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うつ病社員のもろもろの話

炸裂、テレビパワー!

 
1987年頃の話だろうか。

「インタラクティブ・トイ」なるものが流行った時代があった。

インタラクティブ・トイとは、おもちゃ単独で遊ぶのではなく、テレビ画面と連動して遊ぶおもちゃの事である。

その一つがバンダイが発売した
「テレビパワー」なる商品。

「テレビパワー」DX変身ベルト
(仮面ライダーBLACK)

発売当時、
強烈な印象を持った。

変身ベルトは、仮面ライダーの定番おもちゃだが番組の変身シーン、パンチやキックに併せてベルトが光って回るというスグレモノ。

何でもテレビから出る信号で反応するという触れ込み。信号って何だ。家は普通のテレビだぞ。

さらにベルト自体からも信号を発信し、他のテレビパワー関連商品を動かす事が出来るという。これは気になるぞ。

テレビパワー関連商品とは

DXロードセクター
信号を受けると走るらしい。

DX変身仮面ライダーBLACK
信号を受けると腕が水平に動き、変身ポーズを取る。ポーズは腰のひねりがないのでちょっと2号ライダーに近い。

既におもちゃの対象世代ではなかったが、あまりに気になるので大人買いする事にした。

当時の価格で6,000円位しただろうか?
戦隊物の合体ロボが手に届く位の値段だったと思う。

で、購入。(高い買い物)

スイッチは全てバックルの上部にある。真ん中の赤い部分が光って回り電子音が鳴る。ちなみに右下のスリット部分がスピーカー。

右上の上下に黒丸の部分。上が赤いパイロットランプ(テレビパワーへの切替)。下は白ランプで点滅発光し、他のおもちゃに信号を送る。

左に黒い丸い穴のような部分があり、ここでテレビからの信号を受けるようになっている。

もっともらしく書いたが、そう記憶しているだけ。違うかも知れない。

ためしにスイッチを入れてベルトの白ランプの発光をみた結果、テレビからの信号とは、変身してライダーパンチやライダーキックを使う時に点滅する背景の光だとわかった。

白ランプはピピピピ...。という甲高い音に併せて激しくフラッシュ点滅するのである。

いざテレビで試してみようとするが、ここで問題があった。

取扱注意文(右の赤字イラスト)

テレビと連動して変身するにはベルトをブラウン管とを平行に保ち、センサーとなる穴をテレビにずっと向けておき、センサーには変身タイムまで、テレビ以外の光がずっと入らないようにしなくてはならないのだ。

したがって必然的にベルトはテレビ画面にくっつくような状態、テレビ周りの明かりは暗くしておかなくてはいけなくなる。

「テレビを観る時は、部屋を明るくして離れて観てね」の真逆の準備をするのだ。

いざ番組が始まる。もはやストーリーは頭に入らないというか、くっつき過ぎてよく見えない。

ようやく、てつをさんがポーズを取る。「変身!」あれ鳴らないぞ、おかしい。なんて言っているうちにBLACKが登場。
  
ライダーが戦っている間もセンサーの向きや窓のカーテンを閉めたりして暗くしてみる等忙しい。

やっとの事でセンサーの照準が、画面の光と一致すると、「ライダーパンチ!」
ピロロロロ...。やった、光った!と
ひと安心する。

遊ぶのに、これだけ労力を使うおもちゃも珍しい。

このベルトは大きなお友達でも、装着可能だが、それでは反応せず最終的にベルトを外した上、直接バックルを手で持ってブラウン管にくっつけるようにしてやっと動かしたのである。

変身ベルトですら、この状態である。ロードセクター(バイク)や変身仮面ライダー(人形)にも同様のセンサーがあるがテレビの光だけを向けておくのは難しいだろう。

しかし仮にセンサーの感度が良過ぎても、テレビでライダーがパンチやキックを使う度にベルトが鳴って、突然バイクが走り出したり人形がガッチャンとポーズを取り始めたら、最早ポルターガイストである。

結局ロードセクターや変身仮面ライダーは、変身ベルトにある白ランプでピピピ...。と光を当ててやれば、動作は可能なので、それで遊ぶのが賢明な判断だ。

変身ベルトも別に無理してテレビに向けなくても、普通の変身ベルトとして動かせるのでその方が現実的だ。

実際、当時小さな子供がテレビの前で、ベルトを着けるとバックルの重さでセンサーが下を向いて動かない、という事があったらしい。

スポンサーのバンダイも、気にしたのか、ライダーの点滅を放送途中からパワーアップさせている。

第3話。背景に注目。

第21話。背景の点滅が強くなる。

その結果、怪人に近づくにつれライダーの姿が見えにくくなっている。

結局、テレビパワーって何なの?

これ一つで終わっていれば珍品で終わるのだが、この時代「インタラクティブ・トイ」は他にも発売されていたのだ。

(次回続く)←疲れた。




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