長唄 岡安喜代八・茂登公演情報ブログ

「岡安喜代八・茂登」HPへは、当ブログ左下「ブックマーク」からおいでください。

一周忌を迎えて

2021年08月19日 | Weblog
ご挨拶
昨年の令和2年8月に夫・岡安喜代八が他界しました。生前頂戴いたしましたご厚情、改めて御礼申し上げます。
 
皆様に愛され、また芸に厳しきが故に怖がられていたのではないでしょうか。
義父・稀音家三郎、義母・岡安南甫も芸には厳しい人で、喜代八も幼少期(母親のお腹のなか)より長唄に浸り、長唄一筋の人生でした。
それ故に芸以外の事は一切受け付けず、カラオケに誘われても「唄は命を懸けるもの!」と、決して参加致しませんでした。なので、歌謡曲を歌っても長唄になってしまうという有様でした(笑)
 
病をえる迄は元気で身体も鍛え、病気一つなく過ごしていたので、之ならば百歳までも、と思っておりましたが、親と同じ病いでさっさと逝ってしまいました。愛妻をおいてーーー
 
優しい人でした。
笑顔が良い、と慕われましたが一度気に沿わない事が有ると、受け入れない頑固な所もあり、困りました。
やり残した事も多々有るとは思いますが、皆様のお陰で良き人生を送る事が出来たのでないか、幸せだったのではないか、と思います。
 
私もまだまだ未熟故一生懸命稽古して、お傍に行く時は迎えてくれる様、これからも精進するつもりです。
長い間有難うございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
 
                岡安 茂登
 
 
    師の言葉
   芸のたのしさ 
   きびしさを
   貴方の胸に
   いついつ迄も
 
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
 
ご挨拶
 
父である岡安流分家家元 七世岡安喜代八が、昨年令和2年8月17日、86歳にて他界致しました。故人が賜りました生前のご厚情に心より御礼申仕上げます。
早いもので一周忌を迎えましたが、父のいない一年を振り返りますと「父」と「師匠」を亡くした寂しさは、なんとも言えない喪失感でした。
 
父は平成30年4月、胆管癌が発見されて手術を受けました。
当時83歳という事もあり術後に不安がありましたが、抗癌剤治療を受けながら稽古、舞台共に精力的に努めていました。
しかし翌年夏に再発し、令和2年2月の長唄協会演奏会の【鞍馬山】が最後の舞台になってしまいました。
どの舞台もこれが最後になるかも、と、一つ一つ、大事に、丁寧に、真剣に、まさに命懸けで向き合っていました。
 
訪問看護専門の病院から毎日栄養の点滴を打ちに来てもらい、8月15日には86歳の誕生日をお弟子の皆さんに囲まれて、ケーキを食べ、バースディソングを歌ってもらい、夜にはお寿司を食べて「美味しい」と喜んでいました。
亡くなった当日もゼリーを食べて「美味しい、幸せだ」と言ってましたが、夕方に急変。
22時01分に母と私に見取られて、眠ったまま亡くなりました。
癌であっても痛みも少なく、自宅で最期を迎えられたのは、本人にとって幸せだったのでは、と思っております。
 
この先は心配をかけない様、皆様に助けて頂きながら、頑張りたいと思います。
父には多分、一生追いつかないでしょう。それでも残された者として、前に進んでいきたいと思っております。
今後も何卒宜しくお願い申し上げます。
 
改めて、一周忌を迎えるにあたり、沢山の皆さまにお心遣いを頂戴しました事、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。
 
                 岡安香代
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする