やまさんのエンジョイ生活 Ver.2

趣味の登山、映画鑑賞、読書を日記風に紹介してます。

読書2015その4

2015-06-29 | 読書

5月26日(火)     「万寿子さんの庭」 (黒野伸一著)

    

  竹本京子、20歳。右目の斜視にコンプレックスを抱く彼女が、引っ越しを機に変わり者のおばあさん杉田万寿子に出会った。万寿子からさまざまないやがらせを受け、怒り心頭の京子。しかし、このおかしなやりとりを通して、意外にも二人は仲良くなってゆく。やがて、気丈だった万寿子に認知症の症状が出てくるようになり、京子は自ら万寿子を介護する決意をするが…。

 半世紀の年齢差を超えた友情が、互いの人生に影響を与えていく様を温かな筆致で描く感涙の物語は黒野伸一関連で、古本屋で購入して読んだ。文庫本の後ろに参考文献が出ていた。[女の子はらくじゃない みそっかすの少女時代](森禮子著)と[女子学徒の戦争と青春](奥村芳太郎編著)

6月6日(土)      「父からの手紙」 (小杉健治著)

  

  家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。十年が経ち、結婚した麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。完璧なミステリー仕立ての中に、人と人との強い絆を描く感動作

 前にもこの作家の本を読んだが、この後も彼に作品に惹かれていく。確かに感動的です!

6月8日(月)     「体の贈り物」 (レベッカ・ブラウン著)

    

  食べること、歩くこと、泣けること……重い病に侵され、日常生活のささやかながら、大切なことさえ困難になってゆくリック、エド、コニー、カーロスら。私はホームケア・ワーカーとして、彼らの身のまわりを世話している。死は逃れようもなく、目前に迫る。失われるものと、それと引き換えのようにして残される、かけがえのない十一の贈り物。熱い共感と静謐な感動を呼ぶ連作小説。

 朝日新聞の<再読こんな時、こんな本>で「身体を慈しむ」で記者のおすすめで紹介されていた。「少しずつ心を通わせていった相手が次第に弱っていく姿や、永遠の別れはこたえる。それでも、患者たちの”あなたがいなくて寂しい”と絞り出した言葉や、”空気を肌に感じていたい”という沐浴後の喜びなど、どの相手とのやりとりの中にも贈り物と呼べる瞬間があることを静かな筆致で描く」とあった。

 「家庭の医学」「私たちがやったこと」「若かった日々」も読んでみたくなった。

 

6月11日(木)     「父と子の旅路」 (小杉健治著)

  

   子を想う親の心はいつの世も変わらない。生きてゆくことのいたましさと悲しさを描いた冤罪小説の新地平。過酷な状況に追い込まれた柳瀬光三が、長い旅路の果てに見たものとは。『小説推理』連載。

 

6月17日(水)     「もう一度会いたい」 (小杉健治著)

  

   引きこもり生活を送る悟史は、ある晩、アルツハイマー病を患う源一郎と出会う。結婚の約束を果たせなかった女性に謝りたい。そんな源一郎の「最後の望み」を叶えるため、悟史は手がかりを探る。女性の消息を辿ると、ある殺人事件とのつながりが浮かび上がる。悟史は、源一郎が抱える慚愧の念を晴らすことができるのか!?そして殺人事件に隠された意外な真実とは―。

  小杉健治の作品をもっと読みたくなった。

6月19日(金)     「ハルとナツ~届かなかった手紙」 (橋田寿賀子作)

        

  昭和9年、北海道からブラジルへの移民となった姉ハルとその家族。出発の地、神戸で眼病のためひとり日本に残された妹ナツ かたや激動の時代を困苦のブラジル移民として耐え抜き、かたや日本でただひとり戦争と復興の時代を生きた、ふたりの女性の70年。その人生の歳月をスケール豊かに浮き彫りにし、日本と日本人のあり方を問う壮大な大河ロマン。

 北海道からブラジルへと移民した姉・ハルと一人日本に取り残された妹・ナツの、海を越えて引き裂かれた70年に及ぶそれぞれの波乱万丈の人生を描いた大河ドラマ。2005年、ついに日本に帰国したブラジル移民の高倉ハル(森光子)は、生き別れになっていた妹・ナツ(野際陽子)と70年ぶりの再会を果たす。しかし、製菓会社の社長にまで上り詰めたナツはそんなハルを冷たく拒絶する。失意のハルは孫・大和(今井翼)に、貧困にあえぐ北海道での暮らしから脱するために家族全員でブラジルへの移住を決意するも、ナツと離れ離れになってしまった70年前のいきさつを語り始めるだった。
   NHKの放送80周年を記念して制作された橋田壽賀子のオリジナル脚本による作品のノベライズ?! DVDを見てみたい!

 

6月26日(金)     「ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂」 (マーギー・プロイス著)

      

  1800年代。アメリカ東部に暮らした初めての日本人、ジョン万次郎(中浜万次郎)。言葉も習慣も異なる地で、いじめや差別にくじけることなく、強く生き抜いていった秘訣は何だったのだろう?アメリカに残された記録や資料をもとに、日本が誇るバイリンガル、ジョン万次郎の青春時代を鮮やかに描いた物語。2011年ニューベリー賞オナー受賞。

 何気なく図書館で見つけて読んでみた。ジョン万次郎についてはいろいろな作家が書いてるが、実際に資料などが紹介されていて面白かった。その後の活躍が凄い。

 

6月30日(火)     「春雷」 (葉室麟著)

     

   鬼隼人、許すまじ―財政難に喘ぐ豊後・羽根藩には、怨嗟の声が渦巻いていた。十五年前に仕官、やがて御勝手方総元締に任じられた多聞隼人が、藩主・三浦兼清を名君と成すために、領民家中に激烈な痛みを伴う改革を断行したためであった。そんな中、誰も成し得なかった黒菱沼の干拓の命が下る。一揆さえ招きかねない難題であった。それにも拘わらず、隼人は家老に就くことを条件に受諾。工事の名手で“人食い”と呼ばれる大庄屋・佐野七右衛門、獄中にあった“大蛇”と忌み嫌われる学者・千々岩臥雲を召集、難工事に着手する。だが、城中では、反隼人派の策謀が蠢き始めていた…。 『蜩ノ記』『潮鳴り』に続く羽根藩シリーズ、待望の第三弾!

 いずれの作品も興味深く読めた。



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1 コメント

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紹介 (コトタマ学)
2015-07-03 20:29:57
日本語の起源・言霊百神
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