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食のチカラ#15 そば



そばはアジア原産のタデ科ソバ属の一年草の実で日本には奈良時代以前にすでに伝えられたとされています。やせた土地でも、寒冷地でも栽培でき75日と短期間で結実することから飢饉対策の作物として人々の命をささえてきた食物です。

●調理しやすく消化が良い
そばは世界の多くの地域で栽培され食されています。
日本では麺として食べるのが主流ですが、フランスではそば粉のクレープ、ロシアではカーシャというひき割りそばを使ったお粥などの料理があります。粒食でもいけますが、粉にしたり麺にするなど加工品が多く食されます。そばのデンプン粒子は非常に細かく煮えやすいため、調理しやすく消化が良いのが特徴です。

●抜群の栄養バランス
そばの栄養としては、良質のデンプン質やたんぱく質、食物繊維、ミネラル、たんぱく質や脂肪を分解する酵素も含みます。リジン、トリプトファンなどのアミノ酸も豊富なので良質なたんぱく源としても重宝される食材です。
ビタミンB1やB2は米や麦の2~3倍含まれており、豊富なビタミンB群が糖質の代謝を促進して疲労を回復する効果があります。いらいらする神経を鎮めたり、口内炎や脱毛などの予防にも役立ちます。また鉄、亜鉛をバランスよく含み食物繊維も豊富です。そばの食物繊維はほとんど消化されないまま胃の中に長時間とどまるため、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。

●老化防止の長寿食
とくに注目すべき成分は血管を丈夫にするルチンです。ルチンは、そばポリフェノールに含まれているフラボノイドの一種で、血管壁を強化するコラーゲンの生成を促し、血管や細胞を若々しく保ったり、脳梗塞や心臓病、高血圧の予防に役立ちます。中国産に多いダッタンそばは一般的なそばに比べルチンの含有量が100倍にも及びます。黄色で苦みがあるということで敬遠されていましたが近年は機能性食品として重宝され普及しています。
ルチンは水に溶けやすく40%近くがゆで汁に流れ出てしまうので、そば湯を飲むようにすると良いでしょう。

そばの製粉によって種実部分、外皮部分など含まれる栄養成分に違いがあります。栄養価の面からは全粒粉を麺やそばがきにして茹で汁ごと食するのがもっとも良い利用法かと思います。
また、そばを常食する地方は長寿地域が多いことからもぜひそばのチカラを見直してみてください。

栄養相談ではこのような身体づくりに役立つ食材の紹介や料理法などもお伝えしています。
次回の栄養・遺伝セミナーは9月14日(土)15時~開催いたします
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