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甲状腺の病気と不妊症について

皆さま、こんにちは
今日は、甲状腺の病気不妊症との関連性についてお話したいと思います。

甲状腺の病気は、不妊や流産、早産に関係してきます。
甲状腺のホルモンに異常があると、からだ全体のホルモンバランスが崩れ、それに伴い、性関連ホルモンにも異常をきたす事になります。よって月経不順や無月経になることも珍しくありません。
それらの結果、妊娠しにくい状態になります。また、甲状腺ホルモンが過剰にある状態で妊娠すると、流産や早産の危険が高くなります

甲状腺の病気は、甲状腺ホルモンの分泌異常が原因で起こりますが、そもそもホルモンとはいったい何?と思われる方もいらっしゃるかと思いますので、まずは最初にホルモンについて説明させて頂きますね

ホルモンとは、体のなかの内分泌器官で合成・分泌され、他の器官の働きに影響を与える化学物質です。このホルモンは、体液や血液を通して体内を循環し、体のそれぞれの部位の活動を調節しており、成長や発達、生殖、性徴などのさまざまな過程に影響します。

女性の場合、女性の生殖機能は、副腎皮質ホルモンや甲状腺ホルモン等の色々なホルモンに影響を受ける部分があるので、ホルモン分泌の異常や甲状腺の病気よって影響を受ける可能性があります。

ちなみに、甲状腺とは、首の前面部にある臓器で、甲状腺からは新陳代謝を盛んにするホルモンが分泌されます。その甲状腺ホルモンの分泌異常によって引き起こされる代表的な疾患には、バセドウ病(甲状腺機能亢進)や橋本病(甲状腺機能低下)があります。

女性では、ホルモンバランスに変化が生じる妊娠や出産をきっかけにバセドウ病になるという方が多いそうです。
妊娠初期に甲状腺の病気を合併した場合、妊娠の管理は難しくなります
甲状腺の病気と不妊症および流産・早産を関連づける報告は多くあり、特に、子宮内膜症および排卵障害を伴う場合では、甲状腺機能障害などの病気が存在しないか、早急に詳しく調べていく必要があります。

よって、甲状腺の異常を認めた際はもちろんのこと、妊娠前から、内科の内分泌専門医産婦人科専門医協力して妊婦さんの状態を良好に管理することが望ましいと言えます

当院では、卵巣や子宮など生殖に関連するホルモンを調べるだけでなく、甲状腺ホルモンを始めその他の必要な血液検査を行い、お体の状態をしっかりと見定めて治療を行うようにしています。
甲状腺の機能に異常が見つかった場合は、女性内科外来で内分泌に詳しい医師の診察を受けて頂きフォローさせて頂いています。
女性内科は当院の4階アネックスにて月2回の診療を行っております。
内分泌内科の医師と連携をとりながら、甲状腺の治療を行い、安全に不妊治療が進められるように、そして、妊娠されてからも安心して元気な赤ちゃんを出産して頂けるように管理し、出産施設を紹介しています。
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