今日は採卵の2日前に使うお薬についてお話ししたいと思います。
体外受精のための採卵日が決定すると、採卵の2日前の夜に注射や点鼻薬を使用し、卵の成熟を促し採卵の準備を進めます。
このお薬は非常に重要な役割で言わば、いい卵を得るための集大成と言えます。
トリガーと言われるお薬を使用することで、上の写真のように壁にぴったりくっついていた卵子はぷかぷかと卵胞の入っている袋の中に浮いてきます。このように浮いた状態でなければ、採卵しようとしても卵子を採取することはできないのです。
通常、この投薬は採卵の予定時間の約35~36時間前に行われます。
この、約35~36時間という時間は非常に重要です。
早すぎると採卵を行う前に排卵してしまい採卵ができない、遅すぎると卵子が卵子の入っている袋、すなわち卵胞の中に充分浮いてこない為採卵ができなかったり、採卵できても未熟で受精させることが出来なかったりするのです。
そのためこの指示された時間が非常に重要になってくるのです。
当院では採卵は基本的に朝8時半に来院して頂き9:00~10:00に採卵させて頂くことがほとんどです。
よって採卵前々日の夜10時頃が投薬の時間となります。
稀に寝てしまって目が覚めたときに慌てて投薬を行ってしまい、採卵が出来なくなったという方もあります。
指示された時間に投薬して頂くことが大切なのですが、万が一時間通りに投薬が出来なかった場合、慌てて投薬をしてしまうのではなく必ず一度ご連絡をお願いします。
せっかくの採卵ですので、最後の総仕上げで悲しい結果になっては残念です。
時間をかけて大切に育ててきた卵子を受精卵にしてあげるため、最後の総仕上げ私たちと一緒にがんばりましょうね。
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