルの境界をあえて意識しないようにして、作品世界に捨て身でダイブしちゃいました。あと、大森さんの解説は嬉しいんだけど、本作では解説とかは下巻まで封印して欲しかった…
読了日:10月05日 著者:山本 弘
そばかすのフィギュア (ハヤカワ文庫 JA ス 1-4)そばかすのフィギュア (ハヤカワ文庫 JA ス 1-4)
最初の2編は、あまり好みではなかったのでジャケ買い失敗か?と思ったのですが、表題作から後ろは全部当たりでした。良い。ファンタジィとSFの融合点がタニス・リー的というか、個人的には好みのブレンドというか…。まだ、印象が固まっていないので、もう2冊は読まねば。
読了日:10月02日 著者:菅 浩江

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2009年9月の読書メーター

2009年10月07日 | 読んでみました
9月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2207ページ

マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫JA)
間違いなくオススメ出来る一作。しかし前作のカジノシーンに引き続き、本作は複雑な血脈事情でもの凄く細かな描写が…。そんなに細かな描写が無くても物語は成立してしまうし、むしろ読み解くのがメンドクサイというか、加速感が削がれるというか…。ちょとザンネン。ウフコック自閉症モードで再起動待ちに。というかボイルド、めっちゃカッコイイんですけど…。前作ではモンスター的な部分しか見えていなかったのに…。最終章とエピローグをもう一度繋ぐために、マルドゥックス・クランブルを再読せねば。
読了日:09月29日 著者:冲方 丁
マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA)
イースターがイースターになった。絶対マルドゥック・スクランブルを引き続き再読すると心に誓いました。本当に3年寝かせた甲斐があった…幸せ…
読了日:09月25日 著者:冲方 丁
マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
3年寝かせてました。マルドゥック・スクランブルの記憶も、薄れてきたので気合を入れて読み始めました。ボイルドの終着駅は見えているのに、やっぱり面白い。
読了日:09月19日 著者:冲方 丁
陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)
やた!やっと文庫化!伊坂作品の中でも群を抜いてエンタテイメント性の高いこのシリーズですが、今回も十二分に楽しめました。というかシリーズ、という概念が伊坂初ですよね。いつも何かしら世界がリンクしているので、気付いてませんでしたが。最初の4編が連作でも無い短編なのですが、後半4編で見事にリンク。後半は連作短編ではなく中編ですね。で、さらにボーナストラックまで、満足満足。読んでて単純に楽しめる作品ってすごいなぁ…気持ちよかったです
読了日:09月13日 著者:伊坂 幸太郎
未来世界から来た男 (創元SF文庫 (605-1))未来世界から来た男 (創元SF文庫 (605-1))
ショートショートって若くないと楽しめないのかも、と思いました。個人的に、本を読む時にはミステリであってもSFであっても、オチの意外性よりも、語られる内容を重視してしまいます。そんな人種にはオチが全てのショートショートは向いてないし…文化が違うと割と致命的な部分もあるし…。昔は星新一先生でかなり楽しんだので、読書歴がショートショートを楽しめなくしている(オチが読めるようになってしまった)としか思えない…
読了日:09月09日 著者:フレドリック・ブラウン,小西 宏
東亰異聞 (新潮文庫)東亰異聞 (新潮文庫)
小野さん初読み。荒俣先生みたいな(というと失礼ですが)雰囲気が好きなので、物語り全体が好みでした。屍鬼を読まねヴぁ
読了日:09月05日 著者:小野 不由美

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2009年8月の読書メーター

2009年09月05日 | 読んでみました
8月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2854ページ

神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)
どうオチを付けても残酷にならざるを得ないのでは?と思いながら一気読みしましたが、そうか~、そういう終わり方をするのか、と納得。人は成長する、人は望めば強くなれる、という事を感じさせてくれて良かったです。ちょっと安心。このシリーズは割と骨太なファンタジーなので「児童文学」という枠に違和感を感じていましたが、本作で児童に読んで欲しいな~と強く思いました
読了日:08月30日 著者:上橋 菜穂子
神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)
このシリーズは面白い!バルサとタンダの関係も毎回気になりますが…。今回も異界の神に翻弄されていますが、とにかく早く続きが読みたいです
読了日:08月28日 著者:上橋 菜穂子
宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))
もの凄く長い間、積読状態にしていた事を深く後悔しています。面白いなぁ…。構築されている世界観に隙が少ないと、より没入感が高くなって楽しめる派なので、この作品にはドップリ浸かってしまいました。一点、バイオットが発生した理由が良く判らないのですが…気になる~
読了日:08月26日 著者:アーサー・C・クラーク
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)
『少女には向かない職業』よりもツボでした。何が違ったんだろう?慣れかな?つか富士見読むの10数年ぶりだ…うぅむ…作家さんとしてはまだ判断できず。もう一冊くらい読むか。
読了日:08月22日 著者:桜庭 一樹,むー
太陽からの風 (ハヤカワ文庫SF)太陽からの風 (ハヤカワ文庫SF)
クラーク先生ごめんなさい。初めて作品を読みました。「大渦巻II」が好きです。作中に触れられている「大渦巻」も遠い昔に呼んだ記憶があります。あと、「1984」の作者がオーソン・ウェルズ(作家じゃないし)だと思っていた事も合わせて告白します。というか、クラーク先生の積読消化するか。
読了日:08月20日 著者:アーサー・C. クラーク
宇宙嵐のかなた (ハヤカワ文庫SF)宇宙嵐のかなた (ハヤカワ文庫SF)
確かに到達ポイントは宇宙嵐のかなたでしたが…。作品的には良くも悪くも「宇宙戦艦と超能力が出てくればSF」という毎度のヴァン・ヴォクト品質でした。あ、でも宇宙嵐との接触シーンは圧巻。アニメで表現して欲しいかも。
読了日:08月14日 著者:アルフレッド・エルトン ヴァン・ヴォクト
超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)
はぁ…満足。前半戦も満足だけど、山田風忍法帖から後の後半戦は全作品完全にツボ。欲を言えば最後の話は前説読まないで「コレってアレじゃない?」的なゾクゾク感を楽しみたかったです~。あと、煩悩ガールズは速攻ググりました。皆さんなりの2009年ベストを考えてみては?というフリに応戦出来ない自分がちょっと悔しい。時間が欲しい
読了日:08月12日 著者:
虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)
面白い!まだまだ低迷期を抜けられないSF界の人気作家さんをジャケ買いせずに広く知る事が出来るのは嬉しい限りです。リアルタイムであるのも高ポイント。古いアンソロジーでよい作家に出会っても入手困難だったりするし。作品的には最初の方に軽めなものがあり、徐々に重めなものを置くという、一気に読むとフルコースを堪能できてしまう並びも秀逸。箸休め(失礼?)まで付いてるし。そういえばハードSFが好みになる前は、火浦功や岬兄悟を呼んでいた事を思い出してみたり。作品毎の作家紹介と、作家さんのお言葉も嬉しさ倍増。後書にも共感
読了日:08月05日 著者:

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2009年7月の読書メーター

2009年08月06日 | 読んでみました
7月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1923ページ

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
会社のSF読みの先輩から「オチのためだけに読め」と言われて読みました。いろんなパターンを想像しながら読み進めましたが、まさかそんなオチだとは…確かに驚愕。というか驚愕しただけ…。SFとしては短編、もしくはショートショートで読みたかったです。ボーイミーツガール的の部分は、個人的に「『ひと夏(ではないか)』の『身分違い』の『許されざる』恋物語」という3重にニガテな要素が詰まっているので、特に述べず。
読了日:07月31日 著者:マイクル・コーニイ
銀河英雄伝説外伝5 黄金の翼 (創元SF文庫)銀河英雄伝説外伝5 黄金の翼 (創元SF文庫)
やっと完結。再版の度に再挑戦したのですが…刊行日を忘れて購入できずを繰り返し…、結果として20年越しの読了となりました。今回は主にラインハルトとキルヒアイスのキャラ本でした。インタビューもまとめて入っていたし、総決算なカンジでした。というか、タイタニア完結させる気は無さそうだし、銀英伝外伝まだまだ書いて欲しい気もします。
読了日:07月24日 著者:田中 芳樹
きつねのはなし (新潮文庫 も 29-2)きつねのはなし (新潮文庫 も 29-2)
連作という程の濃いつながりは無いけど、それぞれの話で別の話の「その後」なのか「その前」なのかが ちらちら覗く雰囲気と、全くオチの無いホラーな雰囲気がいいカンジでマッチしている気が…。というかオチ無い話が嫌いな人には薦めません。
読了日:07月14日 著者:森見 登美彦
終末のフール (集英社文庫)終末のフール (集英社文庫)
設定が良くも悪くも絶妙。伊坂幸太郎の短編連作、かつ一作毎にメインキャラが違うというスタイルは、伊坂幸太郎の『緩いリンク感(勝手に命名)』を味わうには絶好のスタイルだと思います。世界滅亡まであと3年。自分だったらどう生きるのだろう?
読了日:07月09日 著者:伊坂幸太郎
最後の星戦 老人と宇宙3最後の星戦 老人と宇宙3
自称『SF読み』なのに、自分の読書メーターを見てみると久々のSFだし。「宇宙の戦士」よりも「終わりなき戦い」「エンダーのゲーム」が好きな私としては、このシリーズの戦争を肯定していない部分が好みです。外伝(4巻?)も楽しみです。つかトールサイズはマジでやめて。本棚に入らないから。ハヤカワは自分の読書層を何だと思っているんだろう…。字が大きくなったからってSF嫌いが克服されるワケでも無いだろうに…
読了日:07月07日 著者:ジョン・スコルジー

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2009年6月の読書メーター

2009年07月01日 | 読んでみました
コメントが多目だと、回り込まない…

6月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4264ページ

コッペリア (講談社文庫)コッペリア (講談社文庫)
この人がミステリ作家だという事をすっかり忘れてました。ミステリを読む時に自分がいかにネタを拾いながら読んでいるのかを思い知りました。で、ミステリだと思っていなかったので、思いっきりハメられました。ミステリだと思って読めば何てこと無いというか、むしろ自明な展開なのに…。というワケで、必要以上に楽しめました。あ~久々にドッキリした~
読了日:06月30日 著者:加納 朋子
てるてるあした (幻冬舎文庫)てるてるあした (幻冬舎文庫)
「親も愛されたいんだ」という事に気づいた瞬間に、子供じゃなくなるんでしょうね…。主観を変えるだけで幸せになれるのは判っていても、どうやれば幸せな主観を持てるのかは、本人次第。自分の子供に幸せな主観を持たせてあげられるかどうか、ちょっと不安を感じてみたり。
読了日:06月29日 著者:加納 朋子
スペース (創元推理文庫)スペース (創元推理文庫)
そっか瀬尾さんの名前の由来って…ふ~む。(ってまずソコか>自分)中篇連作2編の前編のほうは、なんだかクドいなぁ、と思いながら読んだのですが、後編はガッツリのめり込みました。うぅむ…。加納さん良いなぁ…。前作と間があきすぎたので、再読したくなりました。
読了日:06月25日 著者:加納 朋子
モノレールねこ (文春文庫)モノレールねこ (文春文庫)
久々の加納さん。泣けるんだけど、ほんわり幸せになる読後感が好き。連続で読むとエキセントリックなキャラに食傷気味になるけど、それぞれ面白いお話でした。「ポトスの樹」がお気に入りかな
読了日:06月23日 著者:加納 朋子
考える技術としての統計学―生活・ビジネス・投資に生かす (NHKブックス 1101)考える技術としての統計学―生活・ビジネス・投資に生かす (NHKブックス 1101)
ん~む。言っている意味は判るんだけど、具体的な説明の部分を追いきれなかった。サンプル数が少ない情報からでも、オチは見つけられそうな気にはなりました。
読了日:06月22日 著者:飯田 泰之
レヴォリューション No.3 (角川文庫)レヴォリューション No.3 (角川文庫)
フライ ダディ フライの後に読みました。面白い、というか羨ましい、ですね。高校生の頃に死ぬほど一生懸命生きるのは大切だよね~と、オッサンになって思ってみたり…。あ、フライ ダディ 単体だと、ゾンビーズの面々のキャラが立たないので、やっぱりこちらを先に読むのが正解ですね。
読了日:06月18日 著者:金城 一紀
ネコソギラジカル 下 (講談社文庫 に 32-9 西尾維新文庫)ネコソギラジカル 下 (講談社文庫 に 32-9 西尾維新文庫)
ん~。エピローグに納得はしたんだけど、何と言うか未消化の伏線が多すぎて、これで終わり?という感覚の方が強かったかな…。ラノベって事でスピンオフ(というか派生シリーズ?)用に伏線残しているとか?妹と友のクダリが全く理解できなかったのは自分だけなのでしょうか?
読了日:06月14日 著者:西尾 維新
犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫)犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫)
かなり面白かったです。読者としては、ラスト直前に、それまでは主人公の行動が全て見えていたのに、突如として第三者として放り出されるバランス感覚にハメられました。ラストまで読むのを止められませんでした。別作品も読みたいです
読了日:06月12日 著者:雫井 脩介
犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)
かなり前のめりで読んでしまいました。文庫の帯に映画版の主人公が載っていたので、すっかり主人公のイメージが固定されてしまいました。でも、映画のサウス・バウンドでも長髪だったし厭世的な雰囲気も漂うしで、映画化されていなくても無意識にトヨエツを当てはめて読んでしまっていたかも。上巻を読み終わった勢いで下巻に突入!
読了日:06月11日 著者:雫井 脩介
NHK「トップランナー」仕事がもっと面白くなる「プロ論」30 (知的生きかた文庫 え 13-2) (知的生きかた文庫)NHK「トップランナー」仕事がもっと面白くなる「プロ論」30 (知的生きかた文庫 え 13-2) (知的生きかた文庫)
前作に引き続き、安心して読める「頑張る人向け」の本。前作は「そうそう」ばかりだったのに、本書は「ほほう」の方が多かった気がします。何だろ?
読了日:06月09日 著者:NHKトップランナー制作班
NHK「トップランナー」の言葉―仕事が面白くなる! (知的生きかた文庫―BUSINESS (え13-1)) (知的生きかた文庫―BUSINESS (え13-1))NHK「トップランナー」の言葉―仕事が面白くなる! (知的生きかた文庫―BUSINESS (え13-1)) (知的生きかた文庫―BUSINESS (え13-1))
会社で走り続けていると「頑張っているのは自分だけなのか?」という不安(というより錯覚)に襲われてしまいます。でも、少なくともこの本の中には、一所懸命に頑張るのが「普通」な人たちがいました。という事実を確かめるためだけでも自分にとっては価値のある本でした。あと、名言集には名言は秀逸(当たり前か)なんだけど、その他の解説部分が最悪な本も多いのですが、本書はまとめ方が上手いというか解説部分も読みやすかったです。良書
読了日:06月08日 著者:NHK『トップランナー』制作班
延長戦に入りました (幻冬舎文庫)延長戦に入りました (幻冬舎文庫)
何故、スポーツに全く興味の無い自分が、本書を読んでいるのか良く判らないのですが、斜め45度な視点には共感。特に高校野球のコールドゲームと、プロレスの話が面白かった~
読了日:06月04日 著者:奥田 英朗
名もなき毒 (カッパ・ノベルス)名もなき毒 (カッパ・ノベルス)
文庫まで待てなかった…。主人公の視点に共感できる部分が大きいからだとは思うのですが、このシリーズは好きです。ミステリというよりも、淡々とした(というか達観した?)語りで日常を紡ぐのが良いです。
読了日:06月03日 著者:宮部みゆき

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2009年5月の読書メーター

2009年06月03日 | 読んでみました
5月の読書メーター読んだ本の数:11冊読んだページ数:2955ページ独断流「読書」必勝法 (講談社文庫)独断流「読書」必勝法 (講談社文庫)高橋源一郎より圧倒的に面白い<比較するな読了日:05月27日 著者:清水 義範

乙女なげやり (新潮文庫)乙女なげやり (新潮文庫)オタクとしては余すところ無く笑える、というよりも自分自身を笑っているに等しいエッセイです。非オタの人は、この人のエッセイをどういう感覚で読むのでしょう?読了日:05月22日 著者:三浦 しをん

フライ,ダディ,フライ (角川文庫 か 50-3)フライ,ダディ,フライ (角川文庫 か 50-3)心を強くしたくて、ギリギリまで追い込んで身体を鍛えていた日々を思い出しました。10年経って父になりましたが、子供のために強くなれるのか?まずは痩せよう。10年分の肉襦袢が…読了日:05月20日 著者:金城 一紀

ワーキングガール・ウォーズ (新潮文庫 し 50-3)ワーキングガール・ウォーズ (新潮文庫 し 50-3)主人公の恨み節がキツいです。個人的には有能なんだろうけど、管理職に必要な前向きさにちょっと欠ける気が…。キャラが増えるにつれ、恨み節の含有率が下がるので読みやすくなった気にはなりますが…。最終話の前の話は、すべて最終話のための前フリだと思えば納得かなぁ…。読了日:05月19日 著者:柴田 よしき

その後のツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫 ほ 5-3)その後のツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫 ほ 5-3)治ってよかった。育児日記も読みたい。読了日:05月15日 著者:細川 貂々

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫 ほ 5-2)ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫 ほ 5-2)「病気じゃない」「なまけ病」「慢性疲労症候群」と呼ばれていた時代から、「鬱」という言葉が認識され始め、「鬱」と診断される人の病状の幅が広がった気がしています。私の感覚ではツレの人はまぎれもなく鬱なのですが…。身の回りで急増中のメンタルダウンと呼ばれる人たちは「鬱」にあたるのだろうか…。「明けない夜は無い」という言葉を信じられるのは、鬱が治ってから、というどうしようもない事実が辛いです…。読了日:05月15日 著者:細川 貂々

開発現場の掟 (プロの鉄則) エンジニアが現場で生き残るための極意 (開発の現場セレクション)開発現場の掟 (プロの鉄則) エンジニアが現場で生き残るための極意 (開発の現場セレクション)微妙。共感できるものもあり、どうでも良いものもあり。アジャイルプラクティス以来、この手の鉄則本は増えているけど、なかなか当たらない…。本書は、経験の浅い開発者に向けて鉄則を書いているにも関わらず、鉄則シチュエーションの説明が雑。経験が多い開発者には自明なシチュエーションなので、何と言う事は無く読めるのだが、問題なく読める人には本書は不要。という…読了日:05月13日 著者:株式会社クロノス 山本 大

銀河英雄伝説外伝4 螺旋迷宮 (創元SF文庫)銀河英雄伝説外伝4 螺旋迷宮 (創元SF文庫)一種のキャラ本ですよね。限りなく地味ですが。あとがきに納得読了日:05月12日 著者:田中 芳樹

名探偵の掟 (講談社文庫)名探偵の掟 (講談社文庫)東野圭吾作品は大好きなのですが、この人の風刺モノってイマイチ乗り切れないんですよね…。ミステリファン的には「あるある」話なのですが…。でも、文庫版のあとがきが楽しかったです。ちょっとスッキリしました。一つ前に読んだ「禅銃」も、あとがきが面白かったので、今はそういう風が自分に吹いているのかも…。「名探偵の呪縛」を読む前に口直ししないと…。読了日:05月09日 著者:東野 圭吾

禅銃(ゼンガン) (ハヤカワ文庫 SF (579))禅銃(ゼンガン) (ハヤカワ文庫 SF (579))本編読了後も「そこでオチ?」と思いましたが、あとがきは楽しめました。あとがきを先に読んではいけないし、本編を読み終わってからあとがきを読まないと、本書を読む意味が無い。つまり、あとがきを読むために本編があるカンジ。読了日:05月06日 著者:バリントン・J・ベイリー

町長選挙 (文春文庫)町長選挙 (文春文庫)これって一応時事ネタですよね?だけど風化しそうに無いのは、どの時代にもいる人々(患者)だからなんでしょうね。くだらない、と他人に笑い飛ばされるのではなく、くだらない事に一生懸命悩む伊良部の姿を見て悩みが解けるって、凄いなぁ…。ウチの会社に主治医で欲しい…読了日:05月04日 著者:奥田 英朗

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2009年4月の読書メーター

2009年05月21日 | 読んでみました
4月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2692ページ

マップス・シェアードワールド 2 ―天翔る船― (GA文庫)マップス・シェアードワールド 2 ―天翔る船― (GA文庫)
しょっぱなの円卓会議の話は、長谷川さんが書いてもヨサゲなお話でした。延々と歴史を繰り返す話の解釈がイマイチできていないのですが…。解説PLZ
読了日:04月23日 著者:葛西 伸哉,笹本 祐一,新城 カズマ,友野 詳,西野 かつみ,山本 弘
ネコソギラジカル (中) (講談社文庫―西尾維新文庫 (に32-8))ネコソギラジカル (中) (講談社文庫―西尾維新文庫 (に32-8))
このシリーズの最初は「戯言にもなってない」「ミステリも型破りなだけ…」と思っていましたが、巻を重ねるたびにキャラに慣れたのか、文章が良くなったのか、どんどん面白くなってきました。最終章はかなり面白いです。というか(中)の引きはそれでいいのか?(下)が待ち遠しいかも…
読了日:04月21日 著者:西尾 維新
掠奪都市の黄金 (創元SF文庫 リ 1-2)掠奪都市の黄金 (創元SF文庫 リ 1-2)
微妙。引きが続編を期待させるだけに…うぅむ。あと、キャラの外見が複数の主観で語られるのでイマイチ固まらないのが、ちょっともどかしい。
読了日:04月19日 著者:フィリップ・リーヴ
移動都市 (創元SF文庫)移動都市 (創元SF文庫)
「鋼殻のレギオス」を見て、そういや「移動都市」読んでないな、と思い出したので読んでみました。世界観的にはアリだし楽しめたんだけど、ちょっと物足りない気が…何が物足りないのかは判らないのですが…。ヘスターの容姿がそのままで続編まで出たのは驚き。
読了日:04月11日 著者:フィリップ・リーヴ
反逆者の月〈3〉皇子と皇女〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)反逆者の月〈3〉皇子と皇女〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
面白かった。最後のオチはハショリすぎだと思うのですが、とりあえず納得。絶対に続きが書けるシチュエーションなんですが、とりあえず完結って事で、ちょと残念。というかモンティパイソンですか…。
読了日:04月05日 著者:デイヴィッド ウェーバー
反逆者の月〈3〉皇子と皇女〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)反逆者の月〈3〉皇子と皇女〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
結構夢中で読んじゃいました。アメリカドラマ的(というかスタートレック的というか)な1話で2つのシチュエーションが同時に進むタイプの書き方ははあまり好みではないのですが…面白いです。続きが気になる~
読了日:04月01日 著者:デイヴィッド ウェーバー

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しあわせの理由(ハヤカワ文庫)グレッグ・イーガン

2007年05月13日 | 読んでみました
表題作の「しあわせの理由」が非常に秀逸でした。

しあわせの理由

これも例によって、マッピングしようと思ったのですが
今回は相互のリンクが希薄なので、あんまり有効な情報にはならなかったかも…

「適切な愛」
夫の脳を子宮で保存するというアイデアよりも
妻が感じた心の動きが切なかったです。
しょうがない、では割り切れないけど
知ってしまうと二度と知らなかった時には
戻れない、でも生きていかないと…みたいな

「闇の中へ」
アラスジを書くと「ワームホールの中の人を助けに行くボランティア」
というどうしようもなくクダラナイ表現になってしまうんだけど
少しでも内容に触れると、作品の面白みを奪ってしまう
そんなギリギリな作品です。

「愛撫」
絵画と同じ情景を完璧に模倣する。ただそれだけのオハナシ
本編とはあまり絡まないんだけど、
ポリスである間に飲む向精神薬ってネタは
他でも読んだ気がします。何だったっけ?

「道徳的ウイルス学者」
不特定多数の異性との性交を禁止する為の「道徳的ウィルス」が
作り出した世界とは?
オチを秀逸と感じるか脱力するかは読み手次第かも…

「位相夢」
前の短編集の「ぼくになることを」でのシチュエーションは、
産まれた時から擬似脳と共に生活してきたという前提でしたが
この位相夢は、普通の人間がスキャンを行なう事で
機械の身体に移行する時のオハナシです。
グレイズナーが出てくるのでディアスポラ系でしょう。

「チェルノブイリの聖母」
話の展開はまずまずだけど正直良くわかんなかった。
イコンとアイコンのコジツケなのかな?

「ボーダー・ガード」
量子サッカーというスポーツ的なエントロピーの奪い合いが描かれているのですが
頭の中で想像するのにちょっと困難が伴いました。
が、緻密に書かれた量子サッカーは物語的には全くのオマケです。
何でこの人はこんなに夢中になって量子サッカーを描いたんだろう…
スポコン的なモノを描きたかったんだろうか…
ちなみに、この量子サッカーはWebで公開されています。
http://gregegan.customer.netspace.net.au/BORDER/Soccer/Soccer.html
あ、ほんで、「ぼくになることを」の宝石の始祖が出てきます。
ってワケで順列都市、ディアスポラ系列ですね。

「血をわけた姉妹」
この話、どっかで読んだ事ある…
というか、これまた何一つ説明出来ない話ですね…
全てがネタバレに繋がっちゃう…
イントロはホラーかと思いましたが、最終的には
いつものイーガン節になりました。
ネタ的には超平凡なんだけど面白かったです。
SFもネタだけじゃないよね。

「しあわせの理由」
正直、最初はつまんなかった…
アルジャーノンというよりも、透明人間(カーペンターの映画)な
重みに欠けた感がありました。
が、後半というかオチが非常に良かったです。
「しあわせの理由」という題名も良かったです。
原題は「reasons to be cheerful」なのですが
「よろこびの理由」とするよりも
「しあわせの理由」の方がずっと良いです。
タイトル一つとってもセンスが出るよね…
というか、そうだよねって素直に納得できるオチが
切なかったけど良かったです。

結局「祈りの海」とは違い、「位相夢」がグレイズナー絡みで
後期の長編に繋がっているカンジで、「ボーダー・ガード」は
長編への布石ではありますが「ぼくになることを」の
世界観を補完する位置付けにしかなっていませんでした。

なので、単純に短編集として楽しんでも損をした気分にはなりません。
コメント (3)
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祈りの海(ハヤカワ文庫)グレッグ・イーガン

2007年05月08日 | 読んでみました
「ひとりっ子」を読みたくて、読み始めました。

正確には「グリュフォンの卵」の口直しをしたくて
本屋で平積みされていた短編集を眺めていた時に
イーガンさんの「ひとりっ子」が目に付いたので
購入したのですが、第三短編集だった事に気づいたため
急遽、第一短編集である本書を購入した次第でゴザイマス。

祈りの海

グリュフォンの口直しにはなりましたが
満足出来たか?というとイマイチ感が…

どの作品も面白いんだけど、単体で十二分に評価出来るんだけど
「万物理論」で感じた圧倒的な何か、には欠けます。
順列都市以前の作品だからしょうがないんだけど。

「順列都市」の習作的作品というか、関連作が
数作見られるカンジですね。
っていうか、最初に読んだ作品が「万物理論」である立場としては
全てのイーガン作品が習作にしか見えないのですが…

で、全体としては「これぞグレッグ・イーガン」という紹介が出来る程には
作者の現在の能力に比すると、作品全体のレベルが高くないし

「これがグレッグ・イーガン」という紹介も可能といえば可能なんだけど
真骨頂とも言える量子系が含まれていないので、
イーガン語るならこれを読め、的な紹介も出来ないし

どれが好きだったのか?と問われたら「イェユーカ」が好みかな。
ナニゲに一番SF風味の薄い作品ですが…

しかし、この短編集が後の作品群に繋がる事だけは確かなので
イーガンマップを作るためのメモはとっておきます
相変わらず自分のためのメモでスマヌ

「貸金庫」
毎日『自分』が変わる人生を描いた作品。
順列都市系列とこじつけられない事も無いかも。

「キューティ」
子供に恵まれない夫婦(というか夫)が
遺伝子形質から仮想生物(ロボット?サイボーグ?)
を購入するオハナシ。
アラスジ的には、もっと悩み深いんだけど
マップ的には順列都市系列。「ひとりっ子」の原型か?

「ぼくになることを」
純粋な順列都市系列。
銃夢の「脳無し」はマンマこの世界観がモチーフですね。
どっちが先なのかは知らないんだけど。

「繭」
ウィルスだけではなく、脳内物質も制御可能な完璧な胎盤とは
みたいなカンジ。万物理論系列に当るのかな。

「百光年ダイアリー」
ニワトリが先かタマゴが先か。
「あなたの人生の物語」もモチーフ的には似てるよね
あ、あと、この通信のアイデアってシンギュラリティスカイで
使われてた気がするんだけど…
もちろんイーガン先生のが先に発表しているのですが。

「誘拐」
妻が誘拐されたと言う「映話」は、現実なのか非現実なのか。
順列都市系列です。って言っちゃうとネタバレ?

「放浪者の軌道」
無宗教という宗教、という表現は淡白すぎか
もしかしたら万物理論に繋がるトコロがあるのかも。

「ミトコンドリア・イヴ」
ストーリーよりも、アインシュタイン-ポドルスキー-ローゼン相関関係
という理論に惹かれました。
本当にあるんだねぇ…

「無限の暗殺者」
特異点ってアレだよね。最近だと電王。
どの時間軸も影響を受けないという。
特異点の話としては「ひとりっ子」に繋がるのか?

「イェユーカ」
モラトリアムとボランティアの境目は自己犠牲なんだと思う

「祈りの海」
宗教系のオハナシと言い切ってしまっていいのだろうか?
「あなたの人生の物語」の中の『地獄とは神の不在なり』とは
対極に位置するオハナシだと思う…

そんなカンジの作品集でした。
毎度の事ながら感想のみで
小説の内容が不明でスマヌ

あ、ほんで結局この短編集は
僕みたいにイーガンの実力を思い知っている人が
イーガンの素を知るための本かと。
入門書としてはイマイチかも。
むしろファン向けってカンジで。
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グリュフォンの卵(ハヤカワ文庫)マイクル・スワンウィック

2007年05月05日 | 読んでみました
読みにくい…

訳がアレなのか、元々の文章がアレなのか
そもそも翻訳向きではない文章なのかは判りませんが
アレでした…

グリュフォンの卵

特に「騙された!」って気はしてないのですが、
帯のアオリに惹かれて買っちゃったっつーのが何だかな…

いや、
「いま最も注目されるSF作家の名品の数々をご堪能あれ!」
という表紙側のアオリに罪は無いんですよ。

何故なら日常的に小説を購入している人なら
この帯の情報量がゼロである=無視して良い
という事を無意識で判断可能だから。

が、裏表紙側の帯が犯罪級。というか釣られた…
「あなたの人生の物語 絶賛発売中」って…
いや~、つい買っちゃいました。

だって、久々に興奮するSF作家に出会って
新しい作家さんを探すかな、という気分が増しているトコロに
興奮させられた小説が帯に載っているとなると
買わざるを得ないっつーか
つか、買うよね。こんな帯ついてたら。反射で買うよね?

で、アレでした…
駄目っつーか、ニガテなんですよ…
単語だけSF風の作品って…

一冊前に読んだ「あなたの人生の物語」も確かに
「単語だけSF」なSFの類なのですが、
文章が上手かったので、小説として楽しめたし
論理展開に手抜きが無かったのでSFとしても
OKだったのですが、この小説には両方無いし
アイデア的にもアレレなカンジという…

私的SF面白ポイントである
・文章力
・SF力(論理展開編)
・SF力(アイデア編)
のどれか一つでもOKが出れば、もう少し読み易かったのに…

この短編集に載っている作品の中には
ヒューゴー賞受賞作も、スタージョン賞受賞作も
入っているらしいので、
人によっては面白く感じるのかもしれませんが
どうしても乗りきれませんでした…

どれかオススメって言われると、
最初の作品の「ギヌンガガップ」が
アイデア的にギリOKってカンジかな…
コメント (2)
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あなたの人生の物語(ハヤカワ文庫)テッド・チャン

2007年05月04日 | 読んでみました
かなりイマサラなのですが、面白すぎました…

この作家さんは、「あなたの人生の物語」以外に作品が出ていないのが
非常に残念です…

最初の一遍「バビロンの塔」は、完全に物語系のSFというか
理論ではなく事象で描くタイプの上に、話が上手いのでガッツリと
ハートを掴まれてしまいました。

あなたの人生の物語

最後まで読んでも、決して論理系というか理論系というか
基礎知識が無いと理解の出来ない系のオハナシは無かったハズなのに、
読後の印象としては、物語系SFのイメージよりも理論系SFのイメージの方が
より強く残っているという、不思議な作家さんでした。

多分、半数程度の作品のSF的なアプローチの方針が
何となくグレッグ・イーガンに似ていた気がしたのと
「理解」「ゼロで割る」「あなたの人生の物語」「七十二文字」の
SF的な論理展開が徹底していた事が、
理論系SF作家なイメージを強くした気がします。

という風に、SF的なアプローチが文章力を上回った作家さん
であるかのように錯覚してしまいますが、
この作家さんの本質的な良さは文章の上手さだと思います。

ウチのように、小説の本文に触れずに感想だけで押し切っちゃう
書評というより感想文タイプのBlogには、
文章力の上手さが魅力のSF作品は鬼門ですね…
だって、本文より感想の方が面白くなるワケないんだもん…

SFのネタ的にも表題作の「あなたの人生の物語」が、
一番ステレオタイプなSFだったのと
「理解」のオチがイマイチ嬉しくなかったくらいで、
かなり楽しめました。
つか、物語的にはどれも良い出来でした。

というワケで、とにかく読んでみてください。
コメント (2)
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老人と宇宙 (ハヤカワ文庫)ジョン・スコルジー

2007年04月25日 | 読んでみました
ヘミングウェイ?

ちなみに主人公はムキムキマッチョメンです。
あと、緑色で猫目で美男美女です。
猫耳では無いです。

つかこれだけ聞くと「絶対に買わない」って思っちゃうよね…

老人と宇宙
帯に「宇宙の戦士」って書いてあったので
とりあえず買っちゃいました。

ナニゲに手に取ったにしてはアタリ度が高かったです。

「宇宙の戦士」と言うよりも、「エンダーのゲーム」や「終わり無き戦い」の方が
作品としては近い気がしますが、殺戮の殺伐さのみ「宇宙の戦士」が近いかな…

しかし「宇宙の戦士」って色々なメディアで
作り直されているけど、いいのは原作だけだよね…

映画のスターシップトゥルーパーズは、監督の趣味なのか
反戦思想なのか判んないんだけど、ステロタイプの馬鹿兵士を
これでもかと見せ付けられてヘキエキしたし…
つかヤツらにパワードスーツ着せてあげようよ…

アニメ版は、ぬえ御謹製のパワードスーツは出てきたけど
アメリカの酷い青春TVドラマを最悪にして
恋愛風味をふりかけたような、何とも言えない味わいでした…

CGアニメ版とかもあるのか…
スターシップ・トゥルーパーズ・クロニクルズ DVDボックス

原作もベトナム臭さが気にならなければ、
パワードスーツ萌えにはタマラン出来なのですが…

ちなみにタイトルも結構微妙なカンジで、
これが「宇宙の老兵」とかだったら確実に買わなかった…

あ、話がそれた…

「宇宙の戦士」を1回目に読んだ時も興奮しましたが
本書はそれよりも質が良かったです。マジで。
「終わり無き戦い」とか「エンダーのゲーム」と同じくらい
っていう褒め言葉を使っても良いのでは無いでしょうか?

つか、エンダーシリーズの続き出らんかいな…
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となり町戦争(集英社文庫)三崎 亜記

2007年04月24日 | 読んでみました
現実と非現実の境界は認識できるのでしょうか…

例によって、書店の平積みで気になっていた
「となり町戦争」読みました。

となり町戦争

単行本で出た時に気になっていたような記憶はあるんですが
キャッチー過ぎるタイトルのせいでイマイチ購入に至れなかったという…
天邪鬼なのは熊本県民の血か?(注:両親は長崎と鹿児島の出身です)

内容は、公益事業としての「戦争」のお話です。
非常に難しく、興味深く、風刺的な、課題設定なのですが
本書では社会に対しての「公益戦争」というスタンスではなく
見えない脅威、見ていない脅威に対する、個人の感じ方
みたいな視点で語られている為、堅苦しくも
ステレオタイプでも無い代わりに、盛り上がりに欠けます。

本当に淡々としています。
この感覚は離人症とか呼ばれる症状に似ているというか
多分作者は継続的に離人症を経験している、
もしくは経験した事があるんだと思う…

現実を認識する能力はあるんだけど、視点が完全に第三者というか
観察者というかそんな感覚。
冷静であるというよりも他人事。

個人的には楽しめたし、割とオススメ出来るんですが
思想的、精神的に不安定な世代が読むにはちょっと…
モラトリアム期間が延長されてしまう可能性大だと思うし…
ん~、積極的にはオススメしないかも…

こないだ映画化もされていました。
主人公の二人は江口洋介、原田知世です。

明らかに小説の主人公設定より10歳以上年上だと思うのですが
これはこれで監督の解釈に興味があります。見たいです。

本書は、世の中をリアルに感じられない、というありふれた感情を抱えたままに
自分には見えないリアルに踊らされる感覚を、上手く表現していると思うし
後日談も蛇足感よりも、「他人事のリアル感」を感じました。
世界観は完成しているらしいです。

というワケで、モラトリアムを越えていない人にはオススメできませんが
個人的には買いでした。

「失われた町」「バスジャック」も気になります…
はよ文庫化されんかいな…
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