11月8日(火) 「たとえば、葡萄」(大島真寿美著)
朝日新聞 10/1 <普通じゃない人たちの普通の話>
まったく先の見えない状態で会社を辞めてしまった美月(28歳)。転がり込んだのは母の昔からの友人・市子(56歳)の家。昔なじみの個性の強い大人達に囲まれ、一緒に過ごすうち、真っ暗闇の絶望の中にいた美月は徐々に上を向く。
誰の心にも存在する将来への恐れや不安、葛藤……。自分と格闘する美月を周囲の大人達は優しく見守る。さりげなく、自然に、寄り添うように。
何度も心が折れそうになりながらも、やがて美月はひょんな出会いから、自分自身の夢と希望を見つけていく……。直木賞作家が描く、「今」とこれ「から」
11月9日(水) 「夜に星を放つ」(窪美澄著)
朝日新聞 8/27 <縮む背中、でも一人じゃない>
かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。
コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との関係、30歳を前に早世した双子の妹の彼氏との交流を通して、人が人と別れることの哀しみを描く「真夜中のアボカド」。学校でいじめを受けている女子中学生と亡くなった母親の幽霊との奇妙な同居生活を描く「真珠星スピカ」、父の再婚相手との微妙な溝を埋められない小学生の寄る辺なさを描く「星の随に」など、人の心の揺らぎが輝きを放つ五編。
11月19日(土) 「アキレウスの歌」(マデリン・ミラー著)
〈オレンジ賞受賞作〉
半神の少年アキレウスに出会い、強い絆を結んだ王子パトロクロス。しかし、トロイア戦争が始まり、二人の上に暗い影を投げる……神々が人間に干渉するギリシア神話の世界を鮮やかに語り直した戦いと青春の物語/掲出の書影は底本のものです。
11月21日(月) 「汝、星のごとく」(凪良ゆう著)
京都市在住。2006年にBL作品にてデビューし、代表作に'21年に連続TVドラマ化された「美しい彼」シリーズなど多数。'17年非BL作品である『神さまのビオトープ』(講談社タイガ)を刊行し高い支持を得る。'19年に『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。'20年『流浪の月』で本屋大賞を受賞。同作は'22年5月に実写映画が公開された。'20年刊行の『滅びの前のシャングリラ』で2年連続本屋大賞ノミネート。本書は約2年ぶりの長編となる。
11月23日(水) 「小さな国で」(ガエル・ファイユ著)
アフリカにあるちいさな国、ブルンジ。仲間たちとマンゴーをくすねたり、家族でドライブしたり、少年ギャビーは幸せな日々を送っていた。
しかし、初の大統領選挙をきっかけに民族対立が激化し、内戦が勃発する。親戚や知り合いが次々と消息を絶ち、平穏な生活は音を立てて崩れていく……。
フランスで活躍するアフリカ生まれのラッパーが、自らの生い立ちをもとにつづった感動作!
高校生が選ぶゴンクール賞、Fnac小説賞、第24回日仏翻訳文学受賞作。
11月24日(木) 「いつの空も星が出ていた」(佐藤多佳子著)
アフリカにあるちいさな国、ブルンジ。仲間たちとマンゴーをくすねたり、家族でドライブしたり、少年ギャビーは幸せな日々を送っていた。
しかし、初の大統領選挙をきっかけに民族対立が激化し、内戦が勃発する。親戚や知り合いが次々と消息を絶ち、平穏な生活は音を立てて崩れていく……。
フランスで活躍するアフリカ生まれのラッパーが、自らの生い立ちをもとにつづった感動作!
12月1日(木) 「ケルト人の夢」(マリオ・バルガス=リョサ著)
一九一六年、大英帝国の外交官であった男に死刑が執行された。その名はロジャー・ケイスメント。植民地主義の恐怖を暴いた英雄であり、アイルランド独立運動に身を捧げた殉教者である。同性愛者ゆえに長くその名は忘れられていたが、魂の闇を含めて、事実と虚構が織りなす物語のうちによみがえった。人間の条件を問う一大叙事詩。
12月15日(木) 「はぐれんぼう」(青山七恵著)
朝日新聞 10/29 <不安を預け 平穏を装う社会で>
あさりクリーニング店で働く優子は、持ち主が長く引き取りに来ない衣服「はぐれんぼちゃん」たちを自宅に持ち帰る。翌朝目覚めると、それら衣服が体全体を覆っていた。不思議な感情に襲われた優子は衣服の持ち主のもとを訪れるが、次々に受け取りを拒絶される。道中に出会ったトレンチコートの謎の男ユザさんに導かれるまま、「はぐれんぼちゃん」を身に纏ったちぐはぐな姿で、優子は帰るべき場所を求めて再び歩き始める。
12月16日(金) 「許されざる者」(辻原登著)
12月23日(金) 「永遠年軽」(温又柔著)
朝日新聞 12/3 <誰かの葛藤に触れたときの震え>
十七歳の私たちは、「はるか遠くにある未来」を夢みていた――
私=林由起子には、林美怜と林圭一という同じ「林」の苗字を持つ友人がいた。やがて圭一は美怜と付き合うようになり、三人の関係に変化が訪れる……。国籍や性別を超えた三人の友情、その積み重ねた時間を描いた表題作をはじめ、「日本語文学」を拡張する傑作作品集。
12月29日(木) 「死に方がわからない」(門賀美央子著)
朝日新聞 11/12 <独身、子なし 望む道筋をみつける>
自殺マニュアルではありません。「ひとりっ子親なし配偶者なし子なし」のひとり暮らしが増えている昨今、若くても、親兄弟がいても、いつなんどき部屋で倒れたり不幸にも亡くなってしまうという、孤独死ならぬ孤立死をしてしまうかわかりません。本書は、現代のおひとり様が、いかに他人様に迷惑をかけず、部屋で腐らず、綺麗に人生を閉じるかを、実例を挙げながら指南する”実用エッセイ”。物騒なタイトルとは裏腹に、ユーモア溢れる文章なので、楽しく読めるうえにいつの間にか知識が増えていきます。
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