患者様から「卵子に精子が2個入ったら、双子になるんですよね?」という質問を、割とよくされます。
いえいえ、大きな誤解です。
双子になる場合は、精子の数ではなく卵子の数が関係しています。
そこで今回のラボ通信では、一卵性双胎と二卵性双胎の違いについてお話させていただきます。
まず冒頭の質問についてですが、1個の卵子に2個の精子が受精すると、多精子受精という異常受精になります。この場合、染色体の数が多すぎてしまい(卵子:23本、精子:23×2本、合計:69本!)、受精卵の分割が止まります。まれに胚盤胞まで育つ場合がありますが、移植に用いることはまずありません。詳しくは、『ラボ通信#15:異常受精について』をご覧ください。
一卵性双胎とは
1個の卵子に1個の精子が受精し、胚盤胞まで育ちます。胚盤胞では赤ちゃんになる部分(内部細胞塊)と胎盤になる部分(栄養外胚葉)に分かれています。この赤ちゃんになる部分が、何らかの影響により二つに分かれてしまうと双子になるのです。つまり、1つの胎盤の中に2人の赤ちゃんがいることになります。同じ細胞から分かれてできたため、二人の遺伝情報は全く同じになります。
↑写真は孵化中の胚盤胞
二卵性双胎とは
その名の通り、2個の卵子にそれぞれ1個の精子が受精し、ふたつとも子宮に着床することで生じる双子のことです。胎盤は2つあり、それぞれに1人の赤ちゃんがいます。遺伝情報は全く同じというわけではなく、兄弟の程度で似ているということになります。
いかがでしたか?赤ちゃんができる過程というのは、とても神秘的ですね
以上が、一卵性双胎と二卵性双胎の違いのお話でした。
ご質問・ご意見がありましたら、いつでも胚培養士にお声掛けください
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