特救指令ソルブレイン(1991年東映)
第17話
(脚本宮下隼一)
連続金塊強奪事件が発生。犯人の一人は捕まったが、仲間と金塊について一切口を割らない。そこで犯人を護送車に乗せ、移動中に護送車が襲撃されたと見せかけ、あえて脱走させて仲間の所へ行かせるように仕向けた。発信器をつけ、囚人に変装した刑事を手錠のまま連れて...。
これと同じ話がというか元ネタか?
西部警察(1980年石原プロ)
第40話
「手錠のままの脱走」
(脚本宮下潤一)※当時は潤一
連続ドル紙幣襲撃事件が発生。犯人の一人は捕まったが、仲間とドル紙幣の行方について一切口を割らない。そこで犯人を護送車に乗せ、移動中に護送車が襲撃されたと見せかけ、あえて脱走させて仲間の所へ行かせるように仕向けた。発信器をつけ、囚人に変装した刑事を手錠のまま連れて...。
同じ展開だ。
なお、手錠で繋がれた刑事は、ソルブレインは隊長、西部警察ではリキ(寺尾聰)が担当する。
今回は、2つの話を見比べてみる事にする。比べ易くするため、敢えて固有名詞を使わず、手錠で繋がれた2人を刑事、犯人と呼称する。
まず護送車の事故で犯人達を逃がすシーン。
ソルブレイン。運転席のスイッチで護送車の後輪を爆発させる。
西部警察では、ビル上からリュウ(加納竜)がライフルを撃って、護送車の事故を起こす。その際に先導の白バイをぶつける。
脱走した犯人は手錠を切ろうとして
線路に寝転ぶ。
ソルブレイン
西部警察
手錠を切るまいとして線路から逃れる刑事。そして水の中に落ちる。
ソルブレイン
西部警察
濁流にのまれる二人。
ソルブレイン
西部警察(アップシーン。流れが速いシーンは引きのカットが多い)
ここは、少し展開が違う。
(ソルブレイン)
川岸へ出るため崖を登る二人、下の刑事が足を滑らせ手錠でぶら下がる。刑事は看守からかっぱらったといって、手錠の鍵を取り出し、お前だけでも逃げろというが犯人は黙って引き上げる。
(西部警察)二人はそのまま川岸にたどり着く。
この時、発信器の発信が止まり追跡不能になる。
ソルブレイン。胸のボタンに付いていた発信器が岩にぶつかり
下に落としてしまう。
発信が消える
受信機を見つめる一同
西部警察。水に落ちた瞬間、発信が消える。
受信機を見つめる一同
ここでソルブレインでは手錠を外す。
西部警察ではそのまま。
(ソルブレイン)
刑事の鍵で手錠を外す。命の恩人だからついていくぜという刑事。
トラックに忍び込み、移動する二人。
ソルブレイン
トラックの中。
西部警察
トラックの中。
犯人は仲間の所へ行く。分け前をよこせと言うが、逆に拳銃を突きつけられる。
二人は逃走。
ソルブレイン。二人はどこからか持ってきた車で逃走。車は仲間の拳銃で撃たれて爆発。犯人は怪我を負ってしまう。
西部警察。犯人と仲間との間に、しゃしゃり出た刑事に対し、黙ってろと主犯の男が発砲。刑事の足に当たり負傷。二人は仲間の男を盾にして脱出。水の中に飛び込む。
この辺りから両者の展開が異なってくる。
ソルブレイン。犯人、俺は殺し以外は何でもやった。女房と子供とは別れたが、子供のために分け前の現金を奪う。
ソルブレイン。犯人、俺は殺し以外は何でもやった。女房と子供とは別れたが、子供のために分け前の現金を奪う。
香港マフィアとの取引が、並木町の廃工場であるのでそこを狙うという。
子供がそんな金貰って喜ぶかと言う刑事にお前何者だと突っかかる犯人。刑事、俺がチンピラでなければ何なんだよと言ってごまかす。
刑事が食い物を調達するといって抜け出し本部へ電話しようとするが、犯人に見つかり、頭を殴打される。おとり捜査がこの時点でバレる。
西部警察。銃砲店で手錠を切る犯人。
車中で刑事に車から降りろと犯人が言った時に、パトカーの追跡。運転していた刑事が西部署流のやり方で、パトカーから逃れる。
二人は主犯の女の家に行き、犯人は自分を殺そうとした黒幕は誰だとシメ上げる。
女は横須賀の米国軍人ヒギンズ少佐だと打ち明ける。
そこで仲間より先に、新たに銀行からドル紙幣を強奪し、軍人の所で取引を持ちかけようと目論む。
刑事は水を飲んでくると犯人から離れ、署に電話しようとするが、電話ボックス越しに犯人から銃を突きつけられ、お前サツの犬か?どこへ電話したと言う。刑事は女の所だとごまかす。疑われながらも、この時点では刑事とはバレていない。
ソルブレイン。廃工場での金塊取引に向かう犯人。犯人は現金の入ったトランクを奪うが、逆に追い詰められてしまう。
ちなみに取引現金はドル紙幣のようだが、どうやって換金するつもりだったんだろう。
刑事からのメッセージのシーン。
連絡のあった電話ボックスの場所に向かうソルブレイン隊員。そこに書き込みが。
「並木町 廃工場」隊長(刑事)のメッセージだ。現場へ向かう隊員達。
西部警察。新たなドル紙幣の強奪事件。駆けつけた大門軍団。谷さん(藤岡重慶)が指差すその先は...。
「ヒギンズ トリヒキ ヨコスカ」既に捜査で刑事(リキ)が負傷している事、黒幕がヒギンズ少佐だと掴んでいた大門軍団は、これはリキからのメッセージだと判断。横須賀に向かう。
取引現場へ向かう犯人を追う刑事のシーン。
ソルブレイン。
並木町の廃工場へ走る刑事。
犯人は、トランクをかばうも絶体絶命。
そこへ駆けつける刑事。俺はお前を信じる、お前ならやり直せる。俺がおとりになるから、トランクを持って逃げろ。
香港マフィア達の前に飛び出す刑事。
西部警察。刑事を銃器でぶん殴る犯人。
「お前は車から降りろ」死ぬのを覚悟で取引現場へ向かう犯人。刑事は公衆電話から署へ連絡、犯人が取引現場へ向かった場所を報告。
刑事は西部署流のやり方で車を拝借、取引現場へ急ぐ。左の人「オレのクルマー!」
刑事は西部署流のやり方で車を拝借、取引現場へ急ぐ。左の人「オレのクルマー!」
犯人はヒギンズ少佐(左上の紺服の人)に持ち込んだドル紙幣と円との引き換えを要求するが、拳銃を突きつけられて逆にピンチに。
そこへ刑事が到着。
「教えてやろう。そいつは西部署のデカだ」主犯の男から言われた犯人は、ここで初めておとり捜査だと気づく。刑事、走れるか?と二人で脱出を試みる。
最後の捕物シーン。
ソルブレイン。なぜか持っている爆弾を投げる香港マフィア。炎上する中やって来るソルブレインのマシン。
刑事(隊長)はソリッドスーツを装着(プラスアップ)してソルブレイバーになって、香港マフィアに立ち向かう。
香港マフィアは、爆弾を投げつけるが..。
爆弾は爆発するが、炎上の中、ソルブレイバーの反撃。マフィア達は全員逮捕される。
マフィア達の逮捕の後、逃げたと思った犯人が現れる。犯人「逃げられる訳ないだろ、繋がってちゃ」手錠の後を見せ、こんな金貰っても子供がありがたるわけないよなと言って、トランクを渡して素直に逮捕に応じる。
(終了)
西部警察。逃げようとする二人の前に大門軍団の覆面パトカーが。
団長(渡哲也)にソリッドスーツはいらない。
逃走しようとする犯人の車に覆面パトカーをぶつける団長。
救急車で運ばれる犯人。相方のチンピラがデカと気が付かなかった事に対して、おれもヤキがまわったな、と呟く。
刑事(リキ)は足、平気なのか?(一応仲間から担架に乗せられようとされるが)
(終了)
ソルブレインは元々刑事ドラマがベースであり、脚本も流用しやすくかったのだろう。上手くアレンジされている。
犯人が、子供のために金を手に入れようとし、それが間違いだと気づき、罪を償おうとする展開がソルブレインらしい。
犯人が、子供のために金を手に入れようとし、それが間違いだと気づき、罪を償おうとする展開がソルブレインらしい。
ちなみにタイトルバックの
パトカーの走行シーンも
意識しているんでしょうね。