安田講堂は演奏用の会場ではないため、金屏風や緋毛氈を自分たちで手配・設営しなくてはいけませんでした
出演者も、ほぼお客様と同時に会場に入り、一時間の内に会場作りと楽器の準備など行わなくてはいけなかったのですが、時間になっても手配していた業者さん(金屏風&緋毛氈)が到着しません
とても広い東大キャンパスの外で、業者さんは入口の龍岡門を見つけられずにグルグルしていたのでした
何とか龍岡門を入っていただいた後も、キャンパスの中でグルグル…
お電話をいただいても、同じような建物ばかりでどこにいるのか分からない様子で、こちらも途方に暮れていたところ、喜代八師匠のお弟子さんIさん(キャンパスを熟知している東大卒)が、「太陽に向かって走ってください」と、一言笑
なんと頼りになると感心しつつも、間に合うのかハラハラしてしまいました
業者さんも何とか間に合って、予想以上に重かった屏風を運び込むと、会場ではお囃子の望月左武郎先生ご指示のもと、長唄の先生方やお囃子さんとでしっかり会場づくりが出来ておりました。ご協力いただきまして、本当にありがとうございました ※金屏風を触る時には手袋を着用しております。
設営が終わった後で、左武郎先生が「サンフランシスコの時みたいだったね(笑)」と…笑
確かに左武郎先生はSF公演の時にも、当日の設営からされており、舞台作りのスペシャリストでした
左武郎先生さまさまです
会場作りの後は、楽屋で楽器の準備です
あっという間に出演時間となりましたが、定刻通りに「楠公」開演となりました。
安田講堂での下ざらいが行えなかったため、音響を心配しておりましたが、マイクが無くても声が良く通る講堂でした
唄:岡安喜代八 杵屋勝彦 杵屋勝英治 岡安喜代蘭
三味線:岡安喜三郎 岡安香代 岡安祐璃花 岡安茂登
囃子:望月左武郎 望月武和珂 望月武真 望月武游 藤田和也 安藤螺鈿
今回、シンポジウムで演奏させていただくきっかけとなった、元彰義隊士関弥太郎は、明治になって長唄の師匠・岡安喜平次となり100名以上のお弟子さんを育てた方だそうです。シンポジウムの目的にありました「明治150年を期しての彰義隊の検証による顕彰、慰霊、鎮魂」。喜平次氏のお墓がある法要寺のご住職様もお見えになるとお聞きしておりましたが、どのように映ったでしょうか…。岡安流一門による演奏が、慰霊・鎮魂となっていることを願っております。
長唄演奏の後は、パネリストの皆様による彰義隊・薩摩・長州のお立場に分かれての熱いご講演が行われました。
次回へ続く…