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プロラクチンと不妊

皆様こんにちは。
今回は「プロラクチンと不妊」についてお話したいと思います。
不妊の原因には様々な要因がありますが「高プロラクチン血症」もその一つです。
プロラクチンとは、脳の下垂体前葉というところから分泌されます。
女性の場合は妊娠・出産に大きく関わりプロラクチンが増えることで妊娠中は乳腺を発育させ、出産後は乳汁の分泌を促します。
また、授乳期間中は高い血中濃度が母親の排卵を抑制するため妊娠しない仕組みになっています。
このプロラクチンが授乳期でないにもかかわらず高い場合、不妊や生理不順、流産の原因になることがあります。
そして、このホルモンの分泌が高すぎて乳汁分泌や無排卵月経などを起こすようになったものを高プロラクチン血症といいます

高プロラクチン血症の症状
1. 月経前に胸が張る
2. 妊娠を経験していないのに乳汁が出てしまう
3. 月経不順
5. 排卵障害(高プロラクチンによる排卵障害は20%にも及びます)
6. 基礎体温がギザギザで不安定(低体温期が長い 排卵期の体温上昇がスムーズでない)
7. 頭痛や視界が狭くなる、視力の低下

高プロラクチン血症の原因
1. 生理的な要因
 睡眠 哺乳 乳頭刺激 妊娠 性交 ストレス 運動
2. 病気
 内分泌疾患(原発性甲状腺機能低下) 下垂体腫瘍
3. 薬剤性
 中枢性神経系薬剤 胃腸薬など(薬を中止すると元に戻ることが多い)
4. 原因不明

高プロラクチン血症は血液検査で発見することができます。
当院でも検査を行っており、プロラクチンの値が通常より高い場合、治療が開始しています。
高プロラクチン血症の治療としては,脳腫瘍以外の原因では内服薬で治療できます
腫瘍や甲状腺が原因でない高プロラクチンによる不妊は、ストレスが大半を占める・・という情報もあります。
薬物治療も大切ですが、ストレスによってホルモンバランスがくずれるような生活環境に身をおいていないか振り返ることも大切かもしれませんね。

たとえば忙しい生活環境の中、不規則な生活や睡眠不足、人間関係が円満でないなどという状況で、絶えず不安、緊張、イライラの中にあると、脳は「排卵をとめよう = 妊娠を避けようかな」と認識してしまうことがあるようです。
働いている女性が多い現代、この問題を話題にされることが多くなってきているようです
もしもこのような状況にあるならば、好きな趣味や運動をするなどして気分転換の時間をつくったり、夜はゆったりと過ごし1時間でも早く寝たりと、気持ちを落ち着かせ、脳を休ませてあげることも必要かもしれませんね。

不妊の原因は、日々の生活環境が影響していることが多いので、薬物だけに頼らず、今自分にできることを考え、少しの努力をしてみることも大切かもしれません。
このようなストレスや生活の工夫についてのご相談があれば看護師に気軽にお声かけ下さい
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