私には、27人の子供がいた。
それも、上は小学校低学年で、下はよちよち歩きの子。
その子たちが、つぎつぎにインフルエンザにかかり、熱を出す子、せきをする子、あおっ花をたらしている子、
こりゃあ、子供たちの命にもかかわること、医者につれていかねば、
私は、27人の子供たちを軽自動車に詰め込んで、病院へ急いだ。
病院へ着いて、車のドアーを開けると、車内はムンムン、子供たちはぐったり、
それでも、なんとか子供たちを、医者に見せると、
医者の言うことにゃ、「子供たちのあおっ花を、お父さんが吸ってあげれば、子供は楽になるし、いずれ治る。ただし、吸った花汁は、必ず飲み込まなければ、子供は治らない。また、花汁を吸うのは、5人までだ、6人以上の花汁を飲んでしまうと、あなたの生命が危険だ。」
そういえば、赤ちゃんが花汁で、花がつまり苦しそうにしていると、母親が、吸って楽にしてあげていた。でも、飲み込んでたかあ・・・?
とにかく私は、花汁を吸った。ずるっとした中に花くその粒粒がまじって、なんともいえない食感・・・・・・・・・・。
うえー やっぱりだめだー、からだが硬直。
私が吸わなければ、この子たちは死ぬ。 でも吸えない。 吸わなくちゃ。 わが子を救えない私は、父親失格だ。
あーああーーー。
せっぱつまってか、夢はさめてくれた。わたしは、助かったあー と、ほっとした。
だんだん現実に戻りると、花がつまっていることがわかった。 これが花粉症かあーーーー。
[啼かせてみよう 本歌鳥のコーナー]
「桜吹雪も知らぬが仏 お見通しかよお天道さん」